1眼レフの使い方は3つの数値で決まる|初心者が今日から撮れる設定の基本

1眼レフの使い方は3つの数値で決まる|初心者が今日から撮れる設定の基本のアイキャッチ画像

「一眼レフを買ったのに、結局オートでしか撮っていない」「ダイヤルのP・A・S・Mが何なのかわからない」——そんな状態で棚にしまい込んでいる方は少なくありません。一眼レフはボタンとダイヤルが多く、最初は身構えてしまいますが、実際に覚える操作はごくわずかです。

結論から言うと、一眼レフの使い方は「絞り(F値)・シャッタースピード・ISO感度」という3つの数値と、「P・A・S・M」の撮影モード、そして「ピントの合わせ方」の3点を押さえれば、その日から思い通りに撮れるようになります。難しい理論をすべて理解する必要はありません。

この記事では、初心者がつまずきやすいポイントを先回りしながら、設定の基本から失敗の直し方、被写体別の設定早見表までを順番に解説します。スマホからステップアップした方が「買ってよかった」と思えるところまで、最短で案内します。

📷 この記事でわかること

・写真の明るさを決める「絞り・シャッタースピード・ISO感度」3つの数値の役割
・P・A・S・Mダイヤルの違いと、初心者が最初に選ぶべきモード
・ピントが合わない・手ブレする・白飛びするときの具体的な直し方
・風景・人物・動物・子ども・夜景の被写体別おすすめ設定

目次

1眼レフの使い方はまず3つの数値から|絞り・SS・ISOの基本

1眼レフの使い方はまず3つの数値から|絞り・SS・ISOの基本の解説画像

一眼レフで撮れる写真の明るさとボケ・ブレは、すべて「絞り(F値)」「シャッタースピード」「ISO感度」の3つの数値の組み合わせで決まります。この3つは「露出三要素」と呼ばれ、一眼レフの使い方の土台です。逆に言えば、この3つさえ理解すれば、あとはどう組み合わせるかの応用にすぎません。

📖 用語チェック

露出(ろしゅつ)=写真の明るさのこと。絞り・シャッタースピード・ISO感度の3つでコントロールする。明るすぎる状態を「露出オーバー(白飛び)」、暗すぎる状態を「露出アンダー(黒つぶれ)」と呼ぶ。

絞り(F値)はボケの量を決める|F1.8で背景がとろける

絞りはレンズが光を取り込む穴の大きさで、F値という数字で表します。F値が小さい(F1.8など)ほど穴は大きく開き、光をたくさん取り込んで背景が大きくボケます。逆にF値が大きい(F11など)ほど穴は小さくなり、手前から奥までピントの合った写真になります。

人物を撮って背景をとろけさせたいならF1.8〜F2.8、風景で全体をくっきり写したいならF8〜F11が目安です。注意点として、F値を小さくするほどピントの合う範囲(被写界深度)は狭くなり、目にピントを合わせたつもりが鼻に合っていた、という失敗が起きやすくなります。開放F値で撮るときほど、ピント位置はシビアに見る必要があります。

絞りとボケの関係をさらに数値で深掘りしたい方は、こちらの記事で詳しく解説しています。

あわせて読みたい
F値とは?ボケ・明るさ・被写界深度の関係を数値で徹底解説
「F値って何?」「絞りを変えると写真がどう変わるの?」——カメラを手にしたばかりの方が最初にぶつかる壁のひとつが、このF値です。結論から言うと、F値は「ボケの量…

シャッタースピードは「止める」か「流す」かを決める

シャッタースピードは光を取り込む時間の長さで、1/1000秒のように分数で表します。速い(1/1000秒など)ほど動きをピタッと止められ、遅い(1/4秒など)ほど動く被写体が流れて表現されます。子どもやペットなど動く被写体は1/500秒以上、滝や川を絹のように流したいなら1秒前後が目安です。

シャッタースピードが遅すぎると、被写体が動いていなくても自分の手の揺れで写真全体がブレる「手ブレ」が起きます。手持ち撮影では「1/焦点距離」より速い数値が安全圏で、50mmなら1/50秒以上、200mmの望遠なら1/200秒以上が目安です。暗い室内でシャッタースピードを稼げないときは、次に説明するISO感度で補います。

ISO感度は暗い場所の最後の切り札|上げすぎるとザラつく

ISO感度は光を電気的に増幅して明るくする数値で、ISO100が基準です。数値を上げる(ISO3200など)ほど暗い場所でも明るく撮れ、シャッタースピードを速く保てます。晴れた屋外はISO100〜400、曇りや室内はISO800〜1600、夜や暗い体育館ではISO3200〜6400が目安になります。

