写真を撮る時の掛け声は「チーズ」以外に正解がある|26か国実験でわかった笑顔の作り方

「はい、チーズ」と言ってシャッターを切ったのに、あとで見返すと全員の口元が引きつっている。子どもは目をつぶり、大人は笑顔のタイミングを外している。写真を撮る時の掛け声は誰もが使っているのに、なぜか思ったような表情が残らない——これは撮影の腕ではなく、掛け声そのものの選び方とタイミングの問題です。

結論から言うと、「チーズ」は口角を横に広げる音として理にかなっている一方で、目まで笑わせる力はありません。2010年にニコンがヨーロッパ26か国の掛け声を比較した実験では、1位になったのは「cheese」ではなくフランス語の「ouistiti(ウィスティティ)」でした。つまり掛け声には優劣があり、相手と場面によって正解が変わります。

この記事では、1943年の新聞記事にさかのぼる「Say cheese」の起源から、世界各国の掛け声、赤ちゃん・子ども・大人・集合写真という相手別の使い分け、そして掛け声が効かないときにカメラ側でできる対策まで、根拠のある情報だけを整理して解説します。読み終わるころには、次の撮影で最初に口にする一言が決まっているはずです。

📷 この記事でわかること

・「はい、チーズ」が笑顔を作る仕組みと、その限界
・1943年アメリカ発祥→1963年日本上陸という掛け声の歴史
・ニコンが26か国で検証した「最も自然な笑顔になる掛け声」ランキング
・赤ちゃん・子ども・大人・集合写真で使い分ける掛け声の具体例
・目つぶりを防ぐシャッターの切り方とカメラ設定

目次

写真を撮る時の掛け声は「はい、チーズ」で正解なのか

まず押さえておきたいのは、掛け声には「表情を作る」役割と「タイミングを合わせる」役割の2つがあり、この2つは別物だということです。「はい、チーズ」は前者にはそこそこ効きますが、後者は撮影者の切り方次第で簡単に崩れます。

「チーズ」で口角が上がるのは母音「イー」の働き

「チーズ」が笑顔を作る掛け声として世界中に広まった理由は、発音のときの口の形にあります。「チーズ」の中心にある「イー」の母音は、唇を横に引き伸ばして発音する音です。このとき口角を引き上げる大頬骨筋が働き、結果として笑顔に近い顔の形が自動的にできあがります。声を出すという単純な動作だけで表情筋が動く、という点が「チーズ」の合理性です。

同じ理屈は他の言語にも当てはまります。韓国語圏の「キムチ」、中国語圏の「茄子(チエズ)」、スペイン語圏の「パタタス」、ロシア語圏の「スィル(チーズ)」——いずれも「イー」または「アー」といった口が横に開く母音を含んでいます。世界中でバラバラの単語が使われているのに、音の構造だけは共通しているわけです。

ただし注意点があります。「チーズ」は最後が「ズ」で終わるため、言い終わった瞬間に唇がすぼまり、口角が下がります。「チーズ」と言わせておいて「ズ」のタイミングでシャッターを切ると、笑顔ではなく口をとがらせた顔が残ります。掛け声としての「チーズ」は、伸ばしている「チーーー」の途中で切るのが前提の言葉なのです。

口角は上がるのに目が笑わない「非デュシェンヌスマイル」の壁

掛け声で作った笑顔がどこか嘘くさく見える原因は、目にあります。心理学では、口角を上げる大頬骨筋と、目の周りを囲む眼輪筋が同時に動く笑顔を「デュシェンヌスマイル」と呼び、これが本当の喜びに伴う表情とされています。一方で口角だけが上がり目が動かない笑顔は「非デュシェンヌスマイル」と呼ばれ、必ずしも本当の喜びを示していないと整理されています。

「チーズ」は発音によって口角を動かす掛け声なので、構造上どうしても口だけの笑顔になりやすいという弱点があります。1988年にエクマンが行った研究では、被験者に不快な映像を見せた後に「楽しかった」と嘘をつかせ、FACS(フェイシャル・アクション・コーディング・システム)で表情を解析するという方法で、作り笑いと本物の笑顔の差が検証されました。見る側は目元のわずかな違いを敏感に読み取ります。

ここで撮影に活きるのは、「目を笑わせるには面白がらせるしかない」という単純な結論です。掛け声を音として発音させるだけでなく、意味のおかしさや意外性で相手を反応させると、眼輪筋が動きます。後述する「ポッキー」や「ウィスティティ」が効くのは、この意外性の部分が大きい可能性があります。

とはいえ、近年の研究ではデュシェンヌマーカー(目元のシワ)だけで真偽を判定するのは難しいという指摘もあります。「目が笑っていない写真は失敗」と決めつける必要はなく、口元がきれいに整っているだけでも記念写真としては十分に成立します。

📖 用語チェック

デュシェンヌスマイル=口角を上げる大頬骨筋と、目の周りの眼輪筋が同時に動く笑顔のこと。目尻にシワが出るのが特徴で、喜びを伴う自然な表情とされる。口角だけが動く笑顔は「非デュシェンヌスマイル」と呼ばれ、区別される。

