本記事にはプロモーション(広告)が含まれています
カメラを買ったら、次に気になるのがレンズです。ところが「広角」「標準」「望遠」「単焦点」「ズーム」「マクロ」と種類が多すぎて、自分に何が必要なのか分からず手が止まってしまう人が多いのではないでしょうか。売り場で「とりあえずキットレンズで」と言われるまま買ったものの、撮りたい写真が撮れずにモヤモヤしている、という声もよく聞きます。
結論から言うと、カメラのレンズの種類は「焦点距離(広角〜望遠)」と「ズーム/単焦点」という2つの軸で整理すると一気に分かりやすくなります。この2軸さえ押さえれば、店頭に並ぶ何十本ものレンズも「自分向き」「そうでない」がすぐ判断できるようになります。
この記事では、レンズの種類を焦点距離別・構造別に分類したうえで、マクロや魚眼などの特殊レンズ、被写体別のおすすめ、予算やセンサーサイズによる絞り込み方まで、カメラに詳しい店員が売り場で説明するつもりで解説します。読み終える頃には、次に買うべき1本の種類がはっきり見えているはずです。
・レンズの種類を「焦点距離」と「ズーム/単焦点」の2軸で整理する方法
・広角・標準・望遠の焦点距離の目安と、得意な被写体
・マクロ・魚眼・チルトシフトなど特殊レンズで撮れる世界
・被写体別・予算別・センサー別の、自分に合うレンズの選び方
カメラのレンズの種類は「2軸」で整理するとスッキリわかる

レンズの種類が覚えられないのは、分類の軸を1本に絞ろうとするからです。実際には「画角(写る範囲)を決める焦点距離の軸」と「焦点距離を変えられるかどうかの軸」という2つの軸があり、市販されているレンズはすべてこの掛け合わせのどこかに位置します。まずは全体像から押さえましょう。
レンズは「焦点距離」×「ズーム/単焦点」の掛け合わせで決まる
1つ目の軸が焦点距離です。焦点距離が短いほど写る範囲が広く(広角)、長いほど遠くを大きく写せます(望遠)。2つ目の軸が構造で、焦点距離を変えられるのがズームレンズ、固定なのが単焦点レンズです。たとえば「24-70mm」と書かれていれば広角〜標準をカバーするズーム、「50mm」の1つだけなら標準の単焦点、と読み解けます。この2軸で見ると、どんなレンズ名も「どのくらいの範囲を、変えられる/変えられない形で写すか」に翻訳できます。使うシーンとしては、旅行で荷物を減らしたいならズーム、背景を大きくぼかしたいなら単焦点、という選び分けが基本になります。注意点は、同じ「50mm」でもセンサーサイズによって写る範囲が変わること。ここは後半で詳しく触れます。
【カメラのトリセツ調べ】レンズ種類・焦点距離・得意な被写体の早見表
焦点距離(フルサイズ換算)ごとに、レンズの呼び名と得意な被写体をまとめました。数値はメーカー各社の一般的な分類(キヤノン公式用語集ほか)を基準にした目安です。最初はこの表を「地図」として頭に入れておくと、レンズ選びで迷いにくくなります。
| レンズの呼び名 | 焦点距離の目安 | 得意な被写体 |
|---|---|---|
| 魚眼・超広角 | 〜24mm(魚眼は画角180度前後) | 星空・広い風景・建築 |
| 広角 | 24〜35mm | 風景・スナップ・室内 |
| 標準 | 40〜60mm(画角約46度) | 日常・テーブルフォト・人物 |
| 中望遠 | 85〜135mm | ポートレート・花 |
| 望遠・超望遠 | 100〜300mm/400mm以上 | 野鳥・飛行機・スポーツ |
| マクロ | 50〜200mm(最大撮影倍率1/2〜等倍) | 花・昆虫・小物の接写 |
フルサイズとAPS-Cでは「同じmm」でも写る範囲が変わる
