SDカードをFAT32でフォーマットできるのは32GBまで|64GB超の壁と正しいやり方を完全解説

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「SDカードをFAT32でフォーマットしたいのに、選択肢に出てこない」「32GBを超えると『ボリュームが大きすぎます』とエラーが出る」――カメラやドライブレコーダー、ゲーム機でSDカードを使おうとして、この壁にぶつかった方は少なくありません。結論から言うと、FAT32でフォーマットできるのは基本的に32GBまでで、64GB以上のカードを標準機能でFAT32にするにはひと工夫が必要です。

この記事では、そもそもFAT32とは何か、exFAT・NTFSとどう違うのかという基礎から、WindowsとMacそれぞれの具体的なフォーマット手順、SDアソシエーション純正ツールの使い方、そして「バックアップを取らずに全消去してしまった」といった失敗を避けるための注意点まで、順を追って解説します。

「自分のカードはFAT32にすべきか、exFATにすべきか」まで判断できるよう、容量別・用途別の早見表も用意しました。カメラに詳しい店員が売り場で教えるつもりで、迷わず正しくフォーマットできるところまでご案内します。

📷 この記事でわかること

・FAT32でフォーマットできる容量は32GBまで、単一ファイルは4GBまでという2つの壁
・Windows(ディスクの管理/diskpart)とMac(ディスクユーティリティ)での具体的な手順
・SDアソシエーション純正「SD Memory Card Formatter 5.0.3」の使いどころと限界
・容量別・用途別に「FAT32とexFATどちらを選ぶか」がわかる早見表

目次

SDカードをFAT32でフォーマットできるのは32GBまで|まず知るべき2つの壁

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SDカードをFAT32にする前に、押さえておきたいのが「容量32GBの壁」と「単一ファイル4GBの壁」という2つの制限です。ここを理解しておくと、なぜ64GBのカードでFAT32が選べないのか、なぜ動画が途中で分割されるのかがすっきり腑に落ちます。

FAT32はSDHC(2〜32GB)の標準ファイルシステム

SDカードは容量ごとに規格が分かれており、それぞれ「標準のファイルシステム」が決まっています。SDアソシエーションの規格では、2GBまでのSD(無印)がFAT16、2GBを超えて32GBまでのSDHCがFAT32、32GBを超えて2TBまでのSDXCがexFATと定められています。つまりFAT32は、SDHC世代のカードの標準フォーマットです。

お手元のカードのパッケージや表面に「SDHC」と書かれていれば、素直にFAT32でフォーマットすればカメラでもPCでも問題なく使えます。逆に「SDXC」と書かれた64GB以上のカードは、本来exFATで使う設計です。無理にFAT32へ変えることもできますが、後述する4GBの壁が付いて回る点は覚えておいてください。注意したいのは、規格の名前と容量が必ずしも一致して印字されていないケースがあることで、その場合は容量の数値(32GB以下か超えるか)で判断すれば間違いありません。

📖 用語チェック

FAT32=1990年代から使われてきた汎用のファイルシステム。互換性が非常に高く、古いカメラ・ドラレコ・ゲーム機・ラズベリーパイまで幅広い機器で読み書きできる反面、扱えるファイルの大きさと容量に制限があります。

なぜ「32GBの壁」があるのか|Windows標準の仕様が原因

「FAT32は32GBまで」とよく言われますが、これは正確にはWindowsの標準フォーマッタの仕様であって、FAT32という仕組みそのものの絶対的な上限ではありません。FAT32の理論上の最大ボリュームサイズは2TBに達しますが、マイクロソフトが「32GBを超える大容量はexFATを使ってほしい」という方針で、標準ツールでのFAT32作成を32GBまでに制限しているのが実情です。

そのため、64GBや128GBのSDカードをエクスプローラーやディスクの管理からFAT32にしようとすると、選択肢自体が「exFAT」「NTFS」しか出てこなかったり、無理に実行すると「ボリュームが大きすぎます」というエラーで弾かれたりします。ただし2026年時点では、WindowsのInsider版(Build 26300系・26220系)で、この上限を32GBから2TBへ緩和する変更がCanary/Dev/Betaチャネルに展開され始めています。将来的には標準機能で大容量FAT32が作れるようになる可能性はありますが、正式版へ降りてくるまではdiskpartコマンドや専用ツールに頼るのが現実的です。

