「FUJIFILM X-M5って写真も動画もいけるらしいけど、実際どうなの?」——店頭でいちばん多い質問のひとつです。2024年11月に発売されたX-M5は、Xシリーズで最軽量となる約355gのボディに、2610万画素センサーと6.2K動画を詰め込んだエントリーミラーレス。SNSやVlogを意識した設計で、初めての1台としても、サブ機としても注目されています。
結論から言うと、X-M5は「写真の色を手軽に楽しみたい人」と「これ1台で縦動画・Vlogまで完結させたい人」に強くフィットするカメラです。一方で、ボディ内手ブレ補正やEVF(電子ビューファインダー)は非搭載という割り切りもあり、ここを理解せずに買うと「思っていたのと違う」となりがちです。
この記事では、メーカー公式スペックと実勢価格をもとに、X-M5の実力と弱点を数値で正直に整理します。ライバルのSony ZV-E10 II、同じ富士フイルムのX-S20との比較、被写体別・予算別の使い分けまで、購入判断に必要な情報を一気にまとめました。
・X-M5の主要スペックと実勢価格(約119,000円〜)の全体像
・写真・動画それぞれの得意分野と、手ブレ補正なし・EVFなしという弱点の実際
・Sony ZV-E10 II/X-S20との数値比較と、失敗しない選び方
・被写体別・予算別のおすすめ構成と、購入前に確認すべき3つの落とし穴
FUJIFILM X-M5 レビュー|355gの最軽量ボディは何がすごいのか
まずはX-M5がどんなカメラなのか、スペックの全体像から押さえていきましょう。エントリーモデルながら中身は最新世代で、「軽さ」と「色」を武器にしたカメラだとわかります。
約355gはXシリーズ最軽量|数字で見る携帯性
X-M5最大の個性は、バッテリー・メモリーカードを含めて約355g(本体のみ約307g)という軽さです。これはXシリーズ現行機種で最軽量。ボディサイズも111.9×66.6×38mmとコンパクトで、標準ズームのXC15-45mmを付けても総重量はおおむね500g前後に収まります。一眼レフの標準セットが1kgを超えることを考えると、その半分ほどです。毎日カバンに入れて持ち歩ける重量帯なので、「重くて持ち出さなくなる」という初心者ありがちの挫折を避けやすいのが実利。ただし軽さの代償として、大きな望遠レンズを付けるとフロントヘビーになりやすく、グリップも浅めです。大きいレンズ中心で使うなら、後述するX-S20のような重めのボディのほうがバランスは取りやすくなります。
2610万画素 X-Trans CMOS 4+X-Processor 5の実力
センサーはAPS-Cサイズ(23.5×15.6mm)の裏面照射型「X-Trans CMOS 4」で有効約2610万画素、画像処理エンジンは最新世代の「X-Processor 5」を搭載します。エントリー機でありながら、上位機ゆずりの処理エンジンを積んでいるのがポイント。この組み合わせにより、後述する被写体検出AFや6.2K動画といった上位機能が実現しています。APS-Cはフルサイズより一回り小さいセンサーですが、2610万画素あれば大伸ばしプリントやトリミングにも余裕があります。センサーサイズによる写りの違いを詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。

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11年ぶりの後継機|エントリーの新定番という位置づけ
X-M5は、2013年発売の「X-M1」以来、約11年ぶりに復活した「Mシリーズ」の系譜に位置づけられます。EVFを省き、軽さと価格を優先した割り切りは初代X-M1の思想を受け継ぎつつ、中身は2024年の最新世代へ刷新されました。立ち位置としては、富士フイルムのエントリー入門機。上位のX-S20やX-T5のような堅牢性・手ブレ補正はありませんが、その分だけ価格と重量を抑えています。注意したいのは「エントリー=性能が低い」ではない点。動画性能やAFはむしろ上位機に迫る部分があり、削られているのは主にボディ内手ブレ補正・EVF・防塵防滴といった“ハード面”です。
実勢価格 約119,000円|どのキットを選ぶか