掛け声の本当の役割は「シャッターの瞬間を共有する」こと

掛け声を表情づくりの道具だと思っていると、成功率は上がりません。掛け声の第一の機能は、撮る側と撮られる側で「いま切ります」という時刻を共有することです。人はいつ切られるかわからないカメラの前では緊張し続けますが、「あと2秒で切る」とわかっていれば、その2秒だけ集中すればよくなります。

実務的には、掛け声を2段構えにするのが有効です。1段目は準備の合図(「いきますよ」「そのまま」)、2段目が切る合図(「はい、チーズ」)。1段目で全員の視線と姿勢が整い、2段目でピークを作る。この順番を守るだけで、視線がバラバラの写真は目に見えて減ります。

逆に、掛け声を言い終わってから慌ててピントを合わせるのは最悪のパターンです。ピント合わせに1〜2秒かかると、その間に笑顔のピークは過ぎ去ります。AFは掛け声の前に半押しで合わせておき、掛け声は「切る直前」に置く。これが順番の基本です。

注意点として、掛け声を毎回同じ言葉・同じ抑揚で繰り返すと、2枚目以降は反応が鈍くなります。人は同じ刺激に慣れるためです。1枚目は「はい、チーズ」、2枚目は別の言葉、と変化をつけるほうが表情は持続します。

実は、被写体は掛け声を復唱していない

意外と知られていないのですが、「はい、チーズ」は本来、被写体に「チーズ」と言わせて口角を上げさせるための仕組みです。ところが実際の撮影現場では、被写体が復唱しないまま撮影者だけが言っているケースがほとんどです。この場合、発音による口の形の効果はゼロで、単なるタイミングの合図として機能していることになります。

ここに改善の余地があります。表情を作りたいなら「みなさんも一緒に『チーズ』って言ってください」と明示的に依頼する。タイミングだけ揃えたいなら、無理に笑顔の言葉を使わず「いきます、さん、に、いち」で十分です。目的をはっきりさせるだけで、掛け声の設計は変わります。掛け声が効かないと感じている人の多くは、言葉の選び方ではなく、この依頼の有無でつまずいています。

もうひとつ効くのが、撮影者側の声のトーンです。人の表情は相手の表情に引きずられる性質があるため、撮影者が硬い顔で無表情に「はいチーズ」と言えば、返ってくる表情も硬くなります。ファインダーから顔を離して被写体と目を合わせ、自分が笑いながら声を出すと、返ってくる表情が変わります。

注意点は、復唱を求めると場がにぎやかになる反面、恥ずかしがる人が下を向いてしまうことです。テンションを上げすぎても、大人や初対面の相手では緊張を生みます。相手のテンションの半歩上、を目安に、復唱型と合図型を切り替えるのが現実的な運用になります。

1943年の新聞記事から始まった「Say cheese」の歴史

「はい、チーズ」は昔からあった日本の風習ではありません。アメリカで生まれ、テレビCMを通じて日本に輸入された、比較的新しい習慣です。歴史をたどると、掛け声が生まれた必然性が見えてきます。

19世紀の写真は「笑ってはいけない」ものだった

写真が発明された19世紀、撮影では無表情を保つことが求められていました。当時の価値観では、歯を見せて笑うことは農民や酔っ払い、子供、愚か者の特徴と見なされており、正装して撮る肖像写真で歯を見せるのは品位を欠く行為だったのです。長時間の露光が必要で表情を保てなかったという技術的事情も重なり、古い写真の人物はほぼ全員が真顔で写っています。

それでも口元を整える工夫はあり、19世紀後半の写真家は「Say prunes(プルーンと言って)」という掛け声を使っていました。「プルーン」は唇をすぼめる音で、小さく引き締まった上品な口元を作るための指示です。つまり当時の掛け声は、笑わせるためではなく笑わせないために存在していました。

この歴史を知ると、「チーズ」と「プルーン」がちょうど正反対の口の形を作る言葉だという点が面白く見えてきます。写真における「良い表情」の基準が、100年で真逆に入れ替わったことを、掛け声の変化がそのまま記録しているわけです。

1943年、駐ソ大使が語った「チーズと言う」撮影のコツ

「Say cheese」が文献に登場する早い例として確認されているのが1943年です。この年、アメリカの『ビッグスプリング・ヘラルド』紙の記事で、元駐ソ連アメリカ大使ジョセフ・E・デイヴィスが写真撮影のコツとして「チーズ(cheese)」と言う方法を紹介した、という記録が残っています。

1943年という年代が示すのは、「Say cheese」がまだ一部の人が知る撮影テクニックだった段階だということです。当時すでに写真家の間では使われていた可能性が高く、それが著名人の口を通じて一般紙に載ったことで広く知られるようになった、という流れが読み取れます。