もう1つの「4GBの壁」|単一ファイルは4GB未満まで

容量とは別に、FAT32には「1つのファイルは4GB(正確には4GB未満)まで」という制限があります。これがカメラで動画を撮るときに効いてくる、意外と見落とされがちな壁です。たとえば4K動画やビットレートの高いフルHD動画を長回しすると、1本のファイルが4GBを超えた瞬間に自動でファイルが分割されるか、記録が止まってしまいます。

写真(1枚あたり数十MB)だけなら4GBの壁に当たることはまずありませんが、動画を撮る方にとっては死活問題です。「せっかくの決定的瞬間が2本に割れてしまった」という事態を避けたいなら、動画メインの用途では容量にかかわらずexFATを選ぶのが安全です。FAT32はあくまで「互換性最優先・写真中心」のフォーマットだと捉えておくとよいでしょう。

⚠️ ここに注意

FAT32の4GB制限は「カードの空き容量」とは無関係です。64GBの空きがあっても、1本の動画ファイルが4GBを超えれば記録は止まります。動画を撮るなら、この壁のないexFATを検討してください。

そもそもFAT32とは?exFAT・NTFSとの違いを表で整理

FAT32を正しく使い分けるには、兄弟のようなファイルシステムであるexFATとNTFSとの違いを知っておくのが近道です。それぞれ「得意なこと」がはっきり違うので、目的に合ったものを選べば失敗しません。

FAT32の最大の武器は「互換性の高さ」

FAT32を選ぶ最大の理由は、対応機器の幅広さです。1990年代から使われてきた枯れた規格なので、最新のカメラはもちろん、10年以上前のデジカメ、ドライブレコーダー、カーナビ、Nintendo Switchなどのゲーム機、ラズベリーパイのような小型コンピュータまで、ほぼあらゆる機器が読み書きできます。「とにかくどの機器でも認識させたい」という場面では、FAT32が最も確実です。

一方で弱点は、これまで見てきたとおり「32GBの壁」と「4GBの壁」です。大容量カードや大きな動画ファイルを扱うには向きません。つまりFAT32は、容量とファイルサイズを妥協する代わりに、互換性を最大化したフォーマットだと言えます。この割り切りが用途に合えば、これほど頼れるフォーマットはありません。

exFATとの違いは「4GBの壁があるかどうか」

exFATは、FAT32の弱点を克服するためにマイクロソフトが開発した後継フォーマットです。単一ファイルの4GB制限がなく、容量も事実上無制限(SDXCで2TB、SDUCで最大128TBまで対応)に扱えます。SDXC(64GB以上)の標準ファイルシステムがexFATなのは、この大容量・大ファイル対応が理由です。

ただしexFATにも弱点はあります。古い機器やゲーム機の一部では非対応のことがあり、「exFATのカードを入れたら認識されない」というトラブルも起こり得ます。ざっくり言えば、写真中心・古い機器も使う・32GB以下ならFAT32、動画中心・64GB以上・新しい機器ならexFATという住み分けになります。exFATとFAT32の違いは動画の分割問題とも直結するので、動画をよく撮る方は下の記事もあわせて確認しておくと安心です。

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NTFSとの違いは「カメラで使えるかどうか」

NTFSはWindowsのシステムドライブなどで使われる高機能なファイルシステムで、アクセス権限管理やジャーナリング(障害復旧)に優れています。ファイルサイズの制限も実質ありません。ただしカメラやスマホ、多くのデジタル機器はNTFSに対応しておらず、SDカードのフォーマットとしてはまず使いません。SDカードをNTFSにしてしまうと、PCでは読めてもカメラに入れた瞬間「このカードは使えません」となるケースが多いので、カメラ用途では選ばないのが鉄則です。

整理すると、SDカードで現実的に選ぶのはFAT32かexFATの二択で、NTFSはPC専用の外付けドライブなど特殊な用途に限られます。以下に3つの違いを表でまとめました。

📊 FAT32・exFAT・NTFS 比較(カメラのトリセツ調べ)
項目 FAT32 exFAT NTFS
単一ファイル上限 4GB未満 実質無制限 実質無制限
推奨容量 〜32GB 64GB〜2TB以上 大容量向き
カメラ対応 ◎ ほぼ全機種 ○ 現行機中心 × ほぼ非対応
主な用途 写真・古い機器 動画・大容量カード PC用外付けドライブ