2026年7月時点の実勢価格は、ボディ単体で約119,000円(公式ショップ価格は136,400円税込)、標準ズームXC15-45mmが付くレンズキットで約130,200円が目安です。レンズを持っていない初心者なら、差額が1万円強で標準ズームが手に入るレンズキットが現実的。すでに富士のXマウントレンズを持っている人はボディ単体でよいでしょう。エントリー機としては10万円台前半で、6.2K動画や最新AFが手に入ると考えるとコストパフォーマンスは高い部類です。ただし価格は為替や在庫で変動するため、最新価格は購入直前に必ず確認してください。
| センサー | APS-C X-Trans CMOS 4(23.5×15.6mm) |
| 有効画素数 | 約2610万画素 |
| 画像処理エンジン | X-Processor 5 |
| 重量 | 約355g(バッテリー・カード込)/本体のみ約307g |
| 動画 | 6.2K/30P 4:2:2 10bit内部記録・4K/60P・1080/240P |
| 実勢価格 | ボディ約119,000円(2026年7月時点) |
写真はどこまで撮れる?2610万画素とフィルムシミュレーション20種の実力
「動画寄りのカメラでしょ?」と思われがちなX-M5ですが、写真機としても侮れません。富士フイルムならではの色表現と、上位機ゆずりのAFが効いてきます。
フィルムシミュレーション20種|撮って出しJPEGが強い
X-M5は富士フイルム伝統の「フィルムシミュレーション」を全20種類搭載します。これは撮影時にJPEGの色や階調を切り替えられる機能で、鮮やかな「Velvia」、落ち着いた「クラシックネガ」、モノクロの「ACROS」などをボタン一つで選べます。最大の実利は、パソコンでのレタッチ(現像)をしなくても、撮って出しのJPEGでそのままSNSに投稿できる完成度になること。編集の手間や知識がない初心者ほど恩恵が大きい機能です。注意点として、色の作り込みが強いぶん好みが分かれます。忠実な色を求める人や、あとから自由に色を作りたい人はRAWで撮る前提で考えると失敗しません。
被写体検出AF|動物・鳥・車まで自動で追う
X-Processor 5のディープラーニング技術により、動物・鳥・車・バイク・自転車・飛行機・電車・昆虫・ドローンを自動検出するAFを搭載します。エントリー機でこれだけの被写体に対応するのは大きな進化。ペットの瞳や走る子どもにピントを合わせ続けられるため、動きものが苦手な初心者でも歩留まりが上がります。使うシーンとしては、公園を走り回る子どもや、動き回る猫・犬の撮影で威力を発揮します。ただし、被写体検出は万能ではなく、逆光や小さすぎる被写体では外すこともあります。AFモードの使い分けを理解しておくと成功率がさらに上がるので、基本を押さえておきましょう。

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ISO160〜12800|どこまで暗所で使えるか
常用ISO感度は160〜12800(拡張あり)です。APS-Cセンサーとしては標準的な範囲で、日中屋外や明るい室内なら低感度でクリアに撮れます。夜のスナップや薄暗い室内ではISO3200〜6400あたりが実用の目安。X-Processor 5のノイズ処理は優秀ですが、ボディ内手ブレ補正がないぶん、暗所ではシャッタースピードが落ちてブレやすくなる点に注意が必要です。対策としては、F値の明るい単焦点レンズ(例:XF35mmF2など)を組み合わせるのが効果的。明るいレンズならISOを上げずにシャッタースピードを稼げるため、手ブレ補正なしの弱点を実用上カバーできます。
連写は電子シャッターで最高約30fps|クセを理解する
連写は電子シャッター時で最高約30fps(1.25倍クロップ)に対応します。数字だけ見ると上位機並みですが、注意点があります。電子シャッターは動きの速い被写体で「ローリングシャッター歪み」(被写体が斜めに歪む現象)が出やすく、また高速連写ではバッファ(連続撮影可能枚数)に限りがあります。日常のスナップや子ども撮影では十分な性能ですが、モータースポーツのような超高速被写体をガチで追うなら、上位機や別系統のカメラのほうが向きます。X-M5の連写はあくまで「決定的瞬間を取りこぼさない保険」として捉えると、期待値のズレが起きません。