ISO感度の上げすぎには代償があります。数値を上げるほど写真に「ノイズ」と呼ばれるザラつきが乗り、画質が低下します。エントリー機なら常用はISO3200程度までを目安にし、まずは絞りとシャッタースピードで明るさを確保し、それでも足りない分だけISOで補う、という順番で考えると画質を保ちやすくなります。

P・A・S・Mダイヤルはどれを使えばいい?4モードの選び方

一眼レフの上面にある「P・A・S・M」のダイヤルは、先ほどの3つの数値を「どこまで自分で決めて、どこをカメラに任せるか」を切り替えるスイッチです。メーカーによって表記が異なり、Canonでは絞り優先がAv、シャッター優先がTvと書かれますが、役割は同じです。最初は全部使う必要はなく、1つに絞って始めるのが上達の近道です。

📊 撮影モード比較(カメラのトリセツ調べ)
モード 自分で決める 向いているシーン
P(プログラム) ほぼお任せ スナップ・記録
A / Av(絞り優先) F値(ボケ) 人物・風景・物撮り
S / Tv(SS優先) シャッタースピード 動物・スポーツ・滝
M(マニュアル) F値とSSの両方 夜景・花火・物撮り

初心者の最初の1台はA(絞り優先)モードが正解

結論として、初心者が最初に使い込むべきはA(絞り優先)モードです。F値だけを自分で決めれば、適切なシャッタースピードはカメラが自動で合わせてくれるため、操作はダイヤル1つで済みます。それでいて、一眼レフ最大の魅力である「背景ボケ」を自分でコントロールできるのが大きな利点です。

使い方はシンプルで、人物ならF2.8、風景ならF8、と被写体に応じてF値を回すだけ。露出はカメラが合わせるので、明るさの失敗が起きにくいのも初心者向きです。注意点は、暗い場所でF値を絞りすぎるとカメラがシャッタースピードを遅くしてしまい、手ブレが出ること。暗所ではF値を小さめにするか、ISO感度を上げて対処します。

動く被写体はS(シャッター優先)モードで止める

走る子ども、飛ぶ鳥、スポーツなど動きのある被写体は、S(シャッター優先)モードが扱いやすくなります。シャッタースピードを自分で決め、絞りはカメラに任せる方式で、「ブレずに止める」ことを最優先にできます。動きの速さに応じて1/500秒、1/1000秒と設定すれば、被写体ブレを防げます。

使いどころは運動会やドッグラン、水しぶきの瞬間など。逆にシャッタースピードを1/8秒など遅くすれば、滝を流したり光跡を描いたりする表現も可能です。注意点は、速いシャッタースピードを指定すると暗い場所では絞りが開放でも光が足りず、写真が暗くなること。その場合はISO感度を上げてバランスを取ります。

Pモードは「オートからの卒業」の入り口

Pモードはプログラムオートと呼ばれ、絞りとシャッタースピードをカメラが自動で決めてくれます。全自動(AUTO)との違いは、ISO感度・ホワイトバランス・露出補正など、明るさや色の調整を自分で行える点です。とりあえずシャッターを切りたいスナップや記録撮影に向いています。

Pモードには「プログラムシフト」という機能があり、明るさを保ったまま絞りとシャッタースピードの組み合わせをダイヤルで変えられます。ボケを増やしたい、動きを止めたい、という微調整がワンタッチでできるのが便利です。注意点として、Pモードに頼りきると絞りやシャッタースピードの感覚が身につきにくいため、慣れてきたらAモードへ移行するのがおすすめです。

Mモードは夜景や花火など「明るさが安定しない場面」で活きる

M(マニュアル)モードは絞りとシャッタースピードを両方自分で決めるモードです。設定の自由度が最も高く、夜景・花火・星空・物撮りなど、カメラの自動露出が迷いやすい場面で本領を発揮します。一度決めた設定で明るさが固定されるため、同じ条件で何枚撮っても明るさがブレないのが利点です。

難しそうに見えますが、やることは「ファインダー内の露出メーターが±0付近になるよう2つの数値を合わせる」だけ。三脚を使う夜景なら、ISO100・F8・シャッタースピード数秒、といった具合に落ち着いて設定できます。明るさが安定しない場面ほど、Mモードの再現性が活きてきます。