Windowsでフォーマットする手順|32GB以下と超で方法が変わる

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Windowsでのフォーマットは、カードが32GB以下か、それを超えるかで手順がまったく変わります。ここを間違えると「FAT32が選べない」と詰まってしまうので、まずは自分のカード容量を確認してから読み進めてください。

32GB以下なら「ディスクの管理」で数クリック

32GB以下のSDHCカードなら、Windows標準機能で完結します。カードリーダーでPCに挿し、スタートボタンを右クリックして「ディスクの管理」を開きます。目的のSDカードを右クリックして「フォーマット」を選び、ファイルシステムで「FAT32」を選択、「クイックフォーマットする」にチェックを入れて「OK」を押すだけです。エクスプローラーからドライブを右クリックしてフォーマットする方法でも同じことができます。

所要時間はクイックフォーマットなら数秒〜十数秒程度です。注意点は、フォーマットするとカード内のデータがすべて消えること、そしてドライブレターの取り違えで別のUSBメモリを消してしまわないよう、容量表示をよく確認することです。心配なら、対象カード以外の外部ドライブを一度抜いてから作業すると安全です。

32GB超は「diskpart」コマンドで壁を越える

64GB以上のカードをどうしてもFAT32にしたい場合は、コマンドプロンプトの「diskpart」を使います。手順は、管理者権限でコマンドプロンプトを開き、diskpartと入力してツールを起動、list diskでディスク番号を確認し、select disk 番号で対象を選択します。続いてcleanで初期化、create partition primaryでパーティションを作成、format fs=fat32 quickでFAT32フォーマット、最後にassignでドライブ文字を割り当てて完了です。

ただし、容量が非常に大きいカードではdiskpartのformatに時間がかかったり、途中でエラーになったりすることもあります。その場合は後述のサードパーティ製フォーマッタを使うほうが確実です。そもそも64GB以上のカードは本来exFAT向けなので、「古い機器で使う」など明確な理由がない限りは、無理にFAT32へ変えずexFATのまま使うことをおすすめします。

⚠️ diskpartの「clean」は要注意

diskpartでディスク番号を1つ間違えると、システムドライブや外付けHDDを丸ごと消去する事故につながります。list diskで表示される容量を必ず確認し、SDカードの容量と一致するディスクだけを選んでください。

【失敗パターン①】「ボリュームが大きすぎます」で止まる

もっとも多いつまずきが、64GB以上のカードを標準フォーマットでFAT32にしようとして「ボリュームが大きすぎます(The volume is too big for FAT32)」と表示されるケースです。原因は、これまで説明したWindows標準フォーマッタの32GB制限です。エラー自体は故障ではなく、仕様どおりの挙動なので慌てる必要はありません。

対策は3つです。ひとつは動画も扱うなら素直にexFATを選ぶこと。もうひとつは、どうしてもFAT32が必要ならdiskpartコマンドを使うこと。最後に、コマンド操作に不安があれば、次章以降で触れる無料のサードパーティ製FAT32フォーマッタを使うことです。「エラーが出た=カードが壊れた」と誤解して新しいカードを買い直してしまう人がいますが、その必要はありません。

Macでフォーマットする手順|「MS-DOS(FAT)」がFAT32のこと

Macでも標準の「ディスクユーティリティ」でFAT32フォーマットが可能です。ただしMacでは「FAT32」という名前ではなく「MS-DOS (FAT)」と表示されるので、初めてだと戸惑いがちです。ここを押さえれば手順自体はシンプルです。

ディスクユーティリティで「MS-DOS(FAT)」を選ぶ

SDカードをMacに挿し、「アプリケーション」→「ユーティリティ」→「ディスクユーティリティ」を開きます。左側のリストから対象のSDカードを選び、上部の「消去」をクリック。フォーマットの欄で「MS-DOS (FAT)」を選べば、これがFAT32でのフォーマットにあたります。32GBを超えるカードで大きなファイルを扱いたい場合は、代わりに「ExFAT」を選択します。

Macの場合、Windowsのような「32GB以下でないとFAT32が選べない」といった明確なブロックは出にくいものの、大容量カードはexFATが推奨される点は同じです。Appleの公式サポートでも、Windows機と共用するディスクのフォーマット方法として、容量に応じたMS-DOS(FAT)とExFATの使い分けが案内されています。

