「動画をひとりで撮りたいのに、ズームしながらの画角調整がどうしても手動だとカクついてしまう」。そんな悩みを抱えて、パワーズームレンズを探していませんか。NIKKOR Z 28-135mm f/4 PZは、まさにその課題を解決するために生まれた、ニコンZマウント初のフルサイズ対応パワーズーム(電動ズーム)レンズです。
結論から言うと、このレンズは「一人で動画を撮り切りたい人」に強くおすすめできる1本です。焦点距離28-135mmをf/4通しでカバーし、ズームレバーと11段階のズーム速度で滑らかな画角変化を実現します。一方で光学式手ブレ補正(VR)は非搭載、質量は約1120g、フィルター径は95mmと、購入前に知っておくべき妥協点もはっきりしています。
この記事では、公式スペックをもとにこのレンズの実力と弱点を数値で整理し、写真がメインの人・動画がメインの人それぞれにとって「買うべきかどうか」の判断材料をお届けします。競合になるNIKKOR Z 24-120mm f/4 Sとの比較まで踏み込みますので、どちらを選ぶか迷っている方もぜひ最後まで読んでみてください。
・NIKKOR Z 28-135mm f/4 PZの基本スペックと価格(実勢約32万円)
・パワーズーム・ハイレゾズーム270mm相当など動画向け機能の中身
・光学VR非搭載という弱点の実際の影響と対策
・NIKKOR Z 24-120mm f/4 Sと比べてどちらを選ぶべきか
NIKKOR Z 28-135mm f/4 PZはどんなレンズ?Zマウント初のパワーズームが埋める空白

一言でいえば「一人で動画を撮り切る人」のための標準ズーム
NIKKOR Z 28-135mm f/4 PZは、動画撮影を主眼に設計された標準ズームレンズです。ニコンがこのレンズで狙ったのは、カメラマン・録音・照明を兼ねるワンマンオペレーションのビデオグラファー。だからこそ、手を離さずに画角を変えられる電動ズームや、ピント送り時に画角が変化しないフォーカスブリージング抑制など、動画で効く機能が凝縮されています。焦点距離は28mmの広角から135mmの中望遠まで、開放f/4通しで1本にまとまっているため、インタビューから寄りの表情まで、レンズ交換なしで撮り切れます。スチル専用のS-Lineレンズとは設計思想がそもそも違う、という点を最初に押さえておくと選び方を誤りません。動画を本気で撮る人にとっては、この1本で機材点数を減らせる価値が大きいレンズです。
28mmから135mmまで、これ1本でカバーできる撮影範囲
焦点距離28-135mmは、35mm判換算でもそのまま28-135mm(フルサイズ対応レンズのため)。広角端28mmは室内やテーブルを囲んだ画に十分な広さがあり、望遠端135mmは人物のバストアップやディテールの切り出しに向きます。ズーム倍率は約4.8倍。一般的な標準ズームが24-70mmの約2.9倍程度であることを考えると、この1本のカバー範囲の広さがわかります。最短撮影距離は0.34m〜0.57m、最大撮影倍率0.25倍(55-135mm)なので、料理や小物の寄りカットも別途マクロレンズを持ち出さずにこなせます。ただし広角側は28mm始まりで、24mmや20mmの超広角が欲しい風景・建築の用途では物足りません。あくまで「動画で使い勝手のいい標準〜中望遠域」に振った設計だと理解しておきましょう。
なぜ今このレンズが注目されるのか|Zマウント初のFXパワーズーム
このレンズが話題になった最大の理由は、ニコンZマウントで初めての「フルサイズ対応パワーズーム」であり、NIKKOR Zレンズとして初めてズームレバーを搭載したモデルだからです。ソニーやパナソニックが先行してきたシネマ・動画用パワーズームの領域に、ニコンが本格参入したことを象徴する1本と言えます。発売は2025年4月。ハイブリッド一眼で動画を撮る流れが加速するなか、「Zボディで一人称の映像制作を完結させたい」というニーズに応える戦略的なレンズです。裏を返せば、写真しか撮らない人にとってはオーバースペックになりがちで、価格も実勢約322,200円(2026年7月時点)と決して安くありません。自分の撮影スタイルが動画寄りかどうかが、購入判断の分岐点になります。

