「SDカードとSDHCカード、名前は似ているけど何が違うの?」「今使っているカメラに、どっちを買えば動くの?」——家電量販店のメモリーカード売り場で足を止めたことがある方なら、一度は感じた疑問だと思います。パッケージには「SD」「SDHC」「SDXC」の文字と、UやVの記号がずらり。正直、違いが分からないまま値段だけで選んでいる方も多いはずです。
結論から言うと、SDカードとSDHCカードの一番大きな違いは「容量」です。無印のSD(正確にはSDSC)は最大2GBまで、SDHCは2GB超〜32GBまでと、規格そのものが対応できる容量の上限で分かれています。そしてこの容量の違いは、内部のファイルシステム(FAT16とFAT32)や機器との互換性にまで影響します。
この記事では、SD・SDHC・SDXCの違いを容量・ファイルシステム・互換性・速度の4つの軸で整理し、「自分のカメラにはどれを買えばいいのか」まで、売り場で店員に聞くような感覚で解説します。スピードクラスの読み方や、買う前に知っておきたい落とし穴、実勢価格つきのおすすめカード比較まで、これ1本で判断できる内容にしました。
・SDとSDHCの違いは「容量2GBの壁」で決まる理由
・SD/SDHC/SDXC/SDUCの4規格をひと目で比較
・容量だけでなく速度(スピードクラス)で失敗しない選び方
・用途別・予算別のおすすめカードと実勢価格
SDHCカードとSDカードの違いは容量で決まる|2GBと32GBの境界線

SDカードとSDHCカードの違いを一言で言えば、「対応できる容量の上限が違う」ということです。同じ形・同じ大きさ(32.0×24.0×2.1mm)のカードでも、内部の規格が別物で、扱えるデータ量の天井がまったく違います。まずはこの根本を押さえると、売り場の表記がスッと読めるようになります。
無印SDは最大2GB、SDHCは32GBまで対応する
SD規格(正式にはSDSC=SD Standard Capacity)が扱える容量は最大2GBまでです。一方SDHC(SD High Capacity)は2GB超〜32GBまでをカバーします。つまり「4GB」「16GB」「32GB」と書かれたカードは、すべてSDHC規格ということになります。無印SDの2GBという上限は、1枚で数百枚の写真が精一杯という水準で、4K動画はもちろん、いまのミラーレスやスマホでは容量不足です。
この差が生まれた理由は、SD規格の設計上、容量を管理する仕組み(アドレス方式)が2GBまでしか想定していなかったためです。そこで2006年に容量の壁を引き上げたのがSDHCでした。現在、家電量販店で「SDカード」として売られている多くは、実際にはSDHCかSDXCです。純粋な2GB以下のSDは、一部の古い機器向けにわずかに残る程度と考えてよいでしょう。
容量が違うと中身のファイルシステムも変わる
容量の違いは、見た目には現れないもう一つの違いを連れてきます。それが「ファイルシステム」です。無印SDはFAT16(一部FAT12)、SDHCはFAT32、SDXCはexFATと、規格ごとにデータの記録方式が定められています。ファイルシステムとは、カード内のデータをどう整理して書き込むかのルールのことです。
この違いは実用面に直結します。たとえばFAT32には「1つのファイルは最大4GBまで」という制約があり、長時間の動画を撮ると途中でファイルが分割されます。exFATにはこの制約が実質ありません。カードを買い替えるとき「容量を上げたら動画が分割されなくなった」という体験の裏には、このファイルシステムの違いがあるのです。
ファイルシステムの違いをもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事で4GBの壁の正体を解説しています。

新しいSDカードをカメラに入れたら「このカードは使えません」と表示された、大切な動画がなぜか2つのファイルに分かれて記録されていた——こうしたトラブルの多くは、…
カメラのトリセツ調べ:4規格の容量とファイルシステム早見表