「方式(スキーム)」はマスター・ブート・レコードを選ぶ

ディスクユーティリティで消去する際、フォーマットの下に「方式(スキーム)」という項目が出ることがあります。SDカードをFAT32やexFATで、かつWindowsとの互換性を重視して使うなら、ここは「マスター・ブート・レコード(MBR)」を選ぶのが基本です。「GUIDパーティションマップ」はMac向けやSDUC世代の超大容量向けで、古い機器との互換を狙うFAT32とは相性が良くありません。

この項目は見落としやすいのですが、間違えると「フォーマットしたのにカメラで認識されない」という原因になることがあります。カメラやドラレコで使うSDカードなら、フォーマット=MS-DOS(FAT)、方式=マスター・ブート・レコード、と覚えておくと安全です。逆にMac内蔵ストレージのような用途では選択が変わるので、あくまでSDカード用の設定として覚えておいてください。

ターミナルの「diskutil」で確実に指定する方法

より確実にフォーマットしたい上級者向けには、ターミナルの「diskutil」コマンドがあります。diskutil listでSDカードの識別子(disk2など)を確認し、diskutil eraseDisk MS-DOS 名前 MBR /dev/disk2のように指定すると、FAT32相当のMS-DOSフォーマットで初期化できます。GUIで選択ミスが起きやすい「方式」まで一気に指定できるのが利点です。

ただしdiskutilもWindowsのdiskpartと同様、識別子を間違えると別のディスクを消してしまう危険があります。diskutil listで表示される容量と名前を必ず照合し、対象のSDカードで間違いないことを確認してから実行してください。不安があれば、無理にコマンドを使わず前述のGUI操作で十分です。

SDカードをFAT32にフォーマットするなら純正「SD Card Formatter」が安心

WindowsやMacの標準機能でもフォーマットはできますが、SDカードを長く安定して使いたいなら、SDアソシエーションが無料配布している純正ツールを知っておく価値があります。OS標準とは設計思想が違うため、使い分けができると心強い1本です。

「SD Memory Card Formatter 5.0.3」とは

SDアソシエーション(SD規格の策定団体)が公式に配布しているのが「SD Memory Card Formatter」です。2026年時点の最新版はバージョン5.0.3で、SD/SDHC/SDXC/SDUCのすべてのカードに対応します。WindowsとMacの両方に無料で提供されており、開発はファイルシステムで実績のあるTuxeraが担当しています。

対応OSはWindows 10(22H2)/11(22H2・23H2・24H2)、macOSはBig SurからSequoiaまでで、Appleシリコン搭載Macでは環境によってRosettaのインストールが必要になる場合があります。SDカードスロットのほか、USB 2.0/3.0/3.1やUSB-C接続のカードリーダーにも対応します。利用には管理者権限が必要です。

📋 SD Memory Card Formatter 5.0.3 スペックカード
提供元 SDアソシエーション(開発:Tuxera)
対応カード SD / SDHC / SDXC / SDUC
対応OS Windows 10/11、macOS Big Sur〜Sequoia
価格 無料(管理者権限が必要)

OS標準との違いは「SD規格への最適化」

SDアソシエーションは、OS標準のフォーマット機能について「SD/SDHC/SDXC/SDUCカードに最適化されておらず、性能が低下する場合がある」と説明し、純正ツールの利用を推奨しています。純正フォーマッタはSDカードの物理的な構造(アロケーションユニットの境界など)に合わせて初期化するため、書き込み速度や安定性の面で有利になりやすいのが利点です。

とくに連写でRAWを大量に書き込むカメラや、高ビットレートで動画を回す用途では、フォーマットの最適化が体感差につながることもあります。「カードの調子が最近おかしい」「連写が詰まる」といったときに、純正ツールで一度きれいにフォーマットし直すのは有効な対処です。SDカード選びそのもので迷っている方は、速度クラスの選び方も含めて次の記事が参考になります。

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【注意】純正ツールは64GBをFAT32にはできない

便利な純正ツールですが、ひとつ知っておくべき限界があります。SD Memory Card Formatterは、カードの容量に応じて標準のファイルシステム(32GB以下はFAT32、64GB以上はexFAT)を自動的に選ぶ設計です。つまり、64GB以上のSDXCカードをこのツールでFAT32に変更することはできません。