早見表の焦点距離は、35mmフルサイズセンサーを基準にした数値です。ここで見落としがちなのが、APS-Cセンサーのカメラだと同じレンズでも写る範囲が狭くなること。キヤノン公式の解説でも、APS-C機では標準レンズ相当の焦点距離が28〜35mm前後になると説明されています。理由は、センサーが小さいぶん画面の中央だけを切り取る形になるためで、一般的に焦点距離を約1.5倍(キヤノンのAPS-Cは約1.6倍)した数値が「フルサイズ換算」の画角になります。たとえばAPS-C機に50mmを付けると、フルサイズの75mm相当、つまり中望遠寄りの写りになります。単焦点で「思ったより寄れない・引けない」という戸惑いは、この換算を知らないことが原因のことが多いです。レンズを選ぶときは、必ず自分のカメラのセンサーサイズと換算倍率をセットで確認しましょう。
広角・標準・望遠|画角で分かれる3つの基本レンズ
特殊なレンズを除けば、まず覚えるべきは「広角・標準・望遠」の3つです。この3種類の違いは、写る範囲(画角)と遠近感の出方。同じ被写体を撮っても、選んだ種類しだいで写真の印象は大きく変わります。それぞれの特徴と注意点を見ていきましょう。
広角レンズ|広い範囲と奥行きを写せるが、周辺のゆがみに注意
広角レンズは、標準より写る範囲が広いレンズです。焦点距離はフルサイズ換算で24〜35mmが目安で、24mm以下は超広角と呼ばれます。特徴は、画面に広がりが出て、手前と奥の距離感(パースペクティブ)が強調されること。狭い室内や広大な風景、星空を撮るときに活躍します。使うシーンとしては、旅先で建物全体を1枚に収めたい、テーブルの料理と店内の雰囲気を一緒に写したい、といった場面が典型です。注意点は、パースが強いぶん画面の端に近いものが引き伸ばされてゆがむこと。人物を端に置くと顔や体が不自然に伸びて見えるので、集合写真では中央寄りに配置するのが対策になります。また広く写る分、余計なものまで入りやすく、構図の整理力が問われるレンズでもあります。
標準レンズ|肉眼に近い自然な写り、最初の1本に向く
標準レンズは、人間の視角にもっとも近い自然な遠近感が得られるレンズです。フルサイズ換算で焦点距離50mm前後、画角は約46度が基準になります。誇張の少ない素直な写りで、日常のスナップから人物、テーブルフォトまで幅広くこなせるのが強み。「見たままに近い写真が撮りたい」という初心者の最初の1本として定番です。多くのメーカーが50mm F1.8クラスの安価な単焦点をそろえており、2万円台から手に入るのも魅力です。使うシーンは、街歩きスナップ、家族の日常、料理写真など。注意点は、写る範囲が広くも狭くもない“中間”ゆえに、広い風景や遠くの被写体には物足りなさが出ること。1本で万能というわけではなく、撮りたいものが決まってきたら広角や望遠を足していく前提で考えると失敗しません。

「単焦点レンズに興味があるけど、いきなり高いレンズを買うのは怖い」「キットレンズの次に何を買えばいいかわからない」——そんな悩みを持つ方にぴったりなのが、撒き餌…
望遠レンズ|遠くを引き寄せ、背景を圧縮できる
望遠レンズは、標準より画角が狭く、遠くの被写体を大きく写せるレンズです。焦点距離はフルサイズ換算で100〜300mmが目安、400mm以上は超望遠に分類されます。遠くを引き寄せる効果に加え、背景と被写体が重なって見える「圧縮効果」で背景を大きくぼかせるのも特徴。スポーツや野鳥、飛行機、運動会など「近づけない被写体」で本領を発揮します。使うシーンでは、運動会でわが子だけを大きく写す、離れた野鳥を撮る、といった場面が定番です。注意点は2つ。1つは手ブレで、焦点距離が長いほどわずかな揺れが大きく写るため、手ブレ補正や速いシャッタースピードが必須になります。もう1つは大きさと重さで、300mmを超えると1kg級になるモデルも多く、携帯性は犠牲になります。焦点距離と画角の関係をもっと掘り下げたい人は、こちらの記事も参考にしてください。

カメラのレンズを選ぼうとすると、必ず目に入る「焦点距離」という数字。14mm、50mm、200mm……数字が並んでいるけれど、結局どれを選べばいいのかわからない…
圧縮効果=望遠レンズで撮ると、遠くにあるもの同士の距離感が縮まって見え、背景が大きく迫って写る現象のこと。夕日を大きく写す作例などはこの効果を使っています。
ズームレンズと単焦点レンズ、最初の1本はどっち?