フィルムシミュレーション=富士フイルムが写真フィルムの色や階調を再現したJPEGの色味プリセットのこと。撮影時に選ぶだけで、パソコンでの色編集なしに完成度の高い写真が撮れる。
動画とVlogが本命|6.2K/30Pと縦動画対応をチェック
X-M5がエントリー機の枠を超えて評価されているのが動画性能です。SNS時代の「縦動画」や「Vlog」を強く意識した設計になっています。
6.2K/30P 4:2:2 10bit内部記録の意味
X-M5はセンサー全体を使った6.2K/30Pの4:2:2 10bit記録を、カメラ内のSDカードに直接残せます。10万円台のエントリー機でこのスペックは異例です。「6.2Kで撮って4Kに書き出す」と、余った解像度のぶんだけ精細感の高い4K動画が得られます。4:2:2 10bitは色情報が豊富で、あとから色を調整(カラーグレーディング)しても破綻しにくいのが利点。本格的に映像作品を作りたい人にも足がかりになります。注意点は、高ビットレートの動画はファイルが大きく発熱もしやすいこと。長時間の連続撮影では記録が停止することもあるため、放熱に配慮した運用が前提になります。
4K/60P・1080/240Pスローの使いどころ
4K/60Pの記録に対応するため、なめらかな4K動画やスロー編集向けの素材が撮れます。さらにフルHD(1080)では最高240Pに対応し、これを30Pのタイムラインに並べると約8倍のスーパースローになります。水しぶきやペットのジャンプ、スポーツの一瞬を印象的に見せたいときに効果的です。使い分けの目安は、日常記録なら4K/30P、動きを強調したいカットで4K/60Pや1080/240Pを部分的に使うこと。ただしスロー撮影はフレームレートが高いぶん明るさが不足しやすく、屋内では画面が暗くなりがちです。明るい環境か、照明の追加を前提に使うと失敗しません。
3つの内蔵マイク+指向性選択でVlogが完結
X-M5は3つのマイクを内蔵し、「全方位・フロント・バック・フロント&バック」の4パターンから指向性を選べます。これは外部マイクなしでも用途に応じた音を録れるということ。自分を撮る自撮りVlogなら「フロント」、周囲の環境音も入れたい旅動画なら「全方位」と切り替えられます。バリアングル式の背面液晶(3.0型・約104万ドット)を前に向ければ、自撮りしながら構図とピントを確認できます。外部マイクや自撮り棒を買い足さずにVlogが始められるのは、初心者にとって大きなハードルの低さです。ただし内蔵マイクは風に弱いため、屋外ではウインドジャマー(風防)の追加を検討すると音質が安定します。
失敗例:非対応SDカードで動画記録が止まる
ありがちな失敗が、書き込み速度の足りないSDカードを使い、6.2Kや高ビットレート動画の記録が途中で止まってしまうケースです。高解像度・高ビットレートの動画は大量のデータを瞬時に書き込むため、速度の遅いカードでは処理が追いつきません。対策は、ビデオスピードクラス「V30」以上(できればV60以上)の高速SDカードを選ぶこと。パッケージの「V30」「V60」表記が目印です。安価な低速カードを流用すると、せっかくの動画性能が生かせないばかりか、大事な瞬間の記録に失敗します。カメラ本体と同時に、対応速度のカードも予算に入れておきましょう。
X-M5の記録メディアはSD(UHS-I対応)。動画を本格的に撮るなら、ビデオスピードクラスV30以上の高速SDカードを別途用意しておくと、6.2K・高ビットレート記録でつまずきません。
X-M5 レビューで見えた弱点|手ブレ補正なし・EVFなしをどう考える
正直に伝えます。X-M5には割り切った弱点があります。ここを理解して買うかどうかで満足度が大きく変わるので、包み隠さず整理します。
ボディ内手ブレ補正なし|歩き撮りは電子式で対処