注意したいのは、これはあくまで「確認できている早い例」であって、「1943年に発明された」という意味ではないという点です。掛け声のような口頭の習慣は記録に残りにくく、正確な起源の特定は困難です。記事や書籍で「1943年が起源」と断定されている場合は、この初出記録を指していると考えるのが妥当でしょう。

コダックの広告が「笑う写真」を当たり前にした

掛け声だけでは文化は変わりません。20世紀に入り、フィルムメーカーのコダック社が写真を「楽しさ」「休暇」「幸福な思い出」と結びつけて宣伝したことが、笑顔のスナップ写真の普及に大きく寄与したとされています。カメラが一部の富裕層のものから家庭の道具になる過程で、写真の意味づけそのものが「記録」から「楽しい思い出」へ移りました。

この変化があってはじめて、「写真では笑うもの」という前提が共有され、笑顔を引き出す掛け声に需要が生まれます。技術(手軽なカメラ)、価値観(写真=幸福な記憶)、道具(掛け声)の3つが揃って、いまの記念写真の形ができあがったわけです。

撮影の現場で覚えておきたいのは、この前提が万人に共通ではないという点です。年配の方や海外の方の中には「写真では真顔」という感覚を持つ人もいます。笑顔を強要せず、真顔のカットも1枚残しておくと、後から選べる余地が生まれます。

日本上陸は1963年の雪印乳業CM|それ以前は「鳩が出ますよ」

日本で「はい、チーズ」が広まったきっかけとして知られているのが、テレビCMです。少なくとも1963年(昭和38年)に雪印乳業のチーズのテレビCMで「はい、チーズ」という掛け声が使われており、雪印メグミルクのプレスリリースではこれが普及の契機になったとしています。チーズという食品の販促と、撮影の掛け声が同時に日本の家庭へ入っていったことになります。

それ以前の日本では、「鳩が出ますよ」というフレーズが使われたこともありました。これは、カメラのレンズあたりから鳩が飛び出すという子ども向けの言い回しで、視線をレンズに集めるための工夫です。笑顔を作るための音ではなく、目線を誘導するための文句だった点が「チーズ」との決定的な違いです。

この対比は、いまの撮影にもそのまま使えます。相手が小さな子どもなら「笑わせる言葉」より「見させる言葉」のほうが効く場面が多く、レンズの上に手を置いて「ここから出るよ」と言うだけで視線が集まります。掛け声は1種類ではなく、目的別に持ち替える道具だと考えるとよいでしょう。

📷 歴史から得られる実用的な結論

掛け声は「笑わせる系(チーズ・キムチ)」と「視線を集める系(鳩が出ますよ・カウント)」の2系統に分かれます。表情が硬いなら前者、目線が合わないなら後者。どちらが問題かを見極めてから言葉を選ぶと、掛け声の効き方が変わります。

ニコンが26か国で検証した結果、1位は「ウィスティティ」だった

掛け声に優劣があるのかを実験で確かめた例があります。2010年、ニコンがヨーロッパ26か国の写真撮影時の掛け声を比較する実験を行ったと報じられました。「チーズ」が世界一の掛け声ではなかった、という結果が示されています。

実験の中身は「5枚連写×専門家2人の評価」

この実験では、モデルに各国のフレーズを発音させ、1フレーズにつき5枚ずつ連続撮影しています。撮影されたカットは、言語・発音の専門家であるTim Bowenの監修のもと、ポートレート写真家のPeter Skjold Petersenが笑顔の自然さを評価しました。発音の専門家と撮影の専門家の両方が関わっている点が、この実験の特徴です。

5枚連写という条件は撮影者にとって示唆的です。1フレーズ=1枚では、たまたま良い瞬間だったのか判断できません。掛け声のあいだに複数枚を確保して選ぶという方法は、そのまま現場の運用に落とし込めます。

一方で、この実験は「ヨーロッパ26か国」を対象としており、日本語の掛け声は比較対象に含まれていません。母語話者が発音した場合の効果や、日本語話者が外国語フレーズを発音した場合の効果は、この結果からは直接わかりません。順位はあくまで参考値として扱うのが妥当です。

1位ouistiti・2位famiglia・3位patatas|勝敗を分けたのは語尾

結果は、1位がフランス語の「ouistiti(ウィスティティ)」、2位がイタリア語の「famiglia(ファミリア)」、3位がスペイン語の「patatas(パタタス)」でした。ouistitiはマーモセットという小型のサルを指す言葉、famigliaは「家族」、patatasは「じゃがいも」という意味です。

この3つに共通するのは、語尾が口をすぼめる音で終わらないことです。ouistitiは「ティ」、famigliaは「リア」、patatasは「タス」で終わり、いずれも言い終わったあとも口角が横に開いた状態が残ります。対して英語の「cheese」や日本語の「チーズ」は「ズ」で唇が丸まるため、言い終わりを撮ると笑顔が消えます。