焦点距離の軸と並ぶもう1つの軸が、この「ズームか単焦点か」です。どちらが優れているという話ではなく、得意分野が違います。荷物・画質・ボケ・価格のどれを優先するかで答えが変わるので、それぞれの中身を正しく理解しておきましょう。
ズームレンズ|1本で画角を変えられる万能タイプ
ズームレンズは、焦点距離を自由に変えられるレンズです。ソニー公式の解説でも、1本で広角から望遠まで複数の画角をカバーでき、レンズ交換の頻度を減らせる点がメリットとして挙げられています。代表格は「24-70mm」のような標準ズームで、旅行や運動会など被写体との距離が刻々と変わる場面で強い味方になります。使うシーンは、荷物を増やしたくない旅行、動き回る子ども、レンズ交換のヒマがないイベントなど。注意点は、便利さと引き換えにF値(明るさ)が控えめなモデルが多く、暗い場所やボケの大きさでは単焦点に一歩譲ること。とはいえ最初の1本としては「撮れないシーンが少ない」ズームが無難で、キットレンズもこのタイプです。ズームレンズの選び方を詳しく知りたい人は、次の記事が役立ちます。

📷 この記事でわかること ・ズームレンズの種類(標準・望遠・広角・高倍率)と、それぞれの得意シーン ・F値「通し」と「変動」の違いが撮影にどう影響するか ・焦点…
単焦点レンズ|明るくてよくボケる、画質重視タイプ
単焦点レンズは焦点距離が固定されたレンズで、その代わりにF1.8やF1.4といった明るい(F値の小さい)モデルが多いのが特徴です。明るいレンズは背景を大きくぼかせて、暗い場所でもシャッタースピードを稼げます。構造がシンプルなぶん、同じ価格帯ならズームより画質・軽さで有利になりやすいのも利点。使うシーンは、ポートレートで背景をとろけさせたい、夜のスナップを手持ちで撮りたい、料理を印象的に写したい、といった「1枚のクオリティ」を上げたい場面です。注意点は、画角が固定なので自分が動いて構図を作る必要があること。ズームに慣れた人は最初「不便」に感じますが、これが構図力を鍛えてくれるという声も多いです。まずは標準の50mm F1.8あたりから試すのが定番です。
使い分けの結論|迷ったらズーム、こだわり始めたら単焦点を足す
結論として、1本目はズーム、2本目に単焦点という流れが失敗しにくいです。理由は、最初は自分がどんな被写体をよく撮るのかが定まっておらず、画角を変えられるズームのほうが「撮り逃し」が減るから。ひと通り撮ってみて「もっとボカしたい」「暗所で撮りたい」という不満が出てきたら、その被写体に合う焦点距離の単焦点を足すのが賢い順番です。使い分けの目安として、家族旅行やイベント中心ならズーム、カフェや人物ポートレート中心なら単焦点、という判断でおおむね合います。注意点は、両方をそろえると荷物と予算がふくらむこと。すべてを一度に買う必要はなく、撮りたいものが増えるたびに1本ずつ足していく考え方がおすすめです。
「安いから」と選んだ単焦点が、自分のカメラのマウント(本体とレンズの接続規格)に合わず装着できなかった、という失敗は初心者にとても多いパターンです。ソニーEマウント用のレンズはニコンZ機には付きません。対策は、購入前に必ず「自分のカメラのマウント名」を確認し、対応レンズだけを候補にすること。中古やフリマでは特に、型番のマウント表記を1文字まで確認しましょう。
マクロ・魚眼・チルトシフト|特殊レンズで表現の幅が広がる
広角・標準・望遠の基本3種を覚えたら、次は特定の目的に特化した特殊レンズです。日常では出番が少ないものの、「これでしか撮れない写真」があるのが魅力。代表的な3種類と、それぞれで撮れる世界を紹介します。
マクロレンズ|小さな被写体を等倍で大きく写せる
マクロレンズは、被写体に大きく寄って撮る接写に特化したレンズです。判断基準になるのが「最大撮影倍率」で、1/2(ハーフマクロ)から等倍(1:1)まで寄れるものがマクロと呼ばれます。等倍とは、被写体の実物大とセンサー上に写る像の大きさが同じになる状態のこと。花のしべや昆虫の複眼など、肉眼では見えにくいディテールを画面いっぱいに写せます。焦点距離によって標準(50〜60mm)・中望遠(100mm前後)・望遠(200mm前後)の3タイプがあり、逃げやすい昆虫には離れて撮れる中望遠以上が向きます。使うシーンは、花・アクセサリー・料理・小物の物撮りなど。注意点は、寄るほどピントの合う範囲(被写界深度)が紙のように薄くなること。三脚と絞り込み(F8前後)、場合によってはピントをずらして合成する深度合成が必要になる場面もあります。