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パワーズーム(電動ズーム)=ズームリングを手で回す代わりに、レバーやボタンで内蔵モーターを動かして焦点距離を変える方式のこと。一定速度で滑らかにズームでき、動画で「ゆっくり寄る/引く」といった演出がしやすくなります。
約32万円のスペックを1枚に|数字で見る基本性能
スペックカードでこのレンズの全体像をつかむ
まずは主要スペックを一覧で押さえましょう。数字を見ると、このレンズが「動画のために重さと大きさを許容した設計」であることがはっきりします。質量は三脚座を含めて約1210g、三脚座なしで約1120g。標準ズームとしては重量級です。フィルター径は95mmと大きく、既存のフィルターがそのまま使えないケースも多いので要注意。一方でレンズ構成は13群18枚と贅沢で、EDレンズ3枚・ED非球面レンズ1枚・非球面レンズ4枚を投入し、動画で目立ちやすい色収差やゴーストを抑え込んでいます。絞り羽根は9枚の円形絞りで、点光源のボケも素直です。数字だけ見ると「重くて高い」ですが、その中身は動画品質に直結する光学設計に振られている、と読み解けます。
| 焦点距離 | 28-135mm(約4.8倍ズーム) |
| 開放絞り | f/4通し(最小絞りf/22) |
| レンズ構成 | 13群18枚(ED3枚・ED非球面1枚・非球面4枚) |
| 最短撮影距離/最大撮影倍率 | 0.34〜0.57m/0.25倍(55-135mm) |
| 絞り羽根/フィルター径 | 9枚(円形絞り)/95mm |
| サイズ/質量 | 最大径105×長さ177.5mm/約1120g(三脚座なし) |
| 発売/実勢価格 | 2025年4月/約322,200円(2026年7月時点) |
f/4通しとインナーズームが効く理由
このレンズの2つの隠れた強みが「f/4通し」と「インナーズーム」です。f/4通しとは、28mmでも135mmでも開放絞りがf/4で変わらないこと。ズームしても露出が変化しないので、動画でリニアに寄っていく最中に明るさがフワッと変わる心配がありません。もう一つのインナーズームは、ズームしてもレンズの全長が変わらない構造のこと。全長177.5mmのまま伸縮しないため、ジンバルに載せたときに重心バランスが崩れず、リグ運用が安定します。防塵・防滴に配慮した設計とも相性がよく、外気を吸い込みにくいメリットもあります。手持ちのスチル撮影ではありがたみを感じにくい部分ですが、動画・ジンバル運用では効いてくる、実用性の高い設計です。
13群18枚の光学設計が狙うもの
レンズ構成13群18枚のうち、EDレンズ3枚・ED非球面レンズ1枚・非球面レンズ4枚という特殊レンズの多さは、このクラスの標準ズームとしても手厚い部類です。EDレンズは色にじみ(軸上色収差)を抑え、非球面レンズは像面のゆがみやコマ収差を補正します。動画は静止画以上に画面の隅々まで動きが見えるため、周辺の流れや色ズレが目立ちやすいもの。そこを特殊レンズで押さえ込んでいるわけです。加えて絞り羽根は9枚の円形絞りで、夜景の点光源や玉ボケが角張らず自然な円形になります。ただし、こうした贅沢な構成が重量約1120gと実勢約32万円という価格に跳ね返っている点は正直なところ。写り重視のスチルユーザーが同価格帯で選べる単焦点と比べると、コスト効率だけで語れるレンズではありません。
NIKKOR Z 28-135mm f/4 PZの心臓部「パワーズーム」を掘り下げる

ズーム速度11段階で映像表現が大きく変わる