もうひとつの共通点は、単語の意味に意外性やあたたかさがあることです。「サル」「家族」「じゃがいも」は、いずれも口にしたときに少し可笑しかったり、感情が動いたりする言葉です。前述のとおり目元まで動く笑顔は感情から生まれるため、意味の面でも有利だったと考えられます。

📊 掛け声の「語尾の口の形」比較(カメラのトリセツ調べ)

掛け声 言語・意味 語尾の音 言い終わりの口角
ouistiti フランス語/マーモセット(サル) ティ(イ段) 横に開いたまま
famiglia イタリア語/家族 リア(ア段) 開いたまま
patatas スペイン語/じゃがいも タス(ア段+s) 開いたまま
チーズ/cheese 日本語・英語/チーズ ズ(ウ段) すぼまって下がる
ポッキー 日本語/菓子の名前 キー(イ段・伸ばす) 横に開いたまま

国内テストでは「セイ、ポッキー」がハッピー度1位

日本語の掛け声についても検証例があります。スマイルサイエンス学会代表の菅原徹博士が世界の掛け声を使ってテストを行った結果、「セイ、ポッキー」と言った場合が最もハッピー度が高くなったと紹介されています。菅原博士は理由について、「ポッキー」の言い終わりの口の形が口角を横に広げる点を挙げています。

「ポッキー」が有利な条件は、ニコンの実験で上位に入った3語と一致します。語尾が伸ばす「キー」で終わるため、言い終わったあとも口角が上がったまま維持されるのです。さらに「ポッ」で一度口が閉じてから開くため、顔の動きにメリハリが出て、シャッターのタイミングも取りやすくなります。

使う場面としては、「はい、チーズ」に飽きた2枚目以降が向いています。1枚目で定番の掛け声を使い、2枚目で「じゃあ次はポッキーで」と切り替えると、言葉の意外性で笑いが起きやすく、目元まで動いた表情が撮れる確率が上がります。

ただしこのテストは、記事中に数値化されたデータが提示されていません。「ポッキーなら必ず良い写真になる」と受け取るのではなく、「語尾が伸びる音は有利」という原則の実例として理解しておくのが安全です。

実験結果を日本の撮影現場に持ち込むときの注意

順位が高い掛け声をそのまま使えばよい、とはなりません。「ウィスティティ」と言われて即座に発音できる人は日本では限られており、「え、なに?」という戸惑いの表情が撮れてしまいます。発音のハードルが高い言葉は、聞き返しの時間だけタイミングが遅れます。

そこで実用的なのは、原則だけを持ち帰る方法です。「語尾が『イ』か『ア』で終わる」「短くて聞き取りやすい」「少し可笑しい」の3条件を満たす日本語を選べば、実験の恩恵はほぼ再現できます。「ポッキー」「にんじん」「いい笑顔」「ハッピー」などが該当します。

シチュエーションによる向き不向きもあります。結婚式や式典など格式のある場面で「ポッキー」を使うと場の空気に合わないことがあり、この場合は「はい、笑ってー」のように意味が通る言葉のほうが無難です。掛け声は場の格に合わせて選ぶ、と覚えておくとよいでしょう。

世界の写真を撮る時の掛け声はどう違う?ナス・キムチ・テキーラまで

世界の掛け声を並べると、各国の食文化がそのまま反映されているのがわかります。単なる雑学ではなく、海外で写真を頼まれたときや外国人を撮るときにそのまま使える実用情報でもあります。

食べ物系が主流|チーズ・キムチ・ナス・じゃがいも

最も多いのが食べ物の名前を使う掛け声です。英語圏の「Say cheese!」、韓国語圏の「キムチ」、中国語圏の「一二三、茄子!(イー・アー・サン・チエズ=ナス)」、スペイン語圏の「Patatas(じゃがいも)」、ドイツ語圏の「Spaghetti」や「Käsekuchen(チーズケーキ)」、ロシア語圏の「Сыр(スィル=チーズ)」などが該当します。

食べ物が選ばれる理由は2つあると考えられています。ひとつは発音の形で、口角が上がる「イー」「アー」の音を含む語が多いこと。もうひとつは心理面で、おいしいものを想像すると自然と笑顔になるという効果を利用しているという説明です。前者は物理的、後者は感情的なアプローチで、両方を満たすのが食べ物の名前というわけです。

中国語の「茄子(チエズ)」は特に興味深い例です。発音が英語の「cheese」に似ているため、意味は「ナス」でありながら音としては「チーズ」とほぼ同じ働きをします。ブラジルのポルトガル語圏で使われる「X(シース)」も同様で、アルファベットの読みがチーズに近い音になっています。

お酒系はラテンアメリカに多い|ウィスキー・テキーラ

ラテンアメリカでは「Whiskey(ウィスキー)」、メキシコでは「Tequila(テキーラ)」が使われます。どちらも語尾が「キー」「ラ」で終わり、言い終わりの口角が下がらない構造です。ニコンの実験で上位に入った語と同じ条件を満たしています。

お酒の名前が使われるのは、写真を撮る場面が「集まって楽しむ場」と結びついているからだと考えられます。日本で言えば飲み会の乾杯に近い感覚で、掛け声そのものが場を盛り上げる機能を持っています。