SD・SDHC・SDXC・SDUCの4規格を、容量とファイルシステムで整理したのが下の表です。策定年も添えました。自分のカードがどの位置にあるか、まず確認してみてください。
| 規格 | 容量の範囲 | ファイルシステム | 策定年 |
|---|---|---|---|
| SD(SDSC) | 〜2GB | FAT12 / FAT16 | 2000年 |
| SDHC | 2GB超〜32GB | FAT32 | 2006年 |
| SDXC | 32GB超〜2TB | exFAT | 2009年 |
| SDUC | 2TB超〜128TB | exFAT | 2018年 |
こうして並べると、SDとSDHCの違いは「2GBの壁」、SDHCとSDXCの違いは「32GBの壁」で線引きされていることがわかります。数値の出典はSD規格を策定するSD Association(SD Standard Overview – Capacity)です。注意点として、この表の「容量の範囲」はあくまで規格が扱える上限であり、機器がその規格に対応していなければ容量いっぱいまで使えないことは覚えておいてください。
そもそもSD・SDHC・SDXCは何が分かれ道なのか
「容量で分かれるのは分かった。でも、なぜわざわざ名前まで変えたの?」という疑問が残ると思います。ここでは、規格が世代交代してきた背景と、それぞれの分かれ道を整理します。ロゴの見分け方まで押さえれば、店頭で迷うことはなくなります。
ロゴを見れば規格はすぐ判別できる
カードの表面には、容量の数字のすぐ近くに規格を示すロゴがプリントされています。「HC」ならSDHC、「XC」ならSDXC、どちらも書かれず「SD」だけなら無印のSD規格です。パッケージ裏の仕様表にも必ず記載があります。結論として、容量表記とHC/XCの2文字を見るだけで、その1枚がどの規格かは即座に判別できます。
これが役立つのは、手持ちのカードを機器で使えるか確認したいときです。たとえば古いカーナビやゲーム機に「SDHC対応」と書かれていれば、無印SDとSDHCは挿せるがSDXCは非対応、と読み取れます。注意したいのは、microSDにも同じHC/XCの区分がある点です。microSDHC・microSDXCと、フルサイズSDと呼び名は違いますが、容量とファイルシステムの分かれ方は完全に共通です。
FAT32とexFATの違いが「4GBの壁」を生む
規格の分かれ道でもっとも実害が出やすいのが、ファイルシステムの違いです。SDHCが採用するFAT32は、1ファイルあたり最大4GBまでという上限があります。4K動画やフルHDの長回しでは、この4GBに達した瞬間にファイルが自動で分割されます。一方SDXCのexFATは、この4GBの制約が事実上なく、8Kの長時間録画にも耐えます。
使用シーンで言えば、静止画メインならFAT32のSDHCでも困る場面はほとんどありません。写真1枚は大きくてもRAWで数十MB程度だからです。逆に動画を撮る、特に長回しやビットレートの高い4K・8Kを扱うなら、exFATのSDXCが安心です。注意点として、パソコンでFAT32を無理にexFATへ変えることはできますが、機器側がexFAT非対応だと今度は読めなくなります。フォーマットは必ず使う機器(カメラ本体)で行うのが鉄則です。
ファイルシステム=カード内のデータを整理・記録するルールのこと。FAT32はSDHCが使う方式で1ファイル最大4GBの制限あり。exFATはSDXC/SDUCが使う方式で、4GB超のファイルも扱えるため長時間の動画に向く。
実はSDHCが「まだ現役」の場面は意外と多い
大容量が正義のように語られがちですが、意外と知られていないのは、SDHCがいまも合理的な選択になる場面が多いことです。たとえばドライブレコーダーや防犯カメラ、子ども用のトイカメラ、古いコンパクトデジカメでは、32GBまでのSDHCしか対応していない機器が今も現役で流通しています。ここに64GBのSDXCを挿しても認識されません。
また、写真を1枚ずつこまめに管理する使い方なら、32GBを複数枚に分けて運用したほうが、1枚が故障したときの被害を小さくできるという考え方もあります。「全データを1枚の大容量カードに集中させない」という発想です。理由は単純で、SDカードは消耗品であり、突然読めなくなるリスクをゼロにはできないからです。用途によっては、あえてSDHCを選ぶのは決して時代遅れではありません。
