NIKKOR Z 14-30mm f/4 Sは485gで星も風景も撮れる|15万円台の超広角ズームを徹底検証

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「Zマウントで超広角ズームが欲しいけれど、14-24mm f/2.8 Sは約28万円で重さも650g。風景メインのうちにはオーバースペックかも……」——フルサイズミラーレスで広い画を撮りたい人が、最初にぶつかる壁がこれです。広角は欲しい、でも価格と重さで腰が引ける。そんな悩みにちょうど答えてくれるのが NIKKOR Z 14-30mm f/4 S です。

結論から言うと、このレンズは「14mmスタートの超広角を、約485gという標準ズーム並みの軽さで持ち歩ける」のが最大の価値です。実勢価格は約15万〜16万円(2026年6月時点)。開放F4一定とS-Lineの描写、そして超広角としては珍しく前面に82mmフィルターが付く設計で、風景・星景・建築・Vlogまで1本でこなせます。

この記事では、NIKKOR Z 14-30mm f/4 Sのスペックを公式仕様で確認しながら、ライバルの14-24mm f/2.8 Sと17-28mm f/2.8との違いを数値で比較し、F4で本当に星空が撮れるのか、どんな人が買うと満足できるのかまで、店頭でおすすめするつもりで正直に整理します。

📷 この記事でわかること

・NIKKOR Z 14-30mm f/4 Sの正確なスペックと約485gという軽さの中身
・14-24mm f/2.8 S・17-28mm f/2.8との価格・重量・画角の数値比較
・開放F4で星景・夜景は撮れるのか、描写性能の見極め方
・風景/星景/建築/Vlogの被写体別おすすめ設定と、買う前に確認したい弱点

目次

NIKKOR Z 14-30mm f/4 Sはどんなレンズ?485gで14mm始まりの超広角ズーム

NIKKOR Z 14-30mm f/4 Sはどんなレンズ?485gで14mm始まりの超広角ズームの解説画像

NIKKOR Z 14-30mm f/4 Sは、ニコンのフルサイズミラーレス「Zシリーズ」用に2019年4月に発売された超広角ズームレンズです。S-Line(エスライン)と呼ばれる高描写性能シリーズに属し、焦点距離14-30mm・開放F4一定という構成。「広い風景をしっかり、でも軽く撮りたい」という人の最初の超広角として、Zマウントの中でも定番の1本になっています。

14mmスタートの画角は、24mm始まりの標準ズームでは絶対に届かない領域

このレンズの主役は広角端14mmです。対角線画角はFXフォーマットで114度(30mm側で72度)。一般的なキットレンズである24-70mmが24mm始まり(画角84度前後)なのに対し、14mmはさらに30度も広い世界を切り取れます。目の前の建物が画面に収まりきらない、狭い室内が窮屈に写る——そんな場面で14mmの30mmぶんの広さが効きます。広角は「あと一歩下がれない」状況ほど価値が出るため、風景・建築・星空のように被写体に近づけない撮影で本領を発揮します。一方、30mmまでしかズームしないため、これ1本でスナップの寄りまで賄うのは難しく、標準域は別レンズで補う前提になります。

S-Lineの描写と防塵防滴|「安い広角ズーム」ではない中身

レンズ構成は12群14枚で、EDレンズ4枚・非球面レンズ4枚を贅沢に配置しています。超広角で出やすい色のにじみ(色収差)や周辺の歪みを抑えるための構成で、絞り開放から画面の隅まで安定した解像を狙った設計です。鏡筒は防塵防滴に配慮した構造で、前玉にはフッ素コートを採用。水滴や汚れをはじくため、海辺や雨上がりの風景でも安心して使えます。実勢価格は約15万〜16万円(2026年6月時点)で、F4ズームとしては安くありませんが、価格なりの光学性能と耐候性を備えた「S-Lineの入口」という位置づけです。