このレンズ最大の武器が、ズーム速度を11段階から選べるパワーズームです。ゆっくり寄る「じわり」としたズームで緊張感を出したり、素早くズームインして被写体を強調したりと、同じ画角変化でも速度でまったく印象が変わります。手回しのズームリングでは一定速度を保つのが難しく、どうしても速度ムラが出ますが、電動なら常に一定速度でスムーズ。この滑らかさが「作品としての映像」と「素人っぽい映像」を分ける大きな要素になります。速度は撮影中もカスタマイズでき、シーンに応じて瞬時に切り替え可能。三脚やジンバルに固定したまま画角だけを操作できるので、一人でも映画的なズームワークが実現します。手動ズームに慣れた人ほど、この一定速度の気持ちよさに驚くはずです。
ズームレバーとハイレゾズームで270mm相当まで
NIKKOR Zレンズ初のズームレバーは、鏡筒に配置され、押し込む強さで速度を微調整できる感覚的な操作系です。さらに注目したいのが「ハイレゾズーム」との組み合わせ。Z9またはZ8で4K動画を撮影する際、このハイレゾズームを併用すると、画質劣化を抑えたまま最大2倍相当、つまり135mmの望遠端が実質270mm相当の画角まで寄れます。望遠レンズを追加せずにここまでの望遠効果が得られるのは、動画のワンマン運用では大きな武器です。ただしこの機能はZ9・Z8など対応ボディでの4K撮影が前提。手持ちのボディが対応しているかは事前に必ず確認しましょう。対応機を持っていれば、実質的に28-270mm相当の1本として使える計算になります。
実はスチル撮影でも侮れない万能さがある
意外と知られていませんが、このレンズは動画専用ではなく、スチルでも普通に高画質な標準ズームとして使えます。f/4通しの明るさ、0.25倍の寄り、9枚円形絞りのボケは、スナップや旅行、物撮りにも十分対応します。「動画レンズ=写真には向かない」という思い込みで候補から外すのは早計です。実際、28-135mmという焦点距離域は旅行の風景から人物まで1本でこなせる万能域。ただしパワーズームはスチルでは操作がまどろっこしく感じる場面もあり、とっさに画角を変えたいスナップでは手回しズームの機動力に一歩譲ります。あくまで「動画メイン・スチルもいける」という優先順位で捉えると、評価を見誤りません。写真も撮る動画クリエイターにとっては、二役をこなす懐の深さが魅力です。
「一人で動画を撮り切る」ことに価値を感じるなら、ズーム速度11段階・全長不変のインナーズーム・Z8/Z9で270mm相当のハイレゾズームという3点だけで、実勢約32万円を出す意味があります。逆にスチルがメインなら、この機能の多くは持て余しがちです。
光学VRが無いのは弱点?手ブレ補正とAFの本当のところ
このレンズに光学VRは非搭載|ボディ内手ブレ補正が前提
購入前に必ず知っておきたいのが、NIKKOR Z 28-135mm f/4 PZには光学式手ブレ補正(VR)が搭載されていない、という点です。手ブレ補正はカメラ本体側のボディ内手ブレ補正(IBIS)に全面的に依存します。NIKKOR Z 24-120mm f/4 SがレンズVRを内蔵しているのと対照的で、ここは明確な設計上の割り切りです。とはいえ現行のZ8・Z9・Z6IIIといったボディはIBISの効きが強力で、標準〜中望遠域なら実用上そこまで困らない、というのが海外レビューでの共通見解です。三脚やジンバルに載せる前提の動画運用ではVRの必要性が下がるため、ニコンはあえて省いた形。ただし、ボディ内手ブレ補正を持たないZ50IIやZfcなどのAPS-C機と組み合わせると、手持ちでは補正がまったく効かない点は要注意です。
失敗パターン①|手持ちスチルで買ってブレを連発
ありがちな失敗が、VR非搭載を知らずに「便利な標準ズーム」として手持ちスチル用に購入し、望遠端135mmで手ブレを連発するケースです。約1120gという重さは手持ちでは相応に効いてきて、シャッタースピードが遅い室内や夕方では、VRのある他レンズなら止まる場面でもブレが出ます。原因は明確で、レンズにもボディにも補正が足りていないこと。対策は2つです。1つはボディ内手ブレ補正を搭載したフルサイズZ機(Z8・Z9・Z6III・Zf等)と組み合わせること。もう1つは、動画・三脚運用を主軸に据えて、そもそも手持ちスチルの精度をこのレンズに求めないこと。「VRが無い=手持ち撮影に不利」という前提を最初に理解しておけば、この失敗は避けられます。