X-M5はボディ内手ブレ補正(IBIS)を搭載していません。搭載するのは電子式のブレ補正機能のみです。写真では、暗所や望遠でシャッタースピードが落ちる場面でブレやすくなります。動画の歩き撮りでも、電子式は画角が一回り狭くなる(クロップされる)うえ、機械式のIBISほど滑らかにはなりません。対策は3つ。1つ目は手ブレ補正(OIS)付きレンズを選ぶこと、2つ目は明るい単焦点でシャッタースピードを稼ぐこと、3つ目は本格的な歩き撮り動画ではジンバルを併用することです。手ブレ補正を最優先するなら、5軸・最大7.0段のIBISを積むX-S20が有力な選択肢になります。
EVFなし|晴天の屋外で背面液晶が見づらい
X-M5にはファインダー(EVF)がありません。構図確認は3.0型の背面液晶のみで行います。室内や曇天では問題ありませんが、晴天下の屋外では液晶に太陽光が反射して画面が見えづらくなることがあります。ファインダーを覗いて撮るスタイルに慣れた人や、風景・スナップを屋外中心で撮る人には、この点がストレスになりがちです。対策としては、液晶の明るさを上げる、遮光フードを使う、といった工夫が必要になります。逆に、スマホの延長で背面液晶を見ながら撮るスタイルの人には、EVFがなくても違和感は小さいでしょう。自分の撮り方と照らし合わせて判断してください。
バッテリー約330枚|予備は必須と考える
撮影可能枚数はバッテリーNP-W126S使用で約330枚(ノーマルモード)です。軽量ボディゆえに小型バッテリーを積んでおり、上位のX-S20(約800枚)と比べると持ちは半分以下。1日撮り歩くと足りなくなる場面が出てきます。動画中心の使い方ではさらに消費が早まります。対策はシンプルで、予備バッテリーを最低1個、動画メインなら2個用意すること。USB-C給電に対応しているため、モバイルバッテリーからの給電・充電も可能です。「予備バッテリー+高速SDカード」は、X-M5を快適に使うための実質的な必須アクセサリーだと考えておくと安心です。
手ブレ補正なし・EVFなし・バッテリー約330枚は、いずれも「明るい場所での撮影+予備バッテリー+必要ならジンバル」で実用上カバーできる弱点です。暗所や望遠、屋外の炎天下が中心なら、IBIS搭載のX-S20を検討する価値があります。
ライバル機と徹底比較|ZV-E10 II・X-S20とどっちを選ぶ
X-M5を検討する人が必ず迷うのが、Sony ZV-E10 IIと、同じ富士のX-S20です。3機種を数値で並べると、それぞれの立ち位置がはっきりします。
3機種スペック比較|価格と重量で見る立ち位置
まずは主要スペックを横並びで比較します。以下は各メーカー公式・価格比較サイトの情報をもとにした「カメラのトリセツ調べ」の比較表です。同じAPS-C・約2600万画素クラスでも、手ブレ補正・EVF・価格に明確な差があります。
| 項目 | X-M5 | ZV-E10 II | X-S20 |
|---|---|---|---|
| 有効画素数 | 約2610万画素 | 約2600万画素 | 約2610万画素 |
| 重量 | 約355g | 約377g | 約491g |
| ボディ内手ブレ補正 | なし | なし | 5軸・最大7.0段 |
| EVF | なし | なし | あり |
| 最大動画 | 6.2K/30P | 4K/60P | 6.2K/30P |
| 実勢価格(ボディ) | 約119,000円 | 約153,000円 | 約209,000円 |
X-M5 vs Sony ZV-E10 II|Vlog機としての差
Vlog用途で真っ向からぶつかるのがSony ZV-E10 IIです。ZV-E10 IIは有効約2600万画素・重量約377gで、4K/60P 4:2:2 10bitに対応、実勢価格は約153,000円。どちらもEVF・ボディ内手ブレ補正は非搭載という似た構成です。差が出るのは、動画の最大解像度(X-M5は6.2K、ZV-E10 IIは4K)、色の作り(富士のフィルムシミュレーション vs ソニーの豊富なレンズ資産とAF実績)、そして価格です。X-M5のほうが約3万円安く、6.2K記録とフィルムシミュレーションが魅力。一方、AF性能の実績やレンズの選択肢の広さではソニー陣営に分があります。「色と価格」ならX-M5、「AFとレンズ資産」ならZV-E10 IIが選ぶ基準になります。
X-M5 vs X-S20|手ブレ補正とEVFの差は約9万円