対応カメラはZマウント機|DXボディでは画角が変わる点に注意

装着できるのはZマウントを採用したニコンのミラーレス全般です。フルサイズ(FX)のZ 6シリーズやZ 7シリーズ、Z 8、Z fなどでは14-30mmの画角がそのまま得られます。注意したいのは、Z 50やZ fc、Z 30といったAPS-C(DX)ボディに付けた場合。センサーが小さいぶん画角が約1.5倍相当に狭まり、21-45mm相当の「やや広角〜標準」ズームとして写ります。超広角を狙ってDX機に付けると「思ったより広く撮れない」と感じるため、14mmの広さを活かすならフルサイズボディとの組み合わせが基本です。焦点距離と画角の関係をもう少し詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてどうぞ。

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📋 NIKKOR Z 14-30mm f/4 S スペックカード
焦点距離 / 開放F値 14-30mm / F4一定(最小F22)
レンズ構成 12群14枚(EDレンズ4枚・非球面レンズ4枚)
最短撮影距離 / 最大撮影倍率 0.28m(ズーム全域) / 0.16倍
フィルター径 / 絞り羽根 82mm / 7枚(円形絞り)
大きさ / 重量 約89mm×85mm(沈胴時) / 約485g
実勢価格(2026年6月時点) 約15万〜16万円(オープンプライス)

沈胴で約485g|「軽さ」が超広角ズームの常識を変えた理由

超広角ズームは「大きく重い」のが当たり前でした。それを約485g・全長85mm(沈胴時)に収めたのがこのレンズの一番の発明です。標準ズームと変わらないサイズ感で14mmが持ち出せるという体験は、撮影スタイルそのものを変えます。

収納時85mmの沈胴機構|バッグの中で「広角ぶんの場所」を取らない

このレンズは使わないときに鏡筒を縮められる沈胴(ちんどう)式を採用しています。収納時の全長は約85mm。一般的な大口径超広角ズームが120mm前後あることを考えると、3〜4cmコンパクトになる計算です。最大径も約89mmに抑えられ、フィルター径も82mmと標準ズーム並み。カメラバッグの中で「広角レンズだけ別格に場所を取る」という悩みから解放されます。旅行やハイキングのように荷物を1gでも減らしたい撮影で、この差は効いてきます。デメリットは、撮影前に鏡筒を回して繰り出すワンアクションが必要なこと。とっさのシャッターチャンスでは、この一手間が遅れの原因になります。

14-24mm f/2.8 Sより165g軽い|数字以上に効く「首と手首」の負担差

同じZマウントの超広角でも、大三元の14-24mm f/2.8 Sは約650g。NIKKOR Z 14-30mm f/4 Sの約485gとは165gの差があります。数字だと小さく見えますが、首から下げて1日歩くと体感はまるで違います。Z 6IIなど700g前後のボディに付けたとき、総重量が約1.2kgで収まるか約1.35kgを超えるかは、半日歩いた後の疲労に直結します。「軽いから持ち出す→持ち出すから撮れる」という好循環を生むのがF4ズームの隠れた価値です。ただし、軽さと引き換えに開放F値はF2.8からF4へ1段ぶん暗くなります。この1段をどう捉えるかが、後述する選び方の分かれ目になります。

📷 おすすめポイント

「とにかく軽い超広角が1本欲しい」「風景・旅行がメインでF2.8の明るさまでは要らない」という人には、約485gのNIKKOR Z 14-30mm f/4 Sが第一候補。標準ズームと同じ82mmフィルターを共用でき、バッグへの収まりも良好です。

沈胴ロックの解除忘れに注意|「レンズを回転してください」表示でシャッターが切れない失敗

沈胴式ならではの落とし穴が、繰り出し忘れです。鏡筒を縮めたまま電源を入れると、カメラ背面に「レンズを回転して繰り出してください」と表示され、シャッターが切れません。撮りたい瞬間にこの表示が出て、慌てているうちにシーンが終わってしまう——これは沈胴レンズで最も多い「撮り逃し」の原因です。対策はシンプルで、撮影モードに入る前に必ず鏡筒を回してロックを解除し、繰り出した状態で構えておくこと。電源オフでも繰り出したままにしておけば、起動後すぐ撮れます。沈胴は収納時だけのメリットと割り切り、撮影中は常に繰り出しておくのが安全です。

開放F4は星景・夜景で不利?描写性能を数値で見極める

開放F4は星景・夜景で不利?描写性能を数値で見極めるの解説画像

F4ズームを検討するとき、多くの人が引っかかるのが「F2.8より1段暗いけど、夜は撮れるの?」という不安です。ここでは被写界深度・解像・暗所性能を切り分けて、F4の実力を冷静に見ていきます。