ピントが合わない人は半押しを見直そう|AFの設定とコツ

ピントが合わない人は半押しを見直そう|AFの設定とコツの解説画像

「撮った写真が全体的にボヤけている」という悩みの多くは、ピント合わせの操作とAF設定の見直しで解決します。一眼レフのオートフォーカス(AF)は、シャッターボタンの「半押し」でピントを合わせ、「全押し」で撮影する2段階操作が基本です。この半押しを使いこなせるかどうかが、ピントの歩留まりを大きく左右します。

📷 おすすめポイント

ピントが甘い人は、まず「フォーカスエリアをシングルポイントにする」「合わせたい一点(人物なら目)に枠を置いて半押し」の2つを徹底するだけで、成功率が大きく変わります。カメラ任せの自動エリア選択をやめるのが第一歩です。

AF-SとAF-Cは被写体が動くかどうかで選ぶ

AFモードには大きく2種類あり、止まっている被写体ならAF-S(ワンショットAF)、動く被写体ならAF-C(コンティニュアスAF/CanonではAIサーボ)を選びます。AF-Sは半押しでピントを固定するモードで、風景・物・記念写真などに向いています。一度合えば動かないので、構図を作り直す余裕があります。

一方AF-Cは半押し中ずっとピントを追い続けるモードで、走る子どもや動物、乗り物に向いています。被写体が前後に動いてもピントを合わせ直してくれます。注意点として、止まった被写体にAF-Cを使うと、わずかな揺れでピントが微調整を繰り返し、かえって甘くなることがあります。被写体に応じて切り替えるのが基本です。AFの使い分けはこちらでさらに詳しく解説しています。

あわせて読みたい
AFモードの選び方で写真が変わる|AF-S・AF-C・エリア設定を被写体別に解説
「AFモードってAF-SとAF-C、どっちにすればいいの?」——カメラを買ったばかりの方が最初にぶつかる壁のひとつがオートフォーカスの設定です。結論から言うと、…

フォーカスエリアは「シングルポイント」が基本

ピントの精度を上げる最大のコツは、フォーカスエリアを「シングルポイント(1点)」に設定することです。初期設定の自動選択(オートエリア)は、カメラが手前の物や明るい物に勝手にピントを合わせてしまい、狙った場所からずれることがよくあります。1点にすれば、自分が合わせたい場所をピンポイントで指定できます。

人物なら手前の目、料理なら主役の一皿、というように、最もくっきり写したい一点に枠を置いて半押しします。注意点は、F1.8など絞りを開けたときほどピントの合う範囲が狭く、数センチのずれでもボケてしまうこと。開放で撮るときは、フォーカスポイントを被写体の目に正確に重ねる意識が必要です。

親指AFを覚えるとピント固定が自由になる

もう一歩進みたい方には「親指AF」がおすすめです。通常シャッターボタンに割り当てられているAF動作を、背面のAF-ON(またはAEL)ボタンへ移す設定で、親指でピント合わせ、人差し指でシャッターと役割を分けられます。ピント合わせと撮影が独立するため、構図の自由度が上がります。

一度ピントを合わせたら、親指を離している間はピントが固定されたまま。同じ位置で何枚も連写したり、ピントを合わせてから構図をずらして撮ったりが直感的にできます。注意点は、慣れるまで「親指を押さないとピントが合わない」感覚に戸惑うこと。最初の数日は意識的に練習する必要がありますが、身につくと手放せなくなる人が多い設定です。

手ブレ・暗い・ピンボケ…初心者がつまずく失敗とその直し方

一眼レフを買ったばかりの頃は、「スマホのほうがきれいに撮れた」と感じる瞬間があるかもしれません。それは性能の差ではなく、設定がかみ合っていないだけです。ここでは初心者が必ず通る3つの失敗と、その場で直せる対処法をまとめます。

⚠️ よくある失敗①:手ブレ

原因=シャッタースピードが「1/焦点距離」より遅い。対策=シャッタースピードを上げる/ISO感度を上げてSSを稼ぐ/脇を締めて両手で構える。室内で多発する典型的な失敗です。

写真全体がブレる「手ブレ」はシャッタースピードで直す

写真全体が同じ方向に流れてボヤけているなら、被写体ではなくカメラ側が動いた「手ブレ」です。原因はシャッタースピードが遅すぎること。手持ちでは「1/焦点距離」が安全の目安で、50mmなら1/50秒、200mmなら1/200秒より速くするとブレが激減します。

