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「リコーとペンタックス、名前は聞くけど何が違うの?」「どっちのカメラを買えばいいの?」——カメラ選びでこの2つのブランドにたどり着いた方が、必ずぶつかる疑問です。他社ならソニー、キヤノン、ニコンと会社が分かれていますが、リコーとペンタックスの関係はちょっと特殊です。
結論から言うと、リコーとペンタックスは同じ「リコーイメージング株式会社」が展開する2つのブランドです。ケンカ相手ではなく、役割分担をした兄弟のような関係。リコー(GRシリーズ)はポケットに入る高級コンパクト、ペンタックスは光学ファインダーの一眼レフとフィルムカメラを担当しています。つまり「どっちがいい」ではなく「あなたの撮り方はどっちのブランドに合うか」で選ぶのが正解です。
この記事では、GR IV・GR IIIxの高級コンパクト2機種と、K-3 Mark III・K-1 Mark II・KFの一眼レフ3機種、さらにフィルムのPENTAX 17まで、実勢価格とスペックを2026年7月時点の最新情報で並べて比較します。価格差・重量差・センサーサイズの違いを数値で示すので、読み終えるころには自分に合う1台がはっきりします。
・リコーとペンタックスが「同じ会社の2ブランド」である理由と棲み分け
・GRシリーズ(28mm/40mm)と一眼レフ(APS-C/フルサイズ)の使い分け
・6機種を価格・重量・センサーで横並び比較した「カメラのトリセツ調べ」の一覧表
・スナップ・風景・子ども撮影など、被写体別のおすすめ1台
リコーとペンタックスは実は同じ会社|ブランドの棲み分けを整理

「リコー対ペンタックス」で比較しようとすると、そもそも対決構造が成り立たないことに気づきます。この2つは同じ会社の中で役割を分けているからです。まずはこの関係を整理しておくと、機種選びの軸がぶれません。
実は両ブランドとも「リコーイメージング」が展開している
意外と知られていないのですが、ペンタックスはもともと旭光学工業という独立メーカーでした。その後ペンタックスブランドはHOYAを経て、2011年にリコーへ譲渡され、現在はリコーイメージング株式会社が「RICOH」と「PENTAX」の両ブランドを扱っています。だからカメラ好きの間では「リコーとペンタックスは中の人が同じ」と言われるわけです。
この事実が重要なのは、レンズやアクセサリー、修理サポートの窓口が共通だからです。ペンタックスの一眼レフを買っても、リコーのGRを買っても、サポート体制は同じ会社が担います。ただし注意点として、GRとペンタックス一眼はレンズマウントが別物で、レンズの使い回しはできません。「同じ会社だから互換性がある」と誤解しないようにしましょう。

「カメラを買おうと思って調べ始めたら、キヤノン・ソニー・ニコン・富士フイルム……メーカーが多すぎて、どこを選べばいいのか分からなくなった」——カメラ選びで最初に…
リコー=GRの高級コンパクト、ペンタックス=一眼レフとフィルム
役割分担はとてもシンプルです。RICOHブランドは「GRシリーズ」の高級コンパクトデジタルカメラを担当。APS-Cという大きなセンサーをポケットサイズに詰め込んだ、スナップ専用機のような立ち位置です。一方PENTAXブランドは光学ファインダーを持つデジタル一眼レフと、2024年に復活したフィルムカメラを担当します。
他社がミラーレスへ一斉に舵を切るなか、ペンタックスは「一眼レフを作り続ける唯一のメーカー」として独自路線を貫いています。ファインダーを覗いて撮る楽しさ、電池を使わずに構図が決められる安心感を重視する人に向きます。逆に、動画やAF速度を最優先するなら他社ミラーレスが有利な場面もあるのは正直なところです。ここを理解せずに買うと「思っていた使い方と違った」となりがちです。
「どっちを買うべき」は撮り方で9割決まる
結論として、リコーとペンタックスの選択は好みではなく撮影スタイルで決まります。カバンに常に忍ばせて日常を切り取りたいなら、リコーGR一択。重さ262gでコートのポケットに入り、電源オンから約0.8秒で撮影できる速写性はコンパクト機ならではです。
一方、レンズを付け替えて風景も動体も本格的に撮りたい、光学ファインダーの見え方が好き、という人はペンタックスの一眼レフが合います。ボディは684g〜1010gと重くなりますが、その分だけ拡張性と操作の自由度が段違いです。注意したいのは「両方の良いとこ取り」を狙うと中途半端になりやすい点。まずは自分が一番撮りたいシーンを1つ決めて、そこからブランドを絞るのが失敗しないコツです。