使う際の注意点として、相手が未成年の場合や宗教上の理由で飲酒を避ける文化圏の方が含まれる場合は避けたほうが無難です。海外で通じる掛け声だからといって、どの相手にも適切とは限りません。

数を数える系は世界共通|1・2・3と3・2・1

言葉ではなく数字を使うパターンも広く使われています。英語圏の「One, two, three!」、中国語の「一二三」に続けての「茄子」、タイなどで使われる「3・2・1」のカウントダウンが代表例です。日本語の「いち、にの、さん」も同じ系統です。

数を数える方式の強みは、表情ではなくタイミングの共有に特化している点です。何語話者でも数字なら意味が推測でき、カウントの進行で「あと何秒か」が全員に伝わります。人数が多い集合写真や、言葉が通じない相手を撮るときに向いています。

逆に弱点は、数字だけでは口角が上がらないことです。「さん」で終わっても笑顔にはなりません。そのため実務では「いち、にの、さん、はいチーズ!」のようにカウントと表情の掛け声を組み合わせるのが定番になっています。カウントで揃え、最後の言葉で表情を作る、という役割分担です。

変わり種|サル・家族・「ちょっと笑って」

意味の面で異色なのがフランス語の「Ouistiti(マーモセット=小型のサル)」とイタリア語の「Famiglia(家族)」です。食べ物でもなく数字でもなく、片方は動物、片方は関係性を指しています。それでいてニコンの実験では1位・2位を占めました。

中国語には「笑一个(シャオイーガ)」という、そのまま「ちょっと笑って」を意味する掛け声もあります。韓国語圏でも「笑って」に相当する声かけが使われます。音で笑顔を誘導するのではなく、直接依頼するタイプです。

この直接依頼型は、実は日本語でも効果があります。「笑ってください」ではなく「いい顔しますねー」「その顔いいです」のように、褒める形で伝えると表情がほぐれます。命令ではなく反応を返す形にするのがコツで、これは相手が大人のときほど効いてきます。

Q
海外で写真を頼まれたら、どの掛け声を使えばいいですか?
A
相手の国が分からないときは「One, two, three!」のカウントが安全です。数字は多くの言語で意味が通じ、タイミングも共有できます。相手の国が分かるなら、その国の掛け声(フランスならouistiti、メキシコならtequila)を使うと場が和みます。発音に自信がなくても、試みること自体が喜ばれます。

撮る相手で正解は変わる|年齢別・関係別の声かけ

同じ掛け声でも、相手によって効き方は変わります。赤ちゃんに「はい、チーズ」と言っても意味が通じませんし、大人に「鳩が出ますよ」と言っても笑いは起きません。相手別に持ち札を用意しておくのが実践的です。

赤ちゃん・未就学児は「言葉」より「音と動き」

0〜2歳の赤ちゃんには、掛け声の意味が伝わりません。この年齢で有効なのは、おもちゃやぬいぐるみでカメラの方向に目線を引きつけ、動かしながら名前を呼んだり優しく声をかけたりする方法です。視線がレンズ付近に来た瞬間にシャッターを切ります。

笑顔を引き出す動作としては、「いないいないばあ」「くすぐり」「おもちゃ」「表情と声かけ」「自然との触れ合い」が効果的とされています。いずれも言葉に頼らず、音と動きで反応を引き出すアプローチです。カメラのレンズのすぐ横で音を鳴らすと、視線とカメラ目線が同時に成立します。

3〜5歳になると言葉が通じるようになり、意味の面白さが効き始めます。「うんちー」「へんてこりーん」のような、その年齢が反応する言葉を使うと本気の笑顔が出ます。ただし笑いすぎて目が細くなりすぎることもあるため、連写で複数枚から選ぶ前提で撮るのが安全です。

注意点は、大人が「笑って」と繰り返すほど子どもは硬くなるという点です。子どもが自然な笑顔になるのは大好きなことをしているときなので、遊んでいる状況そのものを作り、その中で撮るほうが結果的に良い表情が残ります。

小学生〜中高生は「対抗心」と「恥ずかしさ」を使う

小学生は掛け声にノリよく反応してくれる一方、ふざけすぎて全員バラバラの顔になることがあります。この年齢には「変顔で1枚撮るから、そのあと真面目に1枚ね」と順番を先に宣言するのが有効です。ふざけたい欲求を1枚目で発散させると、2枚目の集中力が上がります。

中高生になると、カメラの前で笑うこと自体を恥ずかしがるようになります。ここで「笑って」と正面から頼むと逆効果になりやすく、「今のいい感じ」「そのままでいい」と、すでにできていることを肯定する声かけのほうが表情が緩みます。

この年代で効くもうひとつの手が、掛け声を相手に言わせる方法です。「せーの、で好きな食べ物を言って」と振ると、言葉を考える瞬間に緊張が解け、発話の口の形で自然に口角が上がります。撮る側が笑わせるのではなく、相手が自分で表情を作る状況に持ち込むのがポイントです。