STMのAFとフォーカスブリージング抑制
フォーカス面では、STM(ステッピングモーター)駆動で高速かつ静粛なAFを実現しています。動画撮影では駆動音がマイクに乗るのを避けたいため、静かなSTMは理にかなった選択です。さらに動画で効くのがフォーカスブリージングの抑制。ピントを手前から奥へ送ったときに画角がわずかに変化する現象を抑えており、フォーカス送りの演出をしても構図が破綻しません。マニュアルフォーカス時はリニア操作に対応し、フォーカスリングの回転量に対して一定量ピントが動くため、狙った位置に正確に送れます。スチルのAF-Cでも十分な追従性能はありますが、このレンズの真価はやはり「動画でピントと画角を精密にコントロールできる」点にあります。動画のマニュアル操作を重視する人ほど恩恵が大きい設計です。
光学VRは非搭載です。手ブレ補正はボディ内手ブレ補正(IBIS)任せになるため、IBISを持たないAPS-C機(Z50II・Zfc・Z30など)と組み合わせると手持ちでは補正が効きません。手持ち撮影が多いなら、VR内蔵の24-120mm f/4 Sを検討する価値があります。
24-120mm f/4 Sとどっちを買う?写真派と動画派の分かれ道
スペック比較表で違いを一目で確認
このレンズを検討する人の多くが比較するのが、同じf/4通しの標準ズームNIKKOR Z 24-120mm f/4 Sです。両者は焦点距離域こそ近いものの、設計思想がまるで違います。下の比較表(カメラのトリセツ調べ)を見ると、重量・価格・VRの有無で明確に色分けされているのがわかります。ざっくり言えば、24-120mm f/4 Sは「写真も動画もこなす軽量オールラウンダー」、28-135mm f/4 PZは「動画特化のパワーズーム」。24-120は約630gと軽く実勢約12.7万円、対して28-135 PZは約1120gで実勢約32万円。この差を機能の違いとして納得できるかが選択の分かれ目です。
| 項目 | 28-135mm f/4 PZ | 24-120mm f/4 S |
|---|---|---|
| 焦点距離 | 28-135mm(約4.8倍) | 24-120mm(5倍) |
| パワーズーム | あり(11段階) | なし(手動) |
| 光学VR | 非搭載 | 搭載 |
| 最大撮影倍率 | 0.25倍 | 0.39倍 |
| フィルター径 | 95mm | 77mm |
| 質量 | 約1120g | 約630g |
| 実勢価格 | 約322,200円 | 約126,866円 |
630gと1120g、約490gの差をどう考えるか
数字で最もインパクトが大きいのが重量差です。24-120mm f/4 Sの約630gに対し、28-135mm f/4 PZは約1120g。その差は約490gで、ペットボトル1本ぶんに近い重さです。旅行やスナップで一日中持ち歩くなら、この差は体感で大きく効いてきます。手持ちで軽快に撮りたい写真派には、正直24-120mm f/4 Sのほうが快適でしょう。一方、動画では三脚・ジンバル・リグに載せるのが基本なので、レンズ単体の重さより「全長が変わらず重心が動かない」インナーズームの安定性のほうが実務では効いてきます。つまり重量の評価は撮影スタイルで逆転します。手持ち中心なら軽さが正義、リグ運用なら安定性が正義。自分がどちらの運用をするかで、この490gの意味は真逆になります。

「標準ズーム1本でどこまでカバーできるか」は、レンズ選びで誰もが一度はぶつかる壁です。広角から望遠まで幅広く撮りたいけれど、描写が甘くなるのは避けたい。そんな欲…