絞り開放から隅まで使える解像|EDレンズ4枚・非球面4枚の効果

NIKKOR Z 14-30mm f/4 Sは、開放F4から画面周辺部まで解像が安定しているのが評価されているポイントです。EDレンズ4枚が色のにじみ(軸上・倍率色収差)を抑え、非球面レンズ4枚が超広角で出やすい四隅の流れや歪みを補正します。超広角は「中心は写るが四隅が甘い」ものが多い中で、絞り開放から隅を使える設計は風景撮影で大きな武器です。F8前後まで絞ればさらに均質になり、パンフォーカス(手前から奥までピント)の風景に向きます。注意点として、14mm端では直線がわずかに曲がる樽型の歪みが残るため、建築の厳密な水平垂直を求める場合はカメラ内またはRAW現像での歪み補正を前提にすると良いでしょう。

実はF4でも星景は撮れる|「明るさ」より「広さ」が効く理由

意外と知られていませんが、星景写真でF2.8とF4の差は、思われているほど致命的ではありません。星空は被写体が遠く、絞りによるボケの差が出ないため、F4でもISO感度を1段上げる(例:ISO3200→ISO6400)か、シャッタースピードをわずかに延ばせば露出は補えます。現行のZボディは高感度性能が高く、ISO6400程度なら現像時のノイズ処理で十分実用範囲です。むしろ超広角の星景では「どれだけ広い空を入れられるか」が構図を左右するため、14mmの画角の広さがF2.8/F4の1段差より効く場面は多いのです。割り切ってISOを上げれば、F4ズーム1本でも天の川を含む星景は狙えます。ただし、より短い露光で星を点像に止めたい、光害の強い場所で少しでもISOを下げたいというシビアな条件では、F2.8の1段ぶんが効いてくるのも事実です。

📖 用語チェック

被写界深度=ピントが合って見える前後の範囲のこと。広角+絞り込み(F8〜F11)ほど範囲が広がり、手前から奥までシャープな「パンフォーカス」になる。風景で14mm・F8を多用するのはこのため。

F4一定のメリット|ズームしても露出が変わらない安心感

開放F値が「F4一定」である点も見逃せません。広角端14mmでも望遠端30mmでもF4のまま使えるため、ズームしても明るさ(露出)が変わりません。これは安価なズームに多い「広角端F3.5・望遠端F5.6」のような可変絞りと比べ、マニュアル撮影や動画で設定を詰めやすい利点です。星景や夜景でズーム位置を変えても露出設計が崩れず、構図づくりに集中できます。デメリットは、F2.8通しの大三元と比べると1段暗いこと。暗所でシャッタースピードを稼ぎたい、背景を大きくぼかしたいという用途では物足りなさが出ますが、超広角はもともとボケにくい画角なので、ボケ目的でこのレンズを選ぶケースはまれです。

82mmフィルターが前面に付く|風景撮影で効く2つの強み

超広角ズームを語るうえで避けて通れないのがフィルター問題です。多くの大口径超広角は前玉が出っ張っていて市販の丸枠フィルターが付けられません。NIKKOR Z 14-30mm f/4 Sは、ここを82mmフィルターで解決した数少ない1本です。

14mm超広角なのに丸枠フィルターが使える希少さ

このレンズの前面には82mm径のネジが切られており、市販のNDフィルターやPL(偏光)フィルターをそのまま装着できます。14mm始まりの超広角でこれができるレンズは限られており、特に大三元の14-24mm f/2.8 Sが前面に丸枠フィルターを付けられず専用の大型アタッチメント(112mm相当)や角型システムを要するのと比べると、運用コストとハードルが段違いです。82mmは24-70mmなど他のS-Lineレンズとも共通する径なので、フィルターを使い回せるのも経済的。「広角でもNDやPLを当たり前に使いたい」人にとって、これは価格差以上の価値があります。