注意点として、この年代は写り方を強く気にします。撮った直後に背面モニターで確認させ、「これでいい?」と一度聞くだけで、その後の協力度が変わります。

大人・カップルは「掛け声の直後」を狙う

大人を撮るときの難所は、笑顔を作ることに慣れすぎていて「いつもの顔」になってしまう点です。営業スマイル的な表情はきれいですが、写真としては単調になります。ここで効くのが、掛け声で1枚撮った直後の0.5〜1秒を狙う方法です。緊張が解けた瞬間の表情は、口元も目元も自然に動きます。

カップルやポートレートでは、掛け声よりも会話が有効です。「どこで知り合ったんですか」のような質問を投げると、答えるあいだに表情が動き続けます。撮影者は会話を続けながら、良い瞬間に連写を入れるという運用になります。

光の条件も表情に影響します。真正面から強い光が当たると目を細めてしまい、どんな掛け声を使っても目が笑っていない写真になります。順光より、やや斜めからの光や日陰のほうが表情は自然に写ります。

ポートレートとして仕上げるなら、レンズ選びや絞りの設定も表情の見え方を左右します。掛け声と併せて設定面も整えたい方は、こちらも参考にしてください。

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高齢者・三世代写真は「待たせない」が最優先

三世代の家族写真や、高齢の方が含まれる撮影では、掛け声の巧拙より段取りの速さが結果を左右します。立ちっぱなしの時間が長くなると疲労で表情が沈み、姿勢も崩れます。カメラの設定と構図は全員を呼ぶ前に決めておき、並んでから撮り終えるまでを短く区切るのが基本です。

高齢の方には、大きな声でゆっくり伝えることも重要です。「はいチーズ」の一言だけでは聞き取れないことがあり、「これから撮ります」「3つ数えます」と段階を踏むほうが確実です。カウントの速度も、若い人向けより一拍遅くするとタイミングが合います。

注意点は、前述したとおり「写真では真顔」という感覚を持つ方もいるということです。笑顔を強要せず、真顔のカットも残しておくと、後から家族が選べます。撮影者が「良い写真」の形を決めつけないほうが、結果的に喜ばれる1枚が残ります。

🎯 シーン別・掛け声の使い分け

撮影シーン おすすめの掛け声 狙い
0〜2歳の赤ちゃん 名前を呼ぶ+レンズ横で音を鳴らす カメラ目線の確保
3〜6歳の子ども 「変顔で1枚→真面目に1枚」の宣言 ふざけの発散と集中
中高生 「せーの、で好きな食べ物」 恥ずかしさの回避
大人・カップル 「はい、チーズ」+直後の連写 作り笑いからの脱却
集合写真(10人以上) 「いち、にの、さん」+連写 タイミングの統一
高齢者・三世代 ゆっくりした3カウント 聞き取りと疲労対策

集合写真で全員の目を開けさせる声かけの順番

掛け声が最も試されるのが集合写真です。人数が増えるほど、誰か1人が目を閉じている確率は上がります。ここでは声かけとシャッターの切り方をセットで組み立てます。

掛け声の前に済ませる3つの段取り

良い集合写真は、掛け声を発する前にほぼ決まっています。第一に、並びを先に確定させること。背の順や前後の重なりを直しながら掛け声を出すと、直している人の表情が撮れます。第二に、ピントと露出を先に決めること。掛け声のあとにAFが迷うと、笑顔のピークを逃します。

第三が、最初の1枚を「捨てカット」として割り切ることです。プロの現場でも、最初の1枚で硬い表情を確認してから声をかけ、そこから本番に入るという進め方が使われます。1枚目を確認用に使うと決めておけば、撮影者側も落ち着いて指示が出せます。

注意点は、段取りに時間をかけすぎないことです。並ばせてから撮り終えるまでが長引くと、全員の集中力が切れます。段取りは並ぶ前に済ませ、並んでからは30秒以内に撮り切る、というリズムを意識するとよいでしょう。

「いち、にの、さん」の直後に切る|言い終わりを撮らない

目つぶり対策として現場で使われているのが、「いち、にの、さん!」でタイミングを揃え、その直後にシャッターを切る方法です。人は言葉を発している最中はまばたきをしにくいため、カウントの終わり際は目が開いている確率が高くなります。

ここで重要なのが、「さん」を言い終わってから切るのではなく、「さん」に重ねて切るという感覚です。言い終わって0.5秒経つと、そこで一斉にまばたきが起きます。カウントの最後の音とシャッターを重ねるつもりでレリーズすると、目が開いたカットの歩留まりが上がります。

⚠️ ありがちな失敗①:「ズ」で切って口がすぼんだ顔が並ぶ

「はい、チーズ」の「ズ」に合わせてシャッターを切ると、唇が丸まった瞬間が記録されます。原因は、掛け声の終わりを合図だと思い込んでいること。対策は、「チーーー」と伸ばしているあいだに切ること、または語尾が伸びる「ポッキー」「いい笑顔」に変えることです。掛け声は言い終わりではなく、伸ばしている最中がピークです。