魚眼レンズ|画角180度、大胆にゆがむ独特の写り
魚眼レンズは、上下左右180度前後という広大な範囲を写し、画面周辺を大きくゆがませる特殊な広角レンズです。まっすぐな線が弓なりに曲がる独特の描写で、遊園地や星空、天井、狭い空間をダイナミックに表現できます。同じ「広い範囲を写す」でも、ゆがみを補正して自然に見せる超広角レンズとは目的が正反対で、魚眼はゆがみそのものを作品の個性にするレンズです。使うシーンは、開放感を強調したいスナップ、全天球のような星景、被写体に思い切り寄ってデフォルメする表現など。注意点は、クセが強く「1枚目は面白いが多用すると飽きられやすい」こと。また構図の中心以外は大きく歪むため、水平線や建物を自然に見せたい写真には不向きです。最初の1本というより、表現の引き出しを増やす“遊べる2〜3本目”という位置づけが現実的です。
チルトシフト(PC)レンズ|建築のゆがみを消し、ピント面を操る
チルトシフトレンズ(PCレンズ)は、レンズを傾ける「ティルト」と平行移動させる「シフト」でピントの面や遠近感をコントロールできる特殊レンズです。ニコンなどメーカーの解説によれば、建築写真や広告写真で多く使われます。ビルを見上げて撮ると上すぼまりに倒れて写りますが、シフト機能を使えば垂直の線をまっすぐに保てます。またティルトでピントの面を斜めに倒せば、通常はボケる手前から奥までシャープに写したり、逆にミニチュアのようにボカしたりできます。使うシーンは、建築・不動産・商品撮影・風景など「正確な形」や「特殊なピント表現」が求められる場面です。注意点は、多くがマニュアルフォーカス専用で価格も高めなこと。使いこなしに知識が要るため、明確な目的がある人向けの上級者レンズと考えておくとよいでしょう。
最大撮影倍率=被写体の実物大に対して、センサー上にどれだけ大きく写せるかの比率。等倍(1:1)は実物大、ハーフマクロ(1:2)は実物の半分の大きさで写ります。マクロレンズ選びで最も重要なスペックです。
被写体別|このシーンに合うレンズの種類はこれ
ここまでで種類は分かっても、「じゃあ自分は何を買えばいい?」が残ります。答えは、よく撮る被写体から逆算するのが近道です。代表的な被写体ごとに、向いているレンズの種類と焦点距離の目安を整理しました。
風景・星空|広角〜超広角で奥行きと広がりを出す
風景写真は、広い範囲を1枚に収められる広角〜超広角レンズが基本です。フルサイズ換算で16〜35mmあたりが定番で、山並みや海、街並みの奥行きを強調できます。星空を撮るなら、広い範囲を写せてF2.8前後と明るいレンズが有利。使うシーンは、旅行先の絶景、夜の天の川、広い室内など。注意点は、広く写るぶん手前に主役を置かないと「ただ広いだけ」の平凡な写真になりがちなこと。前景に花や岩を入れて奥行きを作る意識が大切です。逆に望遠で山の稜線だけを切り取る風景表現もあり、「風景=広角」と決めつけない柔軟さも覚えておくと表現が広がります。
ポートレート・人物|中望遠の単焦点で背景をとかす
人物撮影で定番なのは、フルサイズ換算85〜135mmの中望遠単焦点です。理由は、この焦点距離だと顔のパースが自然で、背景を大きくぼかして主役を浮き立たせられるから。明るいF1.4〜F1.8のモデルなら、点光源が丸くとろける玉ボケも楽しめます。使うシーンは、記念撮影、モデル撮影、子どものポートレートなど。注意点は、中望遠は被写体との距離が必要になるため、狭い室内では下がりきれず全身が入らないことがあること。室内中心なら50mm前後の標準単焦点のほうが取り回しやすい場合もあります。ポートレートの設定や光の使い方は奥が深いので、専門記事も合わせて読むと理解が深まります。
動物・野鳥・スポーツ|望遠〜超望遠で近づけない被写体を撮る