SDUC・SD Expressという最新の分かれ道もある
4規格の一番上には、2018年に登場したSDUC(SD Ultra Capacity)があります。容量は2TB超〜最大128TBまでを規定し、ファイルシステムはSDXCと同じexFATです。現時点で128TBの製品が店頭に並んでいるわけではありませんが、将来の大容量化に向けた枠が用意されている、と理解しておけば十分です。
もう一つの分かれ道が「SD Express」です。これは容量ではなく転送方式の進化で、PCと同じPCIe/NVMeの仕組みを取り入れ、理論上985MB/s以上の高速化を狙った規格です。容量の区分(SDHC/SDXC/SDUC)とは別軸で、超高速が必要なプロ用途向けの選択肢として広がりつつあります。一般的なカメラ用途では、まだSDXC+UHSで十分というのが実情です。
SDHCカードとSDカードは互換性でここに注意

規格の違いを理解したら、次に必ず確認したいのが「互換性」です。カードと機器の対応がずれていると、せっかく買っても認識すらされません。ここは店頭でのトラブルが一番多いポイントなので、方向性のルールをしっかり押さえましょう。
互換性には「下位互換」という一方通行がある
SDカードの互換性は、基本的に「上の規格の機器は下の規格のカードを読める(下位互換)」が原則です。具体的には、SDXC対応の機器なら、SDXC・SDHC・無印SDのすべてが使えます。SDHC対応の機器は、SDHCと無印SDは使えますが、SDXCは使えません。無印SD専用の機器は、SDHCもSDXCも読めません。
この一方通行を図で覚えると失敗しません。新しい機器ほど守備範囲が広く、古い機器ほど狭い、と考えればOKです。注意点は、カード側が新しく機器側が古い組み合わせ(例:古いカメラ+SDXC)が最も認識トラブルを起こしやすいこと。買う前に、機器の取扱説明書やメーカーサイトで「対応カード:SDXC対応」といった記載を必ず確認してください。
「SDXC対応」の記載がない古い機器に、64GB以上のSDXC(exFAT)を挿しても認識されません。取扱説明書の「対応メモリーカード」欄でSDHCまでかSDXCまでかを必ず確認してから購入しましょう。
【失敗パターン①】古いカメラに大容量SDXCを挿して認識せず
ありがちな失敗が、「容量が大きいほど良いだろう」と128GBのSDXCを買ったのに、手持ちの古いカメラで一切認識されなかったというケースです。原因は互換性の一方通行で、SDHCまでしか対応しない機器はexFATのSDXCを読めないためです。エラー表示も「カードが挿入されていません」など曖昧で、カードの初期不良と勘違いしやすいのも厄介な点です。
対策はシンプルで、購入前に機器の対応規格を確認することに尽きます。取扱説明書に「SDHCメモリーカード対応」とだけ書かれていれば、SDXCは避けて32GB以下のSDHCを選びます。すでにSDXCを買ってしまった場合は、その機器では使えないため、SDXC対応の別機器で使うか、対応するカードに買い替えるしかありません。相性ではなく規格の問題なので、抜き差しを繰り返しても解決しない点に注意してください。
スマホ・パソコンとの相性も規格で決まる
互換性はカメラだけの話ではありません。パソコンでカードを読むときも、カードリーダーやOSがSDXC(exFAT)に対応している必要があります。近年のWindowsやmacOSはexFATに標準対応しているため大きな問題は起きにくいですが、非常に古いパソコンや簡易なUSBカードリーダーでは、SDXCが読めないことがあります。
スマホに直接SDカードを挿す機会は減りましたが、microSDスロット付きのAndroid端末では、機種ごとに対応容量の上限が決まっています。「512GBまで対応」などと明記されていることが多いので、大容量microSDXCを買う前に確認しましょう。使用シーンとしては、カメラで撮ってパソコンに取り込む一連の流れの中で、どこか1か所でも規格非対応があると詰まる、という点を意識しておくと安心です。