連写と枚数で確率を上げる

掛け声の技術には限界があります。10人が並べば、誰か1人がまばたきする確率は無視できません。そのため現場では、瞬きを見越して連写し、後から目が開いているカットを選ぶという方法が併用されます。1回の掛け声につき3〜5枚を確保しておくのが目安です。

連写を使う場合は、シャッター音のリズムも合図になります。「カシャカシャカシャ」と鳴っているあいだは表情を保つ、と最初に伝えておくと、1枚目で気が抜けるのを防げます。「まだ撮っています」と声をかけ続けるのも有効です。

枚数を稼ぐならドライブモードを低速連写(おおむね秒3〜5コマ)に設定しておくと扱いやすくなります。高速連写では同じ表情ばかりが並び、選択肢が増えません。表情が変化する間隔に合わせた速度のほうが、当たりカットに出会う確率が上がります。

屋外・逆光・人数が多いときの追加対策

屋外の順光では、まぶしさで全員が目を細めます。この状態はどんな掛け声でも解決できないため、立ち位置を変えるのが先決です。太陽を背にする(逆光)配置にして、顔が暗くなる分はストロボや露出補正で持ち上げるほうが、表情はきれいに残ります。

人数が20人を超える場合は、声が後列まで届きません。前列だけがタイミングを合わせ、後列がずれるという事態が起きます。声を張る、手を大きく挙げて視覚的な合図を併用する、といった対策で全員に同時に伝わるようにします。

また、三脚を使って撮影者自身も入る場合は、セルフタイマーの秒数と掛け声の設計が変わります。10秒タイマーなら「10秒後に光ります、その直前に3つ数えます」と先に説明し、自分が定位置に戻ってからカウントを取るという流れになります。

掛け声が効かないときにカメラ側でできること

声かけを尽くしても解決しない問題があります。ブレ、シャッターの遅れ、撮影者が入れないといった課題は、機材と設定で対処するほうが早く確実です。

セルフタイマーとリモコンで撮影者も輪に入る

撮影者が写真に入れないという問題は、掛け声以前の課題です。セルフタイマーを使えば解決しますが、10秒のあいだに走って戻ると息が上がり、表情が整いません。2秒タイマーは三脚使用時のブレ防止用で、集合写真には向きません。

実用的なのがリモコンやレリーズです。手元でシャッターを切れるため、自分が並んだ状態で掛け声を出し、その瞬間に切れます。タイマーの秒数に振り回されず、表情のピークで撮れるのが最大の利点です。有線式は2,000円台から、Bluetooth式のリモコンも各社から用意されています。

注意点は、レリーズの種類がカメラの端子やメーカーごとに異なることです。手持ちの機種に対応した型番かを確認しないと、届いてから使えないことになります。種類と選び方はこちらで整理しています。

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シャッタースピードとドライブモードの設定目安

掛け声で良い表情を引き出しても、ブレていれば台無しです。人物が動く記念写真では、シャッタースピードは1/125秒以上を目安にします。子どもが動き回る状況なら1/250秒以上、走っている場面なら1/500秒以上が必要になります。

室内でこの速度を確保するには、F値を小さくする(F2.8〜F4)か、ISO感度を上げる(ISO1600〜3200)ことになります。近年のカメラはISO3200程度なら実用的な画質を保てる機種が多く、ブレた写真よりノイズのある写真のほうが後から救えます。

📋 掛け声撮影の設定カード(記念写真の目安)

シャッタースピード 1/125秒以上(子どもは1/250秒以上)
絞り(集合写真) F5.6〜F8(前後列にピントを回す)
ドライブモード 低速連写(秒3〜5コマ目安)
AFモード 静止した集合写真はAF-S、動く子どもはAF-C
1回の掛け声で撮る枚数 3〜5枚(目つぶり対策)

シャッタースピードの決め方は被写体ごとに基準が変わります。数値の目安を早見表で確認したい方はこちらをどうぞ。

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1回で決めようとしない|5〜7枚で撮り切る手順

掛け声を1回だけ発して1枚撮る、という進め方はもっとも失敗しやすいパターンです。1枚目は誰もが構えており、表情も姿勢も硬くなります。前述のニコンの実験が1フレーズにつき5枚連写していたことからもわかるように、複数枚を前提にするのが標準的な考え方です。

おすすめの流れは、「捨てカット1枚→声かけ→本番3〜5枚→直後の1枚」という4段構えです。合計5〜7枚で、硬い顔・整った笑顔・素の表情の3種類が揃います。撮影時間は追加で10秒程度しかかかりません。とくに最後の1枚——掛け声で撮り終えた直後、被写体が緊張を解いて素に戻る0.5〜1秒の瞬間は、口元も目元も自然に動きます。