「64GBのカードをどうしてもFAT32にしたい」という場合は、純正ツールではなく、前述のWindowsのdiskpartや、無料で使える32GB超対応のサードパーティ製FAT32フォーマッタを使う必要があります。純正ツールは「規格どおりに最適な状態へ戻す」のが役割で、「規格外の使い方をする」ためのツールではない、と理解しておくと選択を誤りません。

フォーマット前に必ず確認したい落とし穴と正解

フォーマットは数クリックで終わる簡単な操作ですが、だからこそ取り返しのつかない失敗も起こりがちです。ここでは、やってしまいがちなミスと、実は多くの人が知らない「正解の手順」を紹介します。

【失敗パターン②】バックアップを取らずに全消去

フォーマットにまつわる最大の失敗が、「大事な写真が入ったままフォーマットして全部消えた」というものです。フォーマットはカード内のデータをすべて削除する操作なので、実行前に必要なデータを必ずPCや外付けドライブにコピーしておく必要があります。とくにdiskpartのcleanやディスクユーティリティの「消去」は、警告が控えめなまま一瞬で完了してしまうので油断は禁物です。

対策はシンプルで、「フォーマット前に一度だけ、カードの中身を丸ごとPCにコピーする」を習慣にすることです。万一フォーマット後に「消してはいけないデータだった」と気づいた場合でも、その後カードに書き込みをせず専用の復元ソフトを使えば復旧できる可能性は残りますが、確実ではありません。事前バックアップに勝る保険はないと考えてください。

⚠️ フォーマット前の鉄則

「消えても困らない」と確信できるまで実行しない。少しでも迷ったら、先にカードの中身を丸ごとPCへコピー。復元は運任せ、バックアップは確実です。

カメラの動画が4GBで分割されるのはFAT32が原因

「カメラで撮った長い動画が、勝手に複数のファイルに分かれている」という現象に心当たりはありませんか。これは故障ではなく、FAT32の4GBファイル制限が原因です。カメラは4GBに達すると自動で次のファイルへ記録を切り替える仕様になっているため、長回しすると動画が細切れになります。

編集時につなぎ直せば問題ないケースも多いですが、分割の境目で一瞬フレームが飛ぶことを嫌う方もいます。分割を避けたいなら、対応カメラであればexFATでフォーマットされた64GB以上のカードを使うのが根本的な解決策です。逆に、写真しか撮らない・短い動画しか撮らないなら、FAT32のままでもまったく困りません。自分の撮影スタイルで判断してください。

【実は】いちばん確実なのは「カメラ本体でのフォーマット」

意外と知られていませんが、カメラで使うSDカードは、PCではなくカメラ本体でフォーマットするのが最も確実です。カメラは自機の記録方式にぴったり合ったファイルシステムとフォルダ構造で初期化してくれるため、PCでフォーマットするより認識トラブルや書き込みエラーが起きにくくなります。PCでFAT32にしたカードがカメラで「使えません」と出る場合、カメラ側で再フォーマットすれば直ることがほとんどです。

つまり実務的には、「新品カードや別機種で使っていたカードは、まずカメラ本体でフォーマットする」のが正解ルートです。PCでのFAT32フォーマットが必要になるのは、ドラレコやゲーム機などカメラ以外の機器で使う場合や、フォーマット機能のない機器向けに準備する場合が中心です。カメラ本体とPC、それぞれのフォーマットの使い分けは次の記事で詳しく解説しています。

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用途別・容量別のフォーマット早見表|FAT32とexFATの選び方

ここまでの内容を踏まえ、「結局、自分はどちらでフォーマットすればいいのか」を用途別に整理します。カードの容量と使う機器の2軸で考えれば、答えは自然に決まります。

写真中心・32GB以下・古い機器なら迷わずFAT32

32GB以下のSDHCカードを、デジカメでの写真撮影や、少し前のカメラ、ドライブレコーダーで使うなら、FAT32一択です。互換性が最も高く、対応しない機器を探すほうが難しいレベルなので、余計なトラブルが起きません。単一ファイル4GBの壁も、写真中心なら実質的に無縁です。

とくに古いデジカメやカーナビ、シンプルなドラレコは、そもそもexFAT非対応のことも珍しくありません。こうした機器では「新しいから」とexFATにすると認識されず、FAT32に戻して初めて使えるようになります。迷ったら、その機器の取扱説明書で対応ファイルシステムを確認するのが確実です。