対策はシンプルで、SモードでシャッタースピードをはっきりとSD 1/250秒などに上げるか、Aモードのまま暗ければISO感度を上げてカメラに速いシャッタースピードを選ばせます。構え方も重要で、脇を締め、左手でレンズを下から支え、シャッターは押し込まず「そっと切る」のがコツです。手ブレ補正機能(ボディ内またはレンズ内)があればオンにしておきます。

被写体だけブレる「被写体ブレ」は手ブレと別物

背景は止まっているのに動いている人や物だけがブレている場合は、手ブレではなく「被写体ブレ」です。これは被写体の動きにシャッタースピードが追いついていないのが原因で、三脚を使っても直りません。解決策はシャッタースピードを上げること、この一点に尽きます。

歩く人なら1/250秒、走る子どもやペットなら1/500〜1/1000秒が目安です。暗い室内ではシャッタースピードを上げると写真が暗くなるため、ISO感度を1600〜6400へ上げて明るさを確保します。注意点として、手ブレ補正は被写体ブレには効きません。手ブレ補正をオンにしているのに動く被写体がブレる、という相談の多くがこの勘違いです。

写真が暗い・ピンボケするときのチェック手順

写真が暗いときは、まず露出補正をプラス側へ。黒い服や日陰など暗い対象が画面に多いと、カメラが明るくしようとしすぎて逆に暗く写ることもあるため、露出補正で±を調整します。それでも足りなければISO感度を上げるのが基本の流れです。

ピンボケ(ピントが合っていない)の場合は、フォーカスエリアがシングルポイントになっているか、被写体に枠を重ねて半押しできているかを確認します。極端に近づきすぎるとレンズの最短撮影距離を下回り、そもそもピントが合わないこともあります。マクロ的に寄りたいときは、レンズの最短撮影距離(レンズ表記で確認)まで離れてから撮り直します。

ホワイトバランスと露出補正で写真の印象は思い通りになる

明るさとピントが安定してきたら、次は「色」と「明るさの微調整」です。ホワイトバランス(WB)で写真全体の色味を、露出補正で明るさを思い通りに動かせるようになると、撮って出し(編集なし)でも狙った雰囲気に近づきます。どちらもダイヤルやボタン一つで変えられる手軽な設定です。

📖 用語チェック

ホワイトバランス(WB)=光の色を補正して、白いものを白く写すための設定。電球の下では黄色く、日陰では青く写りがちな色のかたよりを整える。あえてずらして「暖かい」「涼しい」雰囲気を作ることもできる。

露出補正は「思った明るさにする」一番速い手段

露出補正は、カメラが決めた明るさを撮影者の意図でプラス・マイナスに動かす機能です。P・A・Sモードで使え、ダイヤルを回すだけで写真が明るく(プラス)・暗く(マイナス)なります。雪景色や白い壁の前ではプラス0.7〜1.0、夜景や黒い被写体ではマイナス側に振るのが基本です。

カメラは画面全体を「灰色の明るさ」に合わせようとする性質があるため、白い物は暗く、黒い物は明るく写りがちです。これを撮影者が補正で打ち消すのが露出補正の役割です。注意点として、Mモードでは露出補正ダイヤルが効かない(自分で絞りとSSを決めるため)場面があります。露出補正の目安はこちらの記事にまとめています。

ホワイトバランスで「白飛び」を防ぐわけではない点に注意

初心者が混同しやすいのが、ホワイトバランスと明るさの関係です。ホワイトバランスは「色味」を変える設定であり、白飛び(明るすぎ)を防ぐものではありません。白飛びは露出オーバーが原因なので、対策は露出補正をマイナスにする、または測光モードを見直すことです。

白飛びは明暗差の激しい場所(室内の窓際、炎天下)で起きやすく、一度白く飛んだ部分は後から色を戻せません。撮影時にカメラのヒストグラム(明るさの分布グラフ)を表示し、右端に張りついていないか確認すると失敗を防げます。心配なときは露出補正をマイナス0.3〜0.7にして、やや暗めに撮っておくと安全です。色味を整えるWBの使い分けはこちらで解説しています。

あわせて読みたい
ホワイトバランスの設定で写真の色が変わる|色温度の基本から使い分けまで完全解説
「写真の色がなんか変…」「見た目と違う色になってしまう…」そんな経験はありませんか? その原因のほとんどは、ホワイトバランスの設定にあります。ホワイトバランスは…

RAWで撮れば色も明るさも後から救える

もう一つ知っておきたいのが記録形式です。一眼レフはJPEGのほかに「RAW」という形式で撮影でき、RAWなら撮影後にホワイトバランスや明るさを画質の劣化を抑えながら大きく調整できます。色や露出に自信がないうちは、RAW+JPEGで撮っておけば失敗を後から救えます。