容量の数字だけで選ぶと失敗する|スピードクラスの読み方
SD・SDHC・SDXCの違いは容量でしたが、実際のカード選びでは「速度」も同じくらい重要です。同じ32GBのSDHCでも、書き込み速度が3倍違うことは珍しくありません。ここでは、パッケージの謎めいた記号(C10、U3、V30…)の読み方を整理します。
スピードクラスには3つの世代がある
SDカードの速度表記が分かりにくいのは、規格の世代交代で3系統が併存しているからです。古い順に、SDスピードクラス(Class 2/4/6/10)、UHSスピードクラス(U1/U3)、ビデオスピードクラス(V6〜V90)の3つ。いずれも「最低保証される書き込み速度」を示す点は共通です。丸囲みのC、Uの中の数字、Vつきの数字、と見た目で世代が判別できます。
数値の意味はシンプルで、Class 10なら最低10MB/s、U1が最低10MB/s、U3が最低30MB/s、V30が最低30MB/s、V60が60MB/s、V90が90MB/sの書き込みを保証します。注意したいのは、これらは「最低保証値」であって、パッケージに大きく書かれた「最大200MB/s」などの読み出し速度とは別物だということ。動画撮影で効くのは、この最低保証の書き込み速度のほうです。出典はSD Association(Speed Class Standards for Video Recording)です。
UHS-IとUHS-IIはバスの物理的な違い
スピードクラスとよく混同されるのが「UHS-I」「UHS-II」という表記です。これはバス(データの通り道)の規格で、カード裏の端子の列数で見分けられます。端子が1列ならUHS-I、2列あればUHS-IIです。UHS-Iの実効上限が概ね104MB/s前後なのに対し、UHS-IIは312MB/s前後まで引き上げられます。
実用上のポイントは、V60・V90という高い最低保証はUHS-IIでなければ実現できないこと。UHS-Iのカードが対応できるのは最大V30までです。つまり4K・8Kの高ビットレート動画で連続書き込みを止めたくないなら、UHS-IIのV60/V90カードが必要になります。ただし注意点として、UHS-IIカードは機器側もUHS-II対応でなければ本領を発揮できず、UHS-Iスロットに挿すとUHS-Iの速度に頭打ちされます。宝の持ち腐れにならないよう、カメラ側の対応も必ず確認しましょう。
スピードクラス一覧:どの用途にどのクラスが必要か
言葉だけでは掴みにくいので、代表的なスピードクラスと必要になる用途を表にまとめました。自分の撮り方に合う下限を確認してみてください。
| クラス表記 | 最低書込速度 | 主な用途の目安 |
|---|---|---|
| Class 10 / U1 | 10MB/s | 静止画・フルHD動画 |
| U3 / V30 | 30MB/s | 4K動画・連写(UHS-Iで対応) |
| V60 | 60MB/s | 4K高ビットレート(UHS-II必須) |
| V90 | 90MB/s | 8K・高速連写RAW(UHS-II必須) |
ざっくり言えば、写真中心ならU1/Class 10で十分、4K動画を撮るならU3/V30を最低ライン、8Kや高速連写を本格的にやるならUHS-IIのV90、という選び方になります。注意点として、機器が要求するクラスを下回るカードを使うと、動画が途中で止まったり、連写がすぐ詰まったりします。カメラの取扱説明書に「V30以上推奨」といった記載があれば、それを守るのが安全です。
結局どれを買えばいい?用途別の選び方
ここまでで容量と速度の違いは整理できました。では、実際に自分は何を買えばいいのか。撮影スタイルと予算の2軸で、迷わないための指針をまとめます。「とりあえずこれ」で失敗しない組み合わせを示します。
撮影スタイル別:写真派・動画派・連写派の正解