動画・4K・64GB以上ならexFATが正解

4K動画や高ビットレートのフルHD動画を長回しする、あるいは64GB・128GB・256GBといった大容量カードを使うなら、FAT32ではなくexFATを選びます。4GBの壁で動画が分割される問題も、32GBの容量制限も、exFATなら気にする必要がありません。現行のミラーレスや一眼レフ、アクションカメラはほぼexFATに対応しています。

唯一の注意点は、古い機器との互換性です。exFATのカードを古いカメラや周辺機器に入れると認識されないことがあるので、「新しい機器で動画中心=exFAT」「古い機器も使う=FAT32」という基準で考えると失敗しません。1枚のカードを新旧両方の機器で使い回したい場合は、互換性を優先してFAT32側に寄せるのも一つの手です。

🎯 用途別フォーマット早見表
使う機器・用途 容量の目安 おすすめ形式
写真中心のデジカメ・古い機器 〜32GB FAT32
4K・長時間動画のカメラ 64GB〜 exFAT
ドラレコ・カーナビ 〜32GB中心 FAT32(取説確認)
ゲーム機・ラズパイ等 機器依存 FAT32が無難

ゲーム機・ラズパイ・組み込み機器はFAT32が無難

カメラ以外に目を向けると、FAT32の出番はまだまだ多くあります。Nintendo Switchなどのゲーム機(機種により対応形式は異なります)、ラズベリーパイのようなシングルボードコンピュータ、各種組み込み機器やIoTデバイスは、FAT32を前提に設計されているものが少なくありません。これらは32GB以下のカードをFAT32でフォーマットしておくと、余計な相性問題を避けられます。

注意したいのは、機器ごとに「対応する最大容量」や「対応ファイルシステム」が決まっている点です。たとえば「32GBまで対応」の機器に64GBのカードを入れると、フォーマット形式以前に容量オーバーで認識されません。新しく機器用のカードを用意するときは、容量・形式の両方を取扱説明書で確認してから、この記事の手順でフォーマットするのが確実です。

まとめ|FAT32は「32GB・4GB・互換性」の3点で選ぶ

SDカードのFAT32フォーマットは、「容量32GBまで」「単一ファイル4GBまで」という2つの壁を理解していれば、もう迷いません。この2点を妥協する代わりに、あらゆる機器で読める抜群の互換性が手に入る――それがFAT32の正体です。写真中心で古い機器も使うならFAT32、動画中心で大容量ならexFAT、と用途で切り分ければ失敗しません。

手順面では、Windowsは32GB以下なら「ディスクの管理」、32GB超はdiskpartか専用ツール、Macは「MS-DOS(FAT)」を選ぶだけ。安定性を求めるならSDアソシエーション純正の「SD Memory Card Formatter 5.0.3」も強い味方です。そして何より、フォーマット前のバックアップと、カメラ用なら本体でのフォーマットを忘れないことが、後悔しないための鍵になります。

  • 容量の壁:Windows標準でFAT32にできるのは32GBまで。64GB超はexFATが本来の姿
  • ファイルの壁:FAT32は単一ファイル4GB未満まで。動画長回しでは分割される
  • 規格の対応:SD=FAT16、SDHC(〜32GB)=FAT32、SDXC(64GB〜2TB)=exFAT
  • Windows手順:32GB超はdiskpartでformat fs=fat32 quick、または無料の専用ツール
  • Mac手順:ディスクユーティリティで「MS-DOS(FAT)」、方式はマスター・ブート・レコード
  • 純正ツール:SD Memory Card Formatter 5.0.3は無料だが64GB超をFAT32にはできない
  • 最重要:フォーマット前にバックアップ、カメラ用は本体でフォーマットが確実

まずは手元のカードの容量と、使いたい機器の対応形式を確認するところから始めてみてください。32GB以下・写真用ならFAT32、64GB以上・動画用ならexFAT――この判断さえできれば、あなたのSDカードは最適な状態で活躍してくれます。

※記載のスペック・仕様・OS対応状況は2026年7月時点の情報です。最新情報はSDアソシエーションやメーカーの公式サイトでご確認ください。参考:SDアソシエーション公式(SD Memory Card Formatter)

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この記事を書いた人

カメラ歴8年、ミラーレス一眼を中心に撮影テクニックやカメラ選びの情報を発信しています。初めてカメラを買う方にもわかりやすい比較記事や、シーン別の撮影のコツなど、「撮ることがもっと楽しくなる」記事を目指しています。

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