価格差20万円をどう捉えるか
実勢価格は28-135mm f/4 PZが約322,200円、24-120mm f/4 Sが約126,866円(いずれも2026年7月時点)。その差は約20万円にのぼります。この差額は、ほぼそのまま「パワーズーム機構+動画特化設計」の対価です。写真がメインで動画は時々、という人が20万円上乗せしてPZを選ぶ理由は乏しく、素直に24-120mm f/4 Sで十分満足できるはずです。逆に、動画の仕事や作品づくりでズームワークを表現に使う人にとっては、この20万円は「機材点数を減らし、一人で完結できる制作環境」への投資になります。同じ焦点距離域だからと価格だけで比べると本質を見誤ります。判断基準は価格そのものより、「電動ズームに月々どれだけ助けられるか」。用途がはっきりしている人ほど、答えは明確になります。
誰が買うと満足できる?シーン別・撮影スタイル別の使いどころ
シーン別おすすめ早見表
ここまでの内容を、撮影シーン別に整理してみましょう。このレンズが輝くのは、やはり動画のワンマン運用と、ズームワークを表現に使いたい場面です。逆に、手持ちスナップや超広角が必要な風景では、より軽く安いレンズに軍配が上がります。下の表で自分の主戦場と照らし合わせてみてください。「動画メインで一人運用」に多く当てはまるほど、このレンズの価値は跳ね上がります。
| 撮影シーン | おすすめ度 | 理由 |
|---|---|---|
| 一人での動画制作 | ◎ | 電動ズームで画角操作を完結 |
| ウェディング・イベント動画 | ◎ | 28-135mmで寄り引き自在 |
| 旅行スナップ(写真中心) | △ | 約1120gは携行負担が大きい |
| 超広角の風景・建築 | △ | 広角端28mm止まりで力不足 |
Vlog・ドキュメンタリー・ウェディング動画で真価を発揮
このレンズが最も活きるのは、被写体を追いながら一人で撮り続ける動画のジャンルです。ドキュメンタリーやVlogでは、状況に合わせて広角と中望遠を素早く行き来する必要があり、レンズ交換の暇はありません。28-135mmの1本でその全域をカバーでき、しかもズームは電動で滑らか。ウェディングなら、新郎新婦の全身から指輪のアップまで、参列者の邪魔にならない位置から静かにズームで寄れます。STMの静粛AFと相まって、シャッターチャンスや感動の瞬間を音も立てずに捉えられるのが強みです。f/4通しなので、ズーム中に明るさが変わらず露出も安定。三脚固定でインタビューを撮り、そのままレバー操作で表情に寄る、といった一人二役の撮影がスムーズにこなせます。動画で「機材に振り回されない」体験を求める人に向いています。

「スマホで動画は撮れるのに、わざわざカメラで動画を撮る意味はあるの?」——カメラを買うか迷っている方から一番よく出てくる疑問です。結論から言うと、明るくボケた背…
予算別・機材構成の考え方
予算の観点でも整理しておきましょう。レンズ単体で実勢約32万円ですから、ボディを含めれば総額はさらに膨らみます。20万円前後の予算しかないなら、このレンズは現実的ではなく、まずは24-120mm f/4 S(約12.7万円)で標準域を固めるのが賢明です。40万円以上を機材に投じられ、かつ動画制作が主目的なら、28-135mm f/4 PZは有力な選択肢になります。理想は、ハイレゾズームに対応するZ8やZ9と組み合わせて、28-270mm相当の柔軟な画角を1本で確保する構成。予算に余裕がなければ、まずボディのIBIS性能を優先し、レンズは後から追加するのも一手です。高価なレンズだからこそ、自分の制作スタイルと予算配分を冷静に見極めてから手を出すのが、後悔しないコツです。
買って後悔しないための注意点|1120gと95mmフィルターの現実
失敗パターン②|95mmフィルターの想定漏れで買い直し