レンズマウント=カメラ本体とレンズをつなぐ接続規格のこと。ペンタックス一眼レフは「Kマウント」を採用。GRシリーズはレンズ交換ができない固定レンズ式なので、そもそもマウントの概念がありません。この2つはレンズを共有できない別系統です。
GRシリーズは28mmと40mmの2択|ポケットに入るAPS-Cの実力
リコーを代表するGRシリーズは、APS-Cセンサーを搭載しながら262gに収まる高級コンパクトです。現行の主力は最新のGR IVと、40mm相当の画角を持つGR IIIx。この2機種は「焦点距離」で性格が分かれます。
RICOH GR IVは新センサーで進化した最新スナップ機
GR IVは2025年9月12日に発売されたシリーズ最新モデルで、有効2574万画素の新型APS-C CMOSセンサーを搭載します。レンズは18.3mm(35mm判換算で約28mm相当)F2.8で、街角のスナップや旅の記録に使いやすい広角です。手ブレ補正は従来の3軸からセンサーシフト5軸補正へ進化し、手持ちの夜スナップでもブレを抑えやすくなりました。
重量はバッテリー・カード込みで262g(本体228g)。実勢価格は約25万円前後(2026年7月時点、値上げ後)とコンパクト機としては高価ですが、この画質と携帯性を両立できる機種はほかにありません。注意点は、レンズが28mm固定でズームできないこと。「1本のレンズで画角が決まってしまう」割り切りを受け入れられるかが購入判断の分かれ目です。
| センサー | APS-C / 23.3×15.5mm CMOS |
| 有効画素数 | 約2574万画素 |
| レンズ | 18.3mm(28mm相当)F2.8 |
| 手ブレ補正 | センサーシフト5軸 |
| 重量 | 262g(バッテリー・カード込) |
| 実勢価格 | 約25万円前後(2026年7月時点) |
RICOH GR IIIxは40mm相当で「見た目に近い」画角が魅力
GR IIIxは2021年10月発売のロングセラーで、有効2424万画素・APS-Cセンサーを搭載します。GR IVとの最大の違いはレンズで、26.1mm(35mm判換算で40mm相当)F2.8。人間が自然に見ている範囲に近い標準寄りの画角で、料理・ポートレート・スナップまで「主役を素直に切り取る」使い方に向きます。
手ブレ補正は3軸、重量は262g(本体232g)。実勢価格は約18.8万円(2026年7月時点)で、最新のGR IVより手が届きやすいのも魅力です。注意点は、28mmの広さで風景をダイナミックに写したい人には画角が狭く感じること。逆に「広角で余計なものまで写り込むのが苦手」という人にはGR IIIxの40mmがぴたりとハマります。GR IVの28mmと迷ったら、まず自分が撮りたい被写体との距離感で選ぶのが正解です。

GR IVとGR IIIxはどう違う?画角と世代で選ぶ
2機種の違いを整理すると、ポイントは「画角」と「世代」の2点です。画角はGR IVが28mm、GR IIIxが40mm。世代はGR IVが2025年発売の最新機、GR IIIxが2021年発売。GR IVは新型センサーと5軸手ブレ補正で基本性能が底上げされていますが、その分だけ価格も約25万円と高めです。
「とにかく最新で広く撮りたい」ならGR IV、「標準画角で価格を抑えたい」ならGR IIIx、という住み分けになります。どちらもレンズ交換はできず、電源を入れてすぐ撮れる速写性が共通の武器です。妥協点として、両機種とも大きなボケを得意とはしません。センサーはAPS-Cですが、F2.8・広角〜標準レンズなので、背景を大きくとろけさせたいならペンタックス一眼+明るい単焦点のほうが向いています。
| 項目 | GR IV | GR IIIx |
|---|---|---|
| レンズ画角 | 28mm相当 | 40mm相当 |
| 有効画素数 | 約2574万画素 | 約2424万画素 |
| 手ブレ補正 | 5軸 | 3軸 |
| 発売時期 | 2025年9月 | 2021年10月 |
| 実勢価格 | 約25万円 | 約18.8万円 |
ペンタックスの一眼レフは光学ファインダーで選ぶ3機種