NDフィルターで日中の長秒露光、PLで空と水面を制御

丸枠フィルターが使える恩恵は、表現の幅に直結します。NDフィルターを付ければ日中でもシャッタースピードを数秒に延ばせ、滝や波、流れる雲を絹のように写す長秒露光が可能になります。PLフィルターを使えば、青空をより濃く、水面やガラスの反射を抑えてクリアにできます。超広角は空や水面が画面に大きく入るため、PLの効果がもっとも映える画角でもあります。フィルターの段数や選び方は奥が深いので、本格的に使いたい人はこちらの記事を参考にしてください。

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⚠️ 購入前にチェック

フィルターは必ず82mm径を選ぶこと。広角では枠の厚いフィルターを重ね付けすると14mm端でケラレ(四隅が黒く欠ける)が出やすいため、薄枠(スリム)タイプのNDやPLを選ぶのが安全です。PL二枚重ねなどはケラレの原因になります。

逆光性能とフレア|超広角で太陽を入れる撮影の注意

超広角は画角が広いぶん、太陽や強い光源が画面に入りやすいレンズです。NIKKOR Z 14-30mm f/4 Sはナノクリスタルコートでフレアやゴーストを抑えていますが、それでも太陽を直接画面に入れる構図ではゴースト(光の玉)が出ることがあります。対策は、太陽の位置を画面の隅にずらす、ハレ切りで余計な光を遮る、F値を絞りすぎない(絞るほど光条は伸びるがゴーストも目立ちやすい)など。逆光は超広角の魅力的な表現でもあるので、出方を理解したうえで構図に活かすのがコツです。フィルターを重ねるとフレアが増える傾向もあるため、逆光時は不要なフィルターを外すのも有効です。

NIKKOR Z 14-30mm f/4 Sを2本のライバルと徹底比較

Zマウントの超広角ズームは、実質3本から選ぶことになります。F2.8通しで最高描写の14-24mm f/2.8 S、軽量コンパクトな17-28mm f/2.8、そして両者の中間にいるNIKKOR Z 14-30mm f/4 S。価格と画角と重さの三角形で、自分に合う1本を見つけましょう。

📊 Zマウント超広角ズーム3本 スペック比較(カメラのトリセツ調べ/2026年6月時点)
項目 14-30mm f/4 S 14-24mm f/2.8 S 17-28mm f/2.8
焦点距離 14-30mm 14-24mm 17-28mm
開放F値 F4一定 F2.8一定 F2.8一定
重量 約485g 約650g 約450g
前面フィルター 82mm(装着可) 前面不可(専用/角型) 装着可
最短撮影距離 0.28m 0.28m 0.19m
実勢価格 約15万〜16万円 約28.5万円 約13万円前後

vs 14-24mm f/2.8 S|13万円差と165gをどう考えるか

大三元の14-24mm f/2.8 Sは、開放F2.8・約650g・実勢価格約28.5万円。NIKKOR Z 14-30mm f/4 S(約15万〜16万円・約485g)との差は、価格で約13万円、重量で165gです。14-24mmは絞り開放の描写力と1段明るいF2.8が魅力で、本気の星景や暗所、最高画質を求めるプロ・ハイアマ向け。一方で前面に丸枠フィルターが付けられず、運用は角型システムや専用アタッチメントが前提になります。「望遠側30mmまで使えて軽く、フィルターも手軽に」というバランスならNIKKOR Z 14-30mm f/4 S、「F2.8と最高描写に13万円払う価値がある」なら14-24mm f/2.8 S、という線引きです。

vs 17-28mm f/2.8|2万円差で「14mmの3mm」を買うか

17-28mm f/2.8は約450g・実勢価格約13万円前後と、3本で最軽量かつ最安。開放F2.8でNIKKOR Z 14-30mm f/4 Sより1段明るく、最短撮影距離0.19m(17mm時)と寄りにも強いインナーズーム設計です。価格差は約2万〜3万円。ポイントは広角端の差で、17mmと14mmでは画角が大きく違い、14mmの圧倒的な広さは星景や狭所、ダイナミックな風景で効いてきます。「F2.8の明るさと軽さ・安さを取り、14mmまでは要らない」なら17-28mm、「2〜3万円足しても14mmの3mmと30mmの望遠側が欲しい」ならNIKKOR Z 14-30mm f/4 Sがおすすめです。Zマウントのレンズ選び全体を俯瞰したい方は、こちらの比較記事も参考になります。