RAWはJPEGに比べてファイルサイズが大きく(1枚あたり2〜4倍)、専用ソフトでの現像が必要になるのがデメリットです。SDカードの容量と相談しながら、ここぞという撮影ではRAW、気軽なスナップではJPEG、と使い分けるのが現実的です。まずはJPEGで設定の感覚をつかみ、慣れたらRAWに進むのが無理のない順番です。

被写体別の設定早見表|風景・人物・動物・子ども・夜景の正解

ここまでの内容を、被写体別の具体的な設定に落とし込みます。最初はこの早見表のとおりに設定し、撮りながら微調整していけば、自分なりの正解が見つかります。すべてAモードかSモードを基準にしているので、ダイヤル1つで再現できます。

🎯 被写体別おすすめ設定(カメラのトリセツ調べ)
被写体 モード/F値 SS・ISOの目安
風景 A / F8〜F11 ISO100、三脚推奨
人物(ポートレート) A / F1.8〜F2.8 1/250秒、ISO100〜400
動物・スポーツ S / 自動 1/1000秒、ISO400〜3200
子ども(室内) S / 自動 1/500秒、ISO1600〜6400
夜景 M / F8 数秒、ISO100、三脚必須

風景・夜景は三脚を立ててF8・ISO100が基本

風景は隅々までくっきり写したいので、AモードでF8〜F11に絞り、ISOは画質が最も良いISO100に固定します。絞ると光が減ってシャッタースピードが遅くなるため、三脚があると安定します。朝夕のやわらかい光の時間帯を狙うと、立体感のある一枚になります。

夜景はMモードでF8・ISO100・シャッタースピード数秒が出発点。三脚は必須で、シャッターを押す振動を避けるためセルフタイマー2秒かリモコンを使います。注意点は、シャッタースピードが長いほど通行人や車のライトが流れて写ること。これを逆手に取れば光跡の表現になりますが、人物を止めたい場面では向きません。

人物はF1.8〜F2.8で背景をぼかし、目にピントを合わせる

人物撮影はAモードでF1.8〜F2.8に開け、背景を大きくぼかすと主役が引き立ちます。シャッタースピードは手ブレ・被写体ブレを防ぐため1/250秒前後を確保し、明るさが足りなければISOを400程度まで上げます。フォーカスは必ず手前の「目」に合わせるのが鉄則です。

レンズは50mmや85mmの単焦点が定番で、自然な遠近感と大きなボケが得られます。注意点として、F1.8まで開けるとピントの合う範囲が数センチしかなく、目に合わせたつもりがまつ毛や耳に外れることがあります。不安なときはF2.8〜F4に少し絞ると、ピントの歩留まりが上がります。背景との距離を取り、被写体に寄るほどボケは大きくなるため、F値だけでなく立ち位置でも調整できます。

動く子ども・動物・スポーツはSモードでブレを断つ

動く被写体はSモードでシャッタースピードを主導権に握ります。歩く・遊ぶ程度なら1/500秒、走る・跳ぶなら1/1000秒以上が目安。ピント合わせはAF-C(追従)に切り替え、フォーカスエリアは被写体を捉えやすいゾーンか中央1点にします。連写モードを併用すると当たり写真の確率が上がります。

室内の運動会や発表会は光が足りないため、ISO感度を1600〜6400まで思い切って上げ、シャッタースピードを優先します。多少ノイズが乗っても、ブレてピントを外した写真より残せる一枚になります。注意点は、ズームレンズの望遠側はF値が暗くなりがち(F5.6〜6.3)で、暗所では明るい単焦点やF2.8通しズームのほうが有利という点です。

1眼レフの使い方で差がつく構え方・レンズ・上達のコツ

設定を覚えたら、最後は「撮り方の所作」と「機材の選び方」です。同じカメラ・同じ設定でも、構え方と一手間で写真の安定感は変わります。ここでは長く使ううえで効いてくる、地味だけれど差が出るポイントを紹介します。

Q 高いレンズを買えば写真は上手くなりますか?
A 最初の数か月はキットレンズで設定と構図を練習するほうが上達します。レンズ沼に入る前に、まずは付属レンズで「絞り・SS・ISO」を体に覚えさせるのが近道です。