ペンタックスの主戦場は光学ファインダーの一眼レフです。現行ラインナップはAPS-Cフラッグシップの K-3 Mark III、フルサイズの K-1 Mark II、そして入門機の KF。この3機種は価格もセンサーも性格も大きく異なります。
PENTAX K-3 Mark IIIはAPS-Cフラッグシップの本命
K-3 Mark IIIは有効2573万画素のAPS-Cセンサーを積んだフラッグシップ一眼レフです。最大の見どころは光学ファインダーで、視野率約100%・倍率約1.05倍という同クラス最高水準の見やすさを実現しています。ミラーレスの電子ファインダーとは違い、タイムラグゼロで被写体を追えるのが光学式の強みです。
手ブレ補正はボディ内5軸5段の「SR II」、連写は最高約12コマ/秒とAPS-C機として俊敏。重量は約820g(バッテリー・カード込)、実勢価格は約19.8万円(2026年7月時点)です。注意点は、動画やAF追従は最新ミラーレスに一歩譲ること。あくまで「ファインダーを覗いて1枚を丁寧に撮る」スタイルに全振りした機種だと理解して選ぶのがおすすめです。
PENTAX K-1 Mark IIはフルサイズ3640万画素の高解像モデル
より高い解像感を求めるなら、フルサイズ機のK-1 Mark IIです。有効3640万画素の35mmフルサイズセンサーを搭載し、風景や星景を大伸ばしプリントしても細部が破綻しません。ボディ内5軸手ブレ補正「SR II」に加え、センサーをずらして超高解像を得る「リアル・レゾリューション・システム」など、三脚撮影で真価を発揮する機能が揃います。
重量は約1010g(バッテリー・カード込)とヘビー級で、連写はフルサイズ時に最高約4.4コマ/秒。実勢価格は約19.1万円(2026年7月時点)で、フルサイズ機としては手が届きやすい価格帯です。妥協点は重さと連写速度。動く子どもやスポーツを高速で追うより、じっくり構図を決める風景・ポートレート向きの1台です。
PENTAX KFは10万円以下で防塵防滴の入門一眼レフ
「一眼レフを試してみたい」という入門者に向くのがKFです。有効2424万画素のAPS-Cセンサーを積み、実勢価格は約10万円以下。この価格帯ながら防塵・防滴構造とボディ内手ブレ補正を両方搭載しているのがペンタックスらしい実直な仕様です。連写は最高約6.0コマ/秒、ISO感度は最高102400まで対応します。
バリアングル式の3.0型液晶を備え、ローアングルや自撮り構図も柔軟。重量は約684g(バッテリー・カード込)と一眼レフとしては軽量です。注意点は、AFや連写性能はフラッグシップのK-3 Mark IIIに及ばないこと。とはいえ、雨や雪の中でも安心して持ち出せる堅牢性を10万円以下で手に入れられる機種はほかに多くありません。最初の1台として堅実な選択肢です。
「ペンタックスも小さいだろう」とGRのイメージでK-1 Mark IIを注文し、届いた1010gの重さとサイズに驚くケースがあります。対策は購入前に必ず実機のサイズ・重量を確認すること。GRの262gと一眼レフの684g〜1010gでは、持ち歩きの負担がまったく違います。日常携帯を重視するならGR、腰を据えて撮るなら一眼レフ、と用途を先に決めましょう。
フィルムに戻れるのはペンタックスだけ|PENTAX 17という選択肢
デジタルだけがカメラではありません。ペンタックスは2024年、約21年ぶりに新型フィルムカメラ「PENTAX 17」を発売しました。デジタル全盛のいま、新品のフィルムカメラを選べるのは大手ではペンタックスだけです。
PENTAX 17は21年ぶりの新型フィルムコンパクト
PENTAX 17は2024年7月12日発売、直販価格88,000円(税込)のフィルムコンパクトカメラです。レンズは25mm(35mm判換算で約37mm相当)F3.5の単焦点で、HDコーティングによりクリアでシャープな描写を実現します。ISO感度は50〜3200、シャッタースピードは1/350〜4秒に対応します。
フィルム装填はイージーローディング方式で、初めての人でも迷わずセットできます。注意点として、これはデジタルではなくフィルムなので、撮影後は現像とスキャン(またはプリント)のコストと手間がかかります。1本撮るごとにフィルム代・現像代が発生することを前提に楽しむカメラです。「効率」ではなく「撮る行為そのもの」を味わいたい人向けの1台です。