野鳥やスポーツ、動物園の動物など「近づけない被写体」には、望遠〜超望遠レンズが必須です。目安はフルサイズ換算で200〜600mm。遠くの被写体を画面いっぱいに引き寄せられ、動きの速い被写体もトリミングなしで大きく写せます。使うシーンは、野鳥、飛行機、運動会、モータースポーツなど。注意点は、焦点距離が長いほど手ブレと被写体ブレが目立つこと。手ブレ補正付きレンズを選び、シャッタースピードは最低でも「1/焦点距離」秒より速く設定するのが基本です。加えて重量も増すため、一脚や軽量モデルの活用で撮影の負担を減らす工夫も欠かせません。
子ども・スナップ|標準ズームか標準単焦点で機動力を優先
動き回る子どもや日常スナップには、機動力の高い標準ズーム(24-70mm相当)か標準単焦点(35〜50mm相当)が向きます。理由は、被写体との距離が予測しづらく、とっさに画角を合わせたり、軽快に持ち歩けたりすることが重要になるから。ズームなら「引き」も「寄り」も1本で対応でき、単焦点なら明るさを活かして室内でも手ブレを抑えられます。使うシーンは、公園遊び、日常の記録、旅先の街歩きなど。注意点は、望遠を欲張ると大きく重くなり、結局持ち出さなくなること。子ども撮影とスナップは「常に持ち歩けるサイズ」を最優先に選ぶと、シャッターチャンスを逃しません。
| 撮影シーン | 向いているレンズの種類 | 焦点距離の目安(換算) |
|---|---|---|
| 風景・星空 | 広角・超広角ズーム/単焦点 | 16〜35mm |
| ポートレート | 中望遠の単焦点 | 85〜135mm |
| 野鳥・スポーツ | 望遠・超望遠ズーム | 200〜600mm |
| 子ども・スナップ | 標準ズーム/標準単焦点 | 24〜50mm |
| 花・小物の接写 | マクロレンズ | 90〜105mm |
初心者がレンズ選びでやりがちな失敗と対策
レンズは決して安い買い物ではありません。だからこそ、先人がつまずいたポイントを知っておくと無駄な出費を防げます。ここでは、種類選びの段階で起きやすい失敗と、その対策を具体的に紹介します。
「本数を増やせば撮れる」という思い込みの落とし穴
レンズは何本も持つほど良い、と考えて次々に買い足すのは危険です。実際には、種類を増やしても持ち出さなければ写真は1枚も増えません。よくあるのが、憧れで超望遠や魚眼を買ったものの重くて出番がなく、防湿庫の肥やしになるパターン。対策は、「次に撮りたい具体的なシーン」が浮かんでから買うこと。買う前に「このレンズで撮る写真を3枚言えるか」を自問すると、衝動買いを防げます。まずは手持ちのキットレンズで撮り倒し、不満が言語化できてから種類を足すのが、結果的に一番早く上達する道です。
実はキットレンズでも撮れるシーンは想像より多い
意外と知られていませんが、初心者が「物足りない」と感じるキットレンズ(多くは18-55mmや24-70mm相当の標準ズーム)は、実用性能で見ると相当に優秀です。広角から中望遠までカバーし、風景・スナップ・人物・テーブルフォトまで一通りこなせます。「よくボケない」と言われがちですが、被写体に寄って背景を離せば標準ズームでも十分ボケは作れます。高いレンズを買う前に、まずキットレンズで「寄る・離す・光を選ぶ」を試すと、写真の変化の多くは設定と構図で作れると分かります。新しい種類のレンズが本当に必要になるのは、キットレンズの限界(暗所・大きなボケ・遠すぎる被写体)にぶつかってからで遅くありません。
手ブレ・暗さの対策を「種類」でカバーする発想
写真がブレる・暗いという悩みは、テクニックだけでなくレンズの種類選びで解決できる場合があります。室内や夜のスナップで手ブレが多いなら、F1.8前後の明るい単焦点に替えるだけでシャッタースピードを稼げてブレが激減します。望遠で被写体がブレるなら、手ブレ補正内蔵のレンズを選ぶ。この「悩みから逆算して種類を選ぶ」発想が、遠回りを防ぎます。
「F2.8通しで明るい」「600mmまで届く」といったスペックに惹かれて選んだ結果、1kg超のレンズが重くて持ち出さなくなる、という失敗も定番です。対策は、候補レンズの重量を必ずチェックし、自分がその重さを毎回持ち歩けるか想像すること。特に望遠や大口径ズームは、性能と携帯性がトレードオフになります。「常に持ち歩ける重さか」を最後の関門にしましょう。
予算別・センサー別|自分に合うレンズの絞り込み方