まず撮影スタイルで大きく分かれます。写真をJPEGで撮るのが中心なら、32GBのSDHC(Class 10/U1)でも実用上は十分で、コストも抑えられます。RAWで大量に撮る、あるいは4K動画を撮るなら、64GB以上のSDXC+U3/V30が安心のラインです。野鳥や飛行機など高速連写でRAWを撮り続けるなら、書き込みが追いつかないとバッファ詰まりが起きるため、UHS-IIのV60/V90が視野に入ります。
使い分けの理由は、撮影中にカードへ書き込むデータ量が用途で桁違いだからです。静止画1枚は数MB〜数十MBですが、4K動画は毎秒数十MBを連続で書き続けます。注意点として、容量と速度はどちらかを満たせばよいものではなく、両方を用途に合わせる必要があります。「大容量だけど遅い」カードで4Kを撮ると、容量が余っていても録画が止まることがあります。
予算別:1,000円台から3万円台までの狙い目
予算で見ると、狙い目のゾーンは3つに分かれます。1,000円台なら、キオクシアEXCERIAの32GB(SDHC・U1)のような堅実なエントリーカードが手に入り、写真中心の入門用途に向きます。7,000円前後まで出せるなら、サンディスクExtreme PROの128GB(SDXC・U3/V30・UHS-I、2026年7月時点の実勢)のような、4Kも快適な高速大容量が狙えます。3万円前後の予算があれば、UHS-IIのV90カードでプロ用途にも対応できます。
価格差の理由は、容量とバス速度(UHS-I/II)にあります。同じ容量でもUHS-IIはUHS-Iの数倍の価格になりがちです。注意点は、オーバースペックを買っても、カメラがその速度に対応していなければ差額が無駄になること。まずは手持ちの機器の対応上限を調べ、その範囲で最良のカードを選ぶのが、いちばん無駄のない買い方です。
| 撮影シーン | おすすめの規格・クラス | 容量の目安 |
|---|---|---|
| スマホ代わりのスナップ | SDHC / U1・Class10 | 32GB |
| RAW・4K動画 | SDXC / U3・V30・UHS-I | 64〜128GB |
| 8K・高速連写 | SDXC / V90・UHS-II | 128GB以上 |
枚数と容量、どう分けるのが安全か
もう一つ悩ましいのが「大容量1枚か、中容量を複数枚か」です。結論としては、旅行やイベントなど撮り直しがきかない場面ほど、中容量を複数枚に分ける運用がリスク管理になります。理由は、1枚が突然故障してもすべての写真を失わずに済むからです。プロが撮影の途中でカードを差し替えるのは、この分散の考え方に基づいています。
一方で、動画の長回しでは頻繁なカード交換が現実的でないため、大容量1枚が向きます。使い分けの基準は「撮り直せるか」です。日常のスナップなら大容量1枚の手軽さを取り、二度と撮れない旅行や式典では複数枚に分ける。注意点として、複数枚運用では撮影後にどのカードがどのシーンか分からなくなりやすいので、ケースにラベルを貼るなどの管理をおすすめします。
おすすめSD/SDHCカード3枚を価格と速度で比較
ここからは具体的な製品で、規格ごとの違いを実感してもらいます。エントリー向けのSDHCから、4K向けのSDXC、プロ向けのUHS-IIまで3枚を、速度と実勢価格で横並びにしました。価格は2026年7月時点の実勢で、容量や販売店により変動します。
まず比較表で速度と価格の差を掴む
3枚のスペックを並べると、規格とバスの違いが価格にどう反映されるかが一目でわかります。同じSDXCでも、UHS-IとUHS-IIで速度も価格も大きく変わる点に注目してください。
| 項目 | キオクシア EXCERIA | サンディスク Extreme PRO(UHS-I) | サンディスク Extreme PRO(UHS-II) |
|---|---|---|---|
| 規格 | SDHC/SDXC | SDXC | SDXC |
| バス | UHS-I | UHS-I | UHS-II |
| 最大読出 | 100MB/s | 200MB/s | 300MB/s |
| スピードクラス | U1 / C10 | U3 / V30 | U3 / V90 |
| 実勢価格 | 約1,000〜1,300円(32GB) | 約7,000円前後(128GB) | 約3万円前後(128GB) |