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結局どれを選ぶ?3タイプの判断基準

整理すると、選び方は3パターンに分かれます。①風景・旅行メインで軽さとフィルター運用を重視するなら、14mmから30mmまで欲張れてバランス最良のNIKKOR Z 14-30mm f/4 S。②明るさと最高描写を最優先、価格と重さは妥協できるなら14-24mm f/2.8 S。③とにかく軽く安く、14mmの超広角まではこだわらないなら17-28mm f/2.8。多くの初心者〜中級者にとっては、価格・画角・重量の三拍子がそろう①のNIKKOR Z 14-30mm f/4 Sが「最初の超広角」として外しにくい選択になります。

風景・星景・建築・Vlog|被写体別の使いこなしと設定

1本で守備範囲が広いレンズだからこそ、被写体ごとに設定の正解が変わります。代表的な4シーンで、おすすめの設定と使いこなしのコツを押さえておきましょう。

🎯 シーン別おすすめ設定
撮影シーン おすすめ設定の目安 焦点距離
広大な風景 F8〜F11 / ISO100 / 三脚 14〜20mm
星景・天の川 F4開放 / ISO3200〜6400 / SS15〜20秒 14mm
建築・室内 F5.6〜F8 / 水平垂直を意識 / 歪み補正 14〜24mm
Vlog・自撮り動画 F4〜F5.6 / 手持ち+ボディ内手ブレ補正 14〜20mm

風景・星景|14mm+三脚で「広さ」を最大化する

風景では14〜20mmを基本に、F8〜F11まで絞ってパンフォーカスを狙います。三脚を据えてISO100で撮れば、解像とノイズの両面で最良の結果が得られます。星景では14mm・F4開放・ISO3200〜6400・シャッタースピード15〜20秒が出発点。14mmは画角が広く星が流れにくいため、点像で止めやすいのも利点です。F4で露出が足りなければISOを1段上げる発想で対応します。前述の通り、超広角の星景は明るさより画角の広さがものを言うため、F4でも天の川を含む構図は十分に成立します。

建築・室内|歪みを抑えて水平垂直を保つコツ

狭い室内や高い建物を1枚に収めたいとき、14mmの広さは武器になります。ただし超広角は、カメラをわずかに上下に振るだけで建物が大きく傾いて写るクセがあります。対策は、カメラの水平・垂直をしっかり出して撮ること。Zボディの水準器表示を活用し、被写体の中心にレンズを正対させると歪みが目立ちにくくなります。14mm端にわずかに残る樽型歪みは、カメラ内の歪み補正やRAW現像のレンズプロファイルで簡単に補正できます。F5.6〜F8まで絞ると周辺まで均質になり、建築のディテールが引き締まります。

Vlog・動画|約485gの軽さが手持ち撮影で効く

14mmの広い画角は、手を伸ばして自撮りしても背景まで広く写るため、Vlogや旅動画と相性が良好です。約485gと軽いので、ジンバルやボディ内手ブレ補正との組み合わせでも取り回しが楽。F4一定なのでズームしても明るさが変わらず、動画中に画角を変えても露出が破綻しません。注意点は、沈胴を繰り出した状態で使うことと、歩き撮りでは超広角ほど周辺の揺れが目立つため、できればボディ内手ブレ補正をオンにすること。動画ではフォーカスブリージング(ピント送りで画角が動く現象)も比較的抑えられており、扱いやすいレンズです。

買って後悔しないために|弱点と注意点を正直に整理

万能に見えるレンズですが、妥協点もあります。買ってから「思っていたのと違う」とならないよう、弱点と、間違えやすいポイントを正直にまとめておきます。

F2.8が欲しくなる人の条件|暗所・ボケ重視なら一段上を

NIKKOR Z 14-30mm f/4 Sの最大の妥協点は、開放F4であることです。光害の強い場所での星景でISOをできるだけ下げたい、暗い室内でシャッタースピードを稼ぎたい、超広角でもできるだけ前ボケ・後ボケを作りたい——こうした条件では、F2.8通しの14-24mm f/2.8 Sや17-28mm f/2.8の1段ぶんが効いてきます。逆に言えば、風景や建築のように絞って撮ることが多い人、明るい時間帯の撮影が中心の人には、F4の暗さがデメリットになる場面はほとんどありません。自分の撮影が「絞る撮影」か「開けたい撮影」かで判断するのが確実です。