ハーフサイズフォーマットで1本のフィルムが約2倍撮れる
PENTAX 17の最大の特徴がハーフサイズフォーマットです。35mmフィルム1コマ(36×24mm)の約半分(17×24mm)を使って撮影するため、36枚撮りフィルムなら約72枚撮れる計算になります。フィルム代・現像代が高騰する今の時代に、1本で倍撮れるのは大きなメリットです。
もう一つ面白いのが、カメラを普通に横に構えると縦位置構図の写真になる点。スマートフォンで撮るときと同じ縦長の画面感覚で、SNS向けの写真とも相性が良い設計です。注意点は、1コマが小さいぶん大伸ばしプリントには不向きなこと。L判やスマホ鑑賞を中心に、日常をたくさん記録する使い方にマッチします。
PENTAX 17はどんな人に向くのか
PENTAX 17が向くのは、「便利さより撮る体験を楽しみたい人」です。オートフォーカスはなく、ゾーンフォーカス(目測でピント域を選ぶ方式)を採用しているため、パッと構えてパシャッと撮る手軽さと、自分でピントを意識する楽しさが同居します。デジタルのGRとは真逆の、あえて手間を楽しむカメラです。
逆に、失敗せず確実に記録を残したい、撮ってすぐ確認したいという人には向きません。フィルムは現像するまで結果が見えず、ランニングコストもかかります。それでも「1枚1枚を大切に撮る感覚を取り戻したい」「フィルムの色や粒状感が好き」という人にとって、新品で買える貴重な選択肢です。同じリコーイメージングの中で、デジタルのGRとフィルムの17という両極を選べるのは面白いポイントです。
「デジタルの速写性ならGR、じっくり撮る一眼レフならK-3 Mark III/K-1 Mark II、撮る体験そのものを楽しむならPENTAX 17」。同じリコーイメージングの中でこれだけ性格の違う選択肢が揃うのが、リコー&ペンタックスを選ぶ最大の面白さです。
価格とスペックで6機種を横並び比較【カメラのトリセツ調べ】
ここまで紹介した6機種を、一つの表にまとめて比較します。センサーサイズ・画素数・重量・実勢価格を並べると、どの機種がどんな人向けかが一目でわかります。以下は2026年7月時点の公式スペックと各販売サイトの価格をもとにした「カメラのトリセツ調べ」の比較データです。
6機種のセンサー・重量・価格を一覧で比較
まず全体像を数値で把握しましょう。センサーはK-1 Mark IIだけがフルサイズ(3640万画素)で、残りはAPS-C。重量はGRの262gからK-1 Mark IIの1010gまで約4倍の開きがあります。価格帯はKFの約10万円以下からGR IVの約25万円まで幅広く並びます。
この表からわかるのは、「高いほど良い」わけではないこと。携帯性を求めるならGR、解像度ならK-1 Mark II、コスパならKF、と評価軸ごとに勝者が変わります。自分が何を最優先するかを決めてから表を見ると、候補が2〜3機種に自然と絞れます。
| 機種 | センサー | 画素数 | 重量 | 実勢価格 |
|---|---|---|---|---|
| GR IV | APS-C | 2574万 | 262g | 約25万円 |
| GR IIIx | APS-C | 2424万 | 262g | 約18.8万円 |
| K-3 Mark III | APS-C | 2573万 | 820g | 約19.8万円 |
| K-1 Mark II | フルサイズ | 3640万 | 1010g | 約19.1万円 |
| KF | APS-C | 2424万 | 684g | 約10万円以下 |
| PENTAX 17 | フィルム(ハーフ) | — | — | 88,000円 |
コスパで見るならKFとGR IIIxが狙い目
価格対性能で見ると、光る2機種はKFとGR IIIxです。KFは約10万円以下で防塵防滴・手ブレ補正・バリアングル液晶をすべて備え、レンズ交換の自由度まで手に入ります。一眼レフ入門として、これ以上ないコストパフォーマンスです。
GR IIIxは約18.8万円と決して安くはありませんが、APS-Cセンサーをこの携帯性に収めた機種は希少で、価格に見合う価値があります。逆にGR IVは約25万円と最新ゆえに割高感があり、「最新の5軸手ブレ補正が必要か」を冷静に判断したいところ。旧型でも画質に大きな不満がないなら、GR IIIxで十分というのが正直な見立てです。予算を抑えたい人ほど、最新機に飛びつく前に一世代前を検討する価値があります。