もう一つありがちな失敗が、フィルター径95mmを見落として手持ちのフィルターが使えず、買い直しになるケースです。一般的な標準ズームのフィルター径は77mmや82mmが多く、95mmは大口径の部類。可変NDやPLフィルターを動画で使いたい人は、95mm対応品を新たに揃える必要があり、フィルター1枚で1万円以上の追加出費になることも珍しくありません。原因は、レンズ本体の価格に気を取られてフィルター径を確認し忘れること。対策はシンプルで、購入前にフィルター径95mmを前提に、必要なフィルターの費用まで含めて総額を見積もっておくことです。特に動画では可変NDが必須級のため、レンズと同時に予算化しておきましょう。ステップアップリングで手持ちを流用する手もありますが、ケラレや操作性の低下に注意が必要です。
ハイレゾズーム270mm相当は対応ボディが前提
魅力的な「270mm相当」のハイレゾズームですが、これはZ9・Z8の4K動画撮影という条件付きの機能です。すべてのZボディで使えるわけではないので、この望遠効果を目当てに買うなら、対応ボディを持っているか、これから揃える前提かを確認しましょう。また、光学的に望遠になるわけではなくセンサー領域を活用した機能のため、条件や設定によって使える範囲が変わります。手持ちのボディが非対応なら、このレンズの望遠は素の135mmまで。「実質28-270mm」というふれこみを鵜呑みにせず、自分の環境で本当にその画角が得られるのかを、公式の対応情報で確かめておくと安心です。レンズだけ先に買って「270mmが使えなかった」とならないよう、ボディとの組み合わせは購入前に必ずチェックしてください。
防塵防滴とインナーズームで過酷な現場に強い
注意点だけでなく、長所も正しく押さえておきましょう。このレンズは防塵・防滴に配慮した設計で、全長が変わらないインナーズームのため、伸縮で外気やホコリを吸い込みにくい構造です。屋外のイベントやアウトドアの動画撮影など、環境が読めない現場でも安心して使えます。ただし、メーカーも「すべての条件で完全な防塵・防滴を保証するものではない」と明記しているとおり、豪雨や砂嵐で無防備に使えるわけではありません。過信は禁物です。とはいえ、ズームのたびに鏡筒が伸びるレンズに比べれば、密閉性の点で有利なのは確か。三脚・ジンバル運用時にバランスが崩れない安定感と合わせて、プロの現場でも信頼して任せられる堅牢さが、この価格に見合う価値の一部を形づくっています。
まとめ:NIKKOR Z 28-135mm f/4 PZは「動画をひとりで撮る人」の決定版
NIKKOR Z 28-135mm f/4 PZは、ニコンZマウント初のフルサイズ対応パワーズームとして、「一人で動画を撮り切る」という明確な目的のために作られたレンズです。焦点距離28-135mmをf/4通しでカバーし、11段階のズーム速度、全長不変のインナーズーム、Z9・Z8での270mm相当ハイレゾズームと、動画のワンマン運用に効く機能が凝縮されています。その対価として、約1120gの重量、光学VR非搭載、95mmフィルター径、実勢約322,200円(2026年7月時点)という妥協点を受け入れる必要があります。
選び方はシンプルです。動画制作が主目的で、ズームワークを表現の一部として使いたいなら、このレンズは強力な相棒になります。一方、写真がメインで動画は時々という人には、約630g・VR搭載・実勢約12.7万円のNIKKOR Z 24-120mm f/4 Sのほうが軽く、扱いやすく、コスパにも優れます。まずは自分の撮影の何割が動画かを振り返り、電動ズームに毎回助けられるイメージが湧くなら購入を、湧かないなら24-120mm f/4 Sから始めるのがおすすめです。高価なレンズだからこそ、用途との相性を見極めた1台を選んでください。
※価格・スペックは2026年7月時点の情報です。最新情報はニコン公式サイトの主な仕様ページでご確認ください。

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