中古購入の失敗例|Fマウント用14-24と間違えてZボディに付かない

中古でニコンの「14-24mm」を探すと、一眼レフ用のFマウント版 AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED が安く出ていることがあります。これをZボディに直接付けることはできません。FマウントレンズをZボディで使うにはマウントアダプター FTZ/FTZ II が別途必要で、そもそも今回のNIKKOR Z 14-30mm f/4 SはZ専用設計なので互換性はありません。対策は、購入前に必ず型番の「Z」表記と、レンズマウント形状を確認すること。Zマウント用は名称に「NIKKOR Z」と入ります。安さに飛びついて「自分のZボディに付かなかった」という失敗は、型番の一文字を確認するだけで防げます。

テレ端30mmまで|これ1本で標準域は賄えない

もう一つの割り切りポイントが、望遠端が30mmで止まること。30mmは広角の延長で、ポートレートやスナップの「寄り」には足りません。旅行に1本だけ持っていくと、近くの被写体や人物を大きく写したい場面で物足りなさが出ます。現実的な運用は、NIKKOR Z 14-30mm f/4 Sを「広角担当」とし、24-70mmや24-120mmといった標準ズームと組み合わせる2本体制。標準ズーム選びに迷う場合は、フィルター径82mmが共通するレンズを選ぶと、フィルターを使い回せて経済的です。超広角はあくまで「広さの専門家」と捉え、標準域は別レンズで補う前提で運用しましょう。

Q 最初の1本がこのレンズだけでも大丈夫ですか?
A 風景・建築・星景がメインなら1本でも成立します。ただし30mmまでしかズームしないため、人物やスナップの寄りも撮りたいなら、24-70mmなどの標準ズームと2本体制がおすすめです。フィルター径82mmが共通するレンズを選ぶと運用が楽になります。

まとめ:軽さで選ぶ超広角ズームの決定版になり得る1本

NIKKOR Z 14-30mm f/4 Sは、「14mmの超広角を約485gで持ち歩ける」という一点で、Zマウントの超広角選びの基準になっているレンズです。開放F4一定とS-Lineの描写、超広角なのに82mmの丸枠フィルターが使える設計で、風景・星景・建築・Vlogまで1本でこなせます。F2.8の明るさと最高描写を求めるなら上位の14-24mm f/2.8 S、軽さと安さを優先するなら17-28mm f/2.8という選択肢もありますが、価格・画角・重量のバランスで「最初の超広角」を選ぶなら、このレンズが最も外しにくい1本です。

  • 焦点距離14-30mm・開放F4一定、約485g・全長85mm(沈胴時)で標準ズーム並みの軽さ
  • レンズ構成12群14枚(EDレンズ4枚・非球面レンズ4枚)で開放から隅まで安定した解像
  • 前面に82mmフィルターを装着でき、ND・PLでの長秒露光や反射制御が手軽
  • 14-24mm f/2.8 S(約650g・約28.5万円)より165g軽く約13万円安い
  • 17-28mm f/2.8(約450g・約13万円前後)より広角端が3mm広く、30mmの望遠側も使える
  • 実勢価格は約15万〜16万円(2026年6月時点・オープンプライス)
  • 弱点はF4の暗さと望遠端30mm止まり、沈胴の繰り出し忘れに注意

まずは「自分の撮影が絞る撮影か、開けたい撮影か」を考えてみてください。風景・旅行・建築が中心で、軽さとフィルター運用を重視するなら、NIKKOR Z 14-30mm f/4 Sは長く使える相棒になります。逆に暗所やボケを最優先するなら、1段明るいF2.8ズームを検討する価値があります。スペックの最新情報は、購入前にニコン公式サイトでも確認しておくと安心です。

参考:NIKKOR Z 14-30mm f/4 S 主な仕様(ニコン公式)

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この記事を書いた人

カメラ歴8年、ミラーレス一眼を中心に撮影テクニックやカメラ選びの情報を発信しています。初めてカメラを買う方にもわかりやすい比較記事や、シーン別の撮影のコツなど、「撮ることがもっと楽しくなる」記事を目指しています。

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