「ペンタックス用」と書かれたレンズを買ったのに、GRには一切装着できず無駄になった——という失敗があります。GRはレンズ交換不可の固定レンズ機、一眼レフはKマウントと、同じ会社でも系統がまったく別です。対策は、レンズを買う前に必ず自分のボディのマウント(またはレンズ非交換式かどうか)を確認すること。中古の古いKマウントレンズは、最新ボディで一部機能が制限される場合もあるので、対応表のチェックも忘れずに。
中古やレンズ資産まで含めて考える
ペンタックスを選ぶ隠れたメリットがレンズ資産の豊富さです。Kマウントは長い歴史を持ち、中古市場には数千円台から狙えるオールドレンズが大量に流通しています。ボディ内手ブレ補正を全機種が搭載しているため、手ブレ補正のないオールドレンズでも補正の恩恵を受けられるのは、他社にはない強みです。
一方でGRシリーズはレンズ交換ができないため、こうした「レンズ沼」とは無縁。良くも悪くも1本のレンズと付き合うことになります。中古ボディを狙う場合、一眼レフはシャッター回数を確認できる機種もあるので、外観チェックとあわせて状態を見極めましょう。総額で考えると、レンズを増やしたい人はペンタックス一眼、身軽さ最優先ならGR、という結論に落ち着きます。
被写体と予算で選ぶ|あなたに合う1台はこれ
スペックを理解したら、次は「自分の撮りたいもの」に当てはめて選びましょう。被写体別・予算別に、6機種の中からベストな1台を提案します。
スナップ・旅行なら軽さ最優先でGR
街歩きや旅の記録が主目的なら、迷わずGRシリーズです。262gでコートのポケットに収まり、思い立った瞬間にサッと撮れる速写性は、一眼レフでは真似できません。広く風景も入れたいならGR IVの28mm、目の前の被写体を素直に撮りたいならGR IIIxの40mmを選びましょう。
APS-Cセンサーのおかげでスマートフォンとは一線を画す画質が得られ、暗い室内やカフェでもF2.8の明るいレンズが活きます。注意点は、ズームができないので「もう少し寄りたい/引きたい」場面では自分が動く必要があること。この「足で構図を作る」制約こそがスナップの腕を上げてくれる、と前向きに捉えられる人に最適です。

「もっと日常を写真に残したい」「何気ない風景をおしゃれに撮りたい」——そう思ってカメラを手にしたものの、いざ外に出ると何をどう撮ればいいかわからない。スナップ写…
風景・星景なら高解像のK-1 Mark II
三脚を据えてじっくり撮る風景・星景写真には、フルサイズ3640万画素のK-1 Mark IIが本命です。高い解像力で山肌の質感や星の粒までしっかり描き、大伸ばしプリントにも耐えます。ボディ内手ブレ補正と超高解像モードは、三脚撮影で真価を発揮します。
暗所でのファインダーを照らす機能や、赤色に切り替わる操作部照明など、星景撮影者への配慮が随所にあるのもペンタックスらしい設計です。妥協点は1010gという重さと、フルサイズ時4.4コマ/秒の連写。動体には不利ですが、風景撮影で連写速度が問題になる場面はほとんどありません。「一枚を突き詰めたい」人に応える解像力を持つ1台です。
子ども・動体はAFと連写のK-3 Mark III
動き回る子どもやペット、スポーツを撮るなら、連写最高約12コマ/秒のK-3 Mark IIIが3機種の中で最も適しています。APS-Cセンサーで被写体をやや大きく写せるうえ、光学ファインダーのタイムラグゼロで動く瞬間を捉えやすいのが強みです。
ただし正直に言えば、動体AFの追従性能は最新のミラーレス機に一歩譲ります。運動会でひたすら連写して歩留まりを稼ぎたいなら、ミラーレスのほうが有利な場面もあります。それでも「ファインダーを覗いてタイミングを合わせて撮る」正統派のスタイルが好きなら、K-3 Mark IIIの手応えは格別です。予算を抑えたい場合は、入門機のKF(6コマ/秒)でも日常の動きなら十分対応できます。
| 撮影シーン | おすすめ機種 | 予算目安 |
|---|---|---|
| スナップ・旅行 | GR IIIx / GR IV | 約19〜25万円 |
| 風景・星景 | K-1 Mark II | 約19万円〜 |
| 子ども・動体 | K-3 Mark III | 約20万円〜 |
| はじめての一眼 | KF | 約10万円以下 |
| フィルム体験 | PENTAX 17 | 88,000円 |