種類と被写体が決まったら、最後は現実的な条件で1本に絞り込みます。ポイントは予算とセンサーサイズ。この2つを軸にすると、膨大な選択肢が一気に現実的な数まで減ります。よくある疑問への回答もまとめました。
予算別|2万円台の単焦点から始めるのが正解
予算別なら、最初の1本は2万円台の標準単焦点(各社の50mm F1.8クラス)が定番の正解です。安価なのに明るくてよくボケ、写りの良さを体感しやすいから。中位の5〜15万円帯になると、便利な標準ズームや中望遠単焦点、入門的な望遠ズームが視野に入ります。20万円以上の高価格帯は、F2.8通しの大口径ズームや超望遠など、目的が明確な人向けです。使い分けの目安は、「写りの変化を体感したい」なら安価な単焦点、「1本で幅広く」なら標準ズーム、「特定被写体を極める」なら高価格帯の専用レンズ。注意点は、ボディより高いレンズを最初から買う必要はないこと。まずは安価な単焦点で“レンズを替えると写真が変わる”体験をするのが、失敗の少ない入り口です。
センサー別|フルサイズ用とAPS-C用の互換に注意
レンズには「フルサイズ用」と「APS-C(クロップ)用」があり、この違いを押さえないと買い物で失敗します。フルサイズ用レンズはAPS-C機でも使えますが(画角は約1.5倍になる)、APS-C専用レンズをフルサイズ機に付けると四隅がケラレる(暗くなる)場合があります。APS-C機ユーザーは、専用設計の軽量・安価なレンズを選べるのがメリット。使い分けの目安は、将来フルサイズへの移行を考えているならフルサイズ用を、当面APS-Cで軽さ重視ならAPS-C用を選ぶこと。注意点は、メーカーごとにマウントもセンサー対応も呼び方が違うこと。型番の末尾に付く「DX」「DC」「APS-C」などの表記を、購入前に必ず確認しましょう。センサーサイズそのものの違いは、こちらの記事で詳しく比較しています。
迷ったときの絞り込み手順|3つの質問で1本に決める
選択肢が多すぎて決められないときは、3つの質問に順番に答えると1本に絞れます。1つ目「よく撮る被写体は何か」で焦点距離の種類が決まり、2つ目「ズームと単焦点、どちらの利便性を優先するか」で構造が決まり、3つ目「予算とセンサーの制約」で具体的な候補が絞られます。この順番なら、スペック表に振り回されず「自分に必要な1本」へたどり着けます。使うシーンは、店頭やネットで候補が多すぎて迷ったとき。注意点は、レビューの評価点だけで決めないこと。他人の高評価レンズが、自分の被写体・予算・体力に合うとは限りません。あくまで「自分の3つの答え」を軸に選ぶのが、後悔の少ない絞り込み方です。
まとめ|レンズの種類は「2軸+被写体」で選べば迷わない
カメラのレンズは種類が多く見えますが、「焦点距離(広角〜望遠)」と「ズーム/単焦点」という2軸で整理し、そこに「よく撮る被写体」を掛け合わせれば、選ぶべき1本は自然と絞られます。まずは全体の地図を頭に入れ、自分の撮りたいシーンから逆算するのが、遠回りしない選び方です。
この記事のポイントを振り返ります。
- レンズは「焦点距離の軸」と「ズーム/単焦点の軸」の掛け合わせで、すべて整理できる
- 基本は広角(24〜35mm)・標準(50mm前後・画角約46度)・望遠(100〜300mm)の3種類
- マクロは最大撮影倍率1/2〜等倍、魚眼は画角180度前後と、特殊レンズは目的が明確
- APS-C機はフルサイズ換算で約1.5倍、同じmmでも写る範囲が狭くなる点に注意
- 迷ったら1本目はズーム、2本目に2万円台の標準単焦点を足すのが失敗しにくい
- 本数より「持ち出せる重さ」、スペックより「自分の被写体」で選ぶのが後悔しないコツ
最初の一歩としておすすめなのは、いま持っているキットレンズで「寄る・離す・光を選ぶ」を試し尽くすこと。そのうえで「もっとボカしたい」と感じたら、50mm F1.8クラスの標準単焦点を1本足してみてください。レンズを替えると写真がここまで変わるのか、と実感できるはずです。種類の知識は、その一歩を正しい方向へ導くための地図になります。
※本文中の焦点距離・分類は各メーカー公式の一般的な基準(キヤノン公式用語集、ソニー公式レンズ解説ほか)を参照しています。最新の製品仕様・価格は各メーカー公式サイトでご確認ください。

コメント