同じ富士でもう一段上を狙うならX-S20です。X-S20は重量約491g、5軸・最大7.0段のボディ内手ブレ補正とEVFを搭載し、バッテリーは約800枚と持ちも大幅に上。実勢価格は約209,000円で、X-M5との価格差は約9万円です。この9万円で買えるのが「手ブレ補正・EVF・スタミナ・堅牢性」だと考えると、選び方はシンプルになります。暗所や望遠、屋外の炎天下で本気で撮る、1日中撮り歩く——こうした使い方が中心ならX-S20の価値は高い。逆に、明るい場所でのスナップや自撮りVlogが中心で、軽さと価格を優先するならX-M5で十分です。エントリー機選びの全体像は、こちらの初心者向けガイドも合わせて読むと迷いが減ります。

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逆張り視点:実はEVFなしのほうがVlog機として合理的
意外と知られていませんが、Vlogや自撮り中心なら「EVFがないこと」はむしろ利点になり得ます。ファインダーを覗いて撮るシーンは自撮りではほぼ発生せず、バリアングル液晶を前に向けて構図を確認するスタイルが主役になるからです。EVFを省いたぶん、ボディは小さく軽く、価格も抑えられています。「高い機能=正解」ではなく、自分の撮り方に不要な機能を削ぎ落とした機種のほうが、結果的に使いやすく安く済むことは珍しくありません。X-M5は「静止画をファインダーでじっくり撮る人」には向きませんが、「液晶を見ながら気軽に撮る・撮られる人」には、EVFなしという割り切りがむしろ理にかなった設計なのです。
誰におすすめ?被写体別・予算別の使い分け
スペックがわかったところで、「結局どんな人に向くのか」を具体的なシーンと予算で整理します。自分の使い方に当てはめてみてください。
子ども・ペット撮影に|被写体検出AFが効く
動き回る子どもやペットを撮りたい人に、X-M5はよくフィットします。動物・鳥を含む被写体検出AFが、走る子どもや猫・犬にピントを合わせ続けてくれるためです。軽量ボディなので、抱っこしながらの片手撮りや、子どもと遊びながらの撮影でも負担が小さいのも利点。フィルムシミュレーションで肌色をやわらかく仕上げれば、撮って出しで思い出をきれいに残せます。注意点は、室内の薄暗い環境ではボディ内手ブレ補正がないぶんブレやすいこと。F1.4〜F2クラスの明るい単焦点レンズを1本足すと、暗所での成功率がぐっと上がります。
旅・スナップに|355gの機動力が武器
旅行やまち歩きスナップでは、355gの軽さが最大の武器になります。首から下げても疲れにくく、「重くて出さなくなる」を避けられるのが、結局いちばん良い写真につながります。標準ズームXC15-45mmとの組み合わせなら総重量500g前後で、広角から標準までカバー。フィルムシミュレーションを切り替えれば、街並みも料理も撮って出しで雰囲気良く仕上がります。弱点は晴天屋外でのEVF不在と、バッテリー約330枚のスタミナ。予備バッテリー1個をポケットに入れておけば、1日の旅撮影は問題なくこなせます。
Vlog・SNS動画に|これ1台で完結
X-M5がもっとも輝くのがVlog・SNS動画です。6.2K/30P記録、3つの内蔵マイクと指向性選択、前に向くバリアングル液晶、縦位置動画対応——自撮りVlogやSNS向け縦動画に必要な要素がボディ内で完結しています。外部マイクやジンバルを最初から揃えなくても始められるハードルの低さは、これから動画を始める人に理想的。まず本体で撮り慣れて、必要になったらジンバルやマイクを買い足す、という段階的なステップアップが組みやすいカメラです。
| 使い方 | おすすめ構成 | 予算目安 |
|---|---|---|
| とにかく安く始める | ボディのみ+手持ちレンズ | 約12万円 |
| 写真も動画も1台で | XC15-45レンズキット+高速SD | 約14万円 |
| 暗所・ボケも欲しい | ボディ+明るい単焦点+予備電池 | 約16万円 |
購入前に必ず確認したい3つの落とし穴
最後に、X-M5を買ったあとで「しまった」となりやすいポイントを3つに絞ってお伝えします。ここを押さえれば、購入後のミスマッチはほぼ防げます。
失敗例:マウント違いのレンズを買ってしまう