この手順を成立させるには、カメラ側で連写と書き込みが詰まらないことが前提になります。RAW+JPEGで連写するとバッファが埋まって途中で止まることがあるため、記念写真ではJPEG単体か、UHS-I対応でも書き込み速度に余裕のあるSDカードを使うと安心です。

注意点は、枚数を増やすほど選別の手間が増えることです。撮った直後に明らかな失敗カットを削除するか、後でまとめて選ぶ時間を確保しておかないと、データだけが溜まっていきます。撮影と選別はセットで計画しておくとよいでしょう。

笑顔認識・瞳AFは「掛け声の補助輪」として使う

多くのカメラやスマートフォンには、笑顔を検出して自動でシャッターを切る機能や、人物の瞳にピントを合わせ続ける瞳AFが搭載されています。瞳AFは掛け声との相性がよく、ピント合わせを機械に任せられる分、撮影者は声かけに集中できます。

一方、笑顔認識による自動シャッターは、笑顔の「立ち上がり」で切れることが多く、ピークを外すことがあります。また、複数人のうち誰の笑顔を基準にするかがコントロールしづらいという弱点もあります。集合写真では手動で切ったほうが確実です。

使いどころとしては、子どもを撮るときの補助が向いています。子どもが遊んでいる状況で瞳AFを効かせておけば、掛け声を使わずに良い表情を拾えます。機能に頼り切るのではなく、掛け声で作った瞬間を確実に取りこぼさないための補助輪として位置づけるのが実用的です。

⚠️ ありがちな失敗②:無音の電子シャッターで場が固まる

電子シャッターの無音撮影では、被写体は撮られたことに気づけません。「まだですか?」と表情が崩れ、撮り終えたのに全員が笑顔を保ち続ける、という気まずい時間が生まれます。対策は、電子音をオンにするか、撮り終えたら「はい、撮れました」と必ず声に出すこと。掛け声で始めたら、終わりの合図もセットにするのが原則です。

まとめ:掛け声は「音の形」と「切るタイミング」で決まる

📷 この記事の結論

掛け声は語尾が「イ」「ア」で終わる言葉を選び、言い終わりではなく伸ばしている最中に切る。この2点だけで写真の表情は変わります。

✅ 要点チェック

  • チーズの弱点:語尾「ズ」で口角が下がる
  • 26か国実験1位:仏語ouistiti(2010年・ニコン)
  • 日本語の代替:ポッキー・いい笑顔など伸ばす語尾
  • 集合写真:3カウント+3〜5枚の連写で目つぶり回避
  • ブレ対策:1/125秒以上、子どもは1/250秒以上
  • 歴史:1943年米紙が初出、1963年に日本へ
  • 終わりの合図:無音撮影なら「撮れました」を声で

写真を撮る時の掛け声は、なんとなく「はい、チーズ」を使い続けている人がほとんどです。しかしその「チーズ」は、1943年にアメリカの新聞記事で紹介され、1963年に雪印乳業のテレビCMを通じて日本に入ってきた、輸入品の習慣でした。語尾の「ズ」で口がすぼまるという構造上の弱点もあり、万能の正解ではありません。

2010年にニコンがヨーロッパ26か国で行った比較では、1位がフランス語の「ouistiti」、2位がイタリア語の「famiglia」、3位がスペイン語の「patatas」という結果でした。共通しているのは語尾で口角が下がらないこと、そして単語の意味に感情を動かす要素があることです。日本語でこの条件を満たすなら「ポッキー」「いい笑顔」あたりが使いやすく、口角だけでなく目元まで動く表情に近づけます。

そして忘れてはならないのが、掛け声の半分は「タイミングの共有」だという点です。言い終わりを撮らない、3カウントの最後に重ねて切る、1回の掛け声で3〜5枚を連写する。この運用に、1/125秒以上のシャッタースピードとF5.6〜F8の絞りという設定を組み合わせれば、失敗の大半は避けられます。

まずは次の撮影で、2枚目の掛け声だけ変えてみてください。1枚目は「はい、チーズ」、2枚目は「はい、ポッキー」。同じ人・同じ場所で撮った2枚を並べると、語尾の違いが表情にどう出るかがはっきり見えます。そこから自分の定番を決めていけば、掛け声は暗記した1フレーズではなく、相手と場面に合わせて選べる道具になります。

【出典・参考】はいチーズ – Wikipedia(1943年初出・1963年雪印乳業CM・ニコン26か国実験)世界の民謡・童謡「写真を撮るときの掛け声 世界・海外では?」現代ビジネス「写真映りをよくしたいなら撮影時のかけ声は“セイ、ポッキー”が一番」ナゾロジー「自然な笑顔と作り笑いの科学的違い」。掛け声や研究の詳細は各出典元をご確認ください。

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この記事を書いた人

カメラ歴8年、ミラーレス一眼を中心に撮影テクニックやカメラ選びの情報を発信しています。初めてカメラを買う方にもわかりやすい比較記事や、シーン別の撮影のコツなど、「撮ることがもっと楽しくなる」記事を目指しています。

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