買う前に知っておきたい注意点とよくある質問
最後に、リコー・ペンタックスを選ぶ前に押さえておきたいポイントと、よく寄せられる疑問をまとめます。ここを理解しておくと、購入後の「思っていたのと違う」を防げます。
手ブレ補正の「段数」の見方を知っておく
スペック表の手ブレ補正には「5軸5段」のような表記があります。「軸」は補正する方向の数、「段」は補正できるシャッタースピードの余裕を表します。たとえば5段なら、補正なしなら1/60秒が限界の場面でも、理屈上は約2秒までブレを抑えられる計算です。
ペンタックス一眼レフはボディ内手ブレ補正を全機種搭載しているため、どんなレンズを付けても補正が効きます。GR IVも5軸補正へ進化しました。ただしカタログの段数はあくまで理想値で、実際の効き目は構え方や焦点距離で変わります。数値を過信せず「手持ちで撮れる余裕が増える」程度に捉えておくのが現実的です。
2026年の値上げと品薄に注意
購入タイミングで注意したいのが価格改定です。リコーは2026年7月1日にGRシリーズの出荷価格を改定し、平均で約6〜11%の値上げとなりました。GR IVやGR IIIxを検討している人は、値上げ後の価格であることを前提に予算を組みましょう。
また、GRシリーズは人気が高く品薄になりやすい傾向があります。欲しいタイミングで在庫がないこともあるため、実勢価格は変動する前提で、複数の販売店をこまめにチェックするのがおすすめです。ペンタックス一眼レフは比較的在庫が安定していますが、こちらも価格は時期により動きます。最新価格は必ず各販売店や公式サイトで確認してください。
GRとペンタックス一眼のレンズは共有できない
繰り返しになりますが、これは購入前の最重要ポイントです。GRシリーズはレンズ交換ができない固定レンズ機、ペンタックス一眼レフはKマウントと、同じリコーイメージング製でもレンズは一切共有できません。「GRとK-3 Mark IIIを買って、レンズを使い回そう」という計画は成り立ちません。
もしレンズを増やして表現の幅を広げたいなら、最初からペンタックス一眼レフを選ぶべきです。逆に、1本のレンズで身軽に撮り続けたいならGR。この違いを最初に理解しておけば、余計なレンズを買ってしまう失敗を確実に防げます。同じ会社でも役割が違う、という大前提をもう一度思い出してください。
まとめ:リコーとペンタックスは「撮り方」で選べば失敗しない
リコーとペンタックスは、同じリコーイメージングが展開する2つのブランドです。対決させるものではなく、リコー(GR)はポケットに入る高級コンパクト、ペンタックスは光学ファインダーの一眼レフとフィルムカメラ、という役割分担で棲み分けています。だからこそ「どっちが優れているか」ではなく「自分の撮り方はどちらに合うか」で選ぶのが正解です。
今回比較した6機種のポイントを整理します。
- RICOH GR IV:2574万画素・28mm相当・5軸補正・262g、実勢約25万円の最新スナップ機
- RICOH GR IIIx:2424万画素・40mm相当・262g、実勢約18.8万円で標準画角が好きな人に
- PENTAX K-3 Mark III:APS-C 2573万画素・連写12コマ/秒・820g、実勢約19.8万円のAPS-Cフラッグシップ
- PENTAX K-1 Mark II:フルサイズ3640万画素・1010g、実勢約19.1万円で風景・星景の高解像モデル
- PENTAX KF:APS-C 2424万画素・防塵防滴・684g、実勢約10万円以下の入門一眼レフ
- PENTAX 17:ハーフサイズフィルムで約2倍撮れる、直販88,000円の21年ぶり新型フィルム機
選び方の最短ルートはこうです。身軽にスナップしたいならGR IIIx、最新機が欲しいならGR IV。じっくり風景を撮るならK-1 Mark II、動きものや万能に使うならK-3 Mark III。予算重視で一眼入門ならKF、撮る体験を楽しみたいならPENTAX 17。まずは自分が一番撮りたいシーンを1つ決めて、そこから1〜2機種に絞り込んでみてください。同じ会社の中で、これだけ個性の違うカメラを選べるのがリコー&ペンタックスの魅力です。価格は2026年7月時点のもので変動するため、最新情報は各メーカー公式サイト・販売店でご確認ください。

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