意外に多いのが、X-M5に付かないレンズを買ってしまう失敗です。X-M5は富士フイルムの「Xマウント」専用機。ソニーEマウントやニコンZマウント、キヤノンRFマウントのレンズはそのままでは装着できません。ネットの中古で安いレンズを見つけても、マウントが違えば使えないので要注意です。対策は、購入前に必ず「Xマウント(FUJIFILM X)」対応と明記されたレンズかを確認すること。純正のXFレンズ・XCレンズのほか、シグマ・タムロンなどがXマウント対応レンズを出しています。マウントは物理的な接続規格なので、変換アダプターにも制約がある点を覚えておきましょう。
EVFなしを前提に運用を考える
2つ目は、EVFがないことを買う前に織り込んでおくことです。前述の通りX-M5にファインダーはなく、晴天の屋外では背面液晶が見づらくなります。「ファインダーを覗いて撮りたい」が譲れない人は、購入後に後悔しやすいポイントです。屋外撮影が多いなら、液晶の明るさ設定を最大にする、遮光フードを用意する、といった運用でカバーできるかを事前にイメージしておきましょう。どうしてもファインダーが欲しい場合は、EVF搭載のX-S20やX-T30 IIなどを検討したほうが、長く満足して使えます。
手ブレ補正を過信しない|三脚・ジンバル併用
3つ目は、電子式ブレ補正を過信しないことです。X-M5にはボディ内手ブレ補正がなく、あるのは電子式のみ。動画の歩き撮りでは画角が狭くなり、機械式IBISのような滑らかさは得られません。夜景や星空の写真、なめらかな移動撮影を狙うなら、写真は三脚、動画はジンバルの併用が現実的です。カメラ本体だけで「何でも手ブレなく撮れる」と期待すると、暗所や動画でギャップを感じます。逆に、明るい場所での静止画や、三脚・ジンバルを使う前提なら、手ブレ補正なしはほとんど問題になりません。使い方に合わせて、必要な周辺機材まで含めて予算を組むのが失敗しないコツです。
X-M5は写真メインの初心者にも向いていますか?
向いています。フィルムシミュレーション20種で撮って出しの色が良く、被写体検出AFでピント合わせも簡単です。ただしファインダーを覗いて撮りたい人や、暗所・望遠が多い人は、EVFとIBISを備えたX-S20のほうが満足度は高くなります。
まとめ|X-M5は「色」と「軽さ」で選ぶエントリー動画・写真機
FUJIFILM X-M5は、約355gの最軽量ボディに2610万画素センサーと6.2K動画を詰め込んだ、写真も動画も1台で楽しめるエントリーミラーレスです。フィルムシミュレーション20種による撮って出しの色、被写体検出AF、Vlogを完結できる内蔵マイクとバリアングル液晶が強み。一方で、ボディ内手ブレ補正・EVFは非搭載、バッテリーは約330枚という割り切りがあり、この弱点を理解して選べば満足度は高いカメラです。
購入判断のポイントを整理します。
- 重量約355g(本体のみ約307g)でXシリーズ最軽量、実勢価格はボディ約119,000円〜
- センサーはAPS-C・約2610万画素 X-Trans CMOS 4+X-Processor 5で上位機ゆずりの中身
- 6.2K/30P 4:2:2 10bit・4K/60P・1080/240P対応で動画性能はエントリー最上位級
- ボディ内手ブレ補正なし・EVFなし・バッテリー約330枚は割り切りポイント
- 手ブレ補正とEVFが欲しいなら約209,000円のX-S20、AFとレンズ資産ならZV-E10 II(約153,000円)
- 快適に使うには予備バッテリーとV30以上の高速SDカードが実質必須
最初の1台としてなら、まずはXC15-45mmレンズキット(約130,200円)から始めるのが現実的です。写真の色を手軽に楽しみたい人、これから縦動画やVlogを始めたい人にとって、X-M5は10万円台で手に入る有力な選択肢になります。暗所やボケも欲しくなったら、明るい単焦点レンズを1本足していく——そんな段階的な楽しみ方ができるカメラです。
※本記事のスペック・価格は2026年7月時点の各メーカー公式サイトおよび価格比較サイトの情報に基づきます。最新情報は公式サイトでご確認ください。
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