構え方とシャッターの切り方でブレは半減する

同じシャッタースピードでも、構え方でブレの量は変わります。基本は脇を締め、左手でレンズを下から包むように支え、右手は軽く添えるだけ。ファインダーをのぞくときは額にカメラを当てると3点で支えられ安定します。背面モニターを見て両手を前に伸ばす構えは、ブレやすいので暗所では避けます。

シャッターは「押す」のではなく、息を軽く止めて「そっと沈める」イメージで切ると、押し込む瞬間の揺れを防げます。壁や柱に体を預ける、ひじをテーブルに置くなど、体を固定できる物を探すのも有効です。三脚が使えない場所では、こうした小さな工夫の積み重ねが歩留まりを左右します。

実はキットレンズでも撮れる写真は驚くほど多い

意外と知られていませんが、カメラに付属する標準ズーム(キットレンズ)は、実用十分な性能を持っています。「もっと良いレンズがないと撮れない」と思い込んで買い替える前に、キットレンズの広角〜中望遠域で構図と光を練習するほうが、写真は早く上達します。

キットレンズの弱点はF値が暗め(F3.5〜5.6)で、暗所と大きなボケが苦手なこと。逆に言えば、明るい屋外の風景やスナップ、日中の人物なら不足を感じる場面は限られます。次に買うレンズを選ぶときも、「キットレンズで足りないと感じた焦点距離・明るさ」を体感してからのほうが、ムダな買い物を避けられます。

SDカードと充電を侮ると「撮れない」失敗が起きる

設定や撮り方とは別の落とし穴が、記録メディアと電源です。連写やRAW撮影では、書き込み速度の遅いSDカードだとバッファが詰まり、シャッターが切れなくなることがあります。動く被写体や連写を多用するなら、UHS-I対応で書き込み速度の速いカードを選ぶと撮り逃しを防げます。

もう一つの定番が電池切れと容量不足です。一眼レフは光学ファインダー機なら比較的電池が持ちますが、寒い季節や長時間の撮影では予備バッテリーがあると安心です。出かける前夜に「充電・空き容量・カード装着」の3点を確認する習慣をつけると、「肝心の場面で撮れなかった」という失敗をほぼ防げます。地味な準備ですが、撮影の歩留まりを支える土台です。

まとめ:1眼レフの使い方は「3つの数値」と「ダイヤル1つ」から

一眼レフの使い方は、覚えることを絞れば決して難しくありません。写真の明るさとボケ・ブレは「絞り(F値)・シャッタースピード・ISO感度」の3つで決まり、その3つをどこまで自分で決めるかを「P・A・S・M」のダイヤルで切り替える——この仕組みさえつかめば、あとは被写体に合わせて数値を動かすだけです。

最初から完璧を目指す必要はありません。まずはA(絞り優先)モードで背景ボケを楽しみ、動く被写体ではS(シャッター優先)モードに切り替える。ピントはシングルポイントで合わせ、暗ければISO感度を上げる。この基本の往復を繰り返すうちに、設定は自然と手が覚えていきます。

  • 写真の明るさは「絞り・シャッタースピード・ISO感度」の3要素で決まる
  • 初心者の最初の1台はA(絞り優先)モード。F値だけ決めればボケを操れる
  • 動く被写体はS(シャッター優先)モードで1/500〜1/1000秒に設定する
  • ピントが甘いときはフォーカスエリアを「シングルポイント」にして目に半押し
  • 手ブレは「1/焦点距離」より速いSS、被写体ブレはSSを上げて対策
  • 暗い・白飛びは露出補正で調整、心配ならRAWで撮って後から救う
  • 高いレンズより、まずはキットレンズで構図と設定の練習を

最初の一歩としておすすめなのは、休日にAモードへダイヤルを回し、F2.8前後で身近な花や食べ物を撮ってみること。背景がふわっとボケる瞬間に、一眼レフを買ってよかったと実感できるはずです。そこから少しずつ被写体を広げ、この記事の早見表を片手に撮り続ければ、設定に迷わず思い通りの一枚が撮れるようになります。

※本記事の設定値は一般的な目安です。各機能の名称・操作はメーカーや機種によって異なるため、詳しい操作方法はお使いのカメラの取扱説明書や各メーカー公式サイト(ニコン デジタル一眼レフカメラの基礎知識等)でご確認ください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

カメラ歴8年、ミラーレス一眼を中心に撮影テクニックやカメラ選びの情報を発信しています。初めてカメラを買う方にもわかりやすい比較記事や、シーン別の撮影のコツなど、「撮ることがもっと楽しくなる」記事を目指しています。

コメント

コメントする

目次