入門SDHCの定番:キオクシア EXCERIA
「まずは1枚、堅実なものを」という方に向くのが、キオクシア(旧東芝メモリ)のEXCERIA SDHC/SDXC UHS-Iです。32GB(SDHC)から512GB(SDXC)までラインナップし、最大読出は100MB/s、UHSスピードクラスはU1、SDスピードクラスはC10。32GBモデルの実勢価格は約1,000〜1,300円(2026年7月時点、変動あり)と手頃です。
このカードが活きるのは、フルHD動画や静止画中心の入門機・コンパクトデジカメです。国産メーカーで保証も5年つき、初めての1枚として安心感があります。注意点として、ビデオスピードクラス(V表記)には非対応で、書き込み速度も控えめなため、4Kの高ビットレート動画や高速連写RAWには力不足です。あくまで写真とフルHDまでの用途、と割り切って選ぶのが正解です。出典はメーカー公式(KIOXIA EXCERIA SDメモリカード)。
4K撮影の主力:サンディスク Extreme PRO(UHS-I/UHS-II)
4K動画やRAW連写までしっかりこなしたいなら、サンディスクのExtreme PROが定番です。UHS-Iモデル(型番SDSDXXD、128GB)は最大読出200MB/s・最大書込90MB/s、U3・V30に対応し、実勢は約7,000円前後(2026年7月時点)。UHS-Iながら4K動画に必要なV30を満たし、コストと性能のバランスが良い1枚です。
さらに上を目指すなら、UHS-IIモデル(型番SDSDXDM、128GB)があります。最大読出300MB/s・最大書込300MB/s(V90の最低保証は90MB/s)で、8Kや高速連写RAWの書き込みでも詰まりにくいのが強み。実勢は約3万円前後です。注意点は、UHS-IIの真価はカメラ側もUHS-II対応でこそ発揮される点。UHS-Iスロットの機種で使うなら、価格差の小さいUHS-Iモデルで十分です。自分のカメラのスロット規格を確認してから選びましょう(出典:SanDisk Extreme PRO SD UHS-I)。
一眼レフ・ミラーレス向けのSDカードをもっと幅広く比較したい方は、価格帯別にまとめたこちらの記事も参考になります。

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買う前・使う前に知っておきたい落とし穴
規格も選び方も分かった——でも、実際に使い始めてから「あれ?」となる落とし穴があります。ここでは、多くの人がつまずくポイントを、原因と対策のセットで先回りしてお伝えします。知っておくだけで防げるものばかりです。
【失敗パターン②】FAT32のSDHCで長時間動画が途中で分割・停止
2つ目の代表的な失敗が、SDHC(FAT32)で長い動画を撮ったら、1本のはずの動画が複数ファイルに分割されていた、あるいは録画が途中で止まっていた、というケースです。原因はFAT32の「1ファイル最大4GB」という制約で、これはカードの故障でも設定ミスでもなく、ファイルシステムの仕様です。ビットレートが高いほど4GBに早く到達し、分割の頻度が上がります。
対策は、長時間・高画質の動画を撮るなら、exFATのSDXC(64GB以上)を選ぶことです。SDXCなら4GBの壁がなく、1本の長尺動画をそのまま記録できます。すでにSDHCしかない場合は、編集ソフトで分割されたファイルを後から結合する方法もありますが、手間がかかります。注意点として、カメラによっては安全のため意図的にファイルを分割する仕様もあるため、機器の取扱説明書で録画時間の上限も併せて確認しておくと確実です。
フォーマットは必ず「使う機器」で行う
新しいカードを買ったら、あるいは他機器で使ったカードを流用するときは、必ず使用する機器本体でフォーマットしましょう。パソコンでフォーマットすると、機器が想定するファイルシステムや管理領域とずれ、認識不良や書き込みエラーの原因になることがあります。カメラのメニューにある「フォーマット(初期化)」を使うのが最も確実です。
特に注意したいのが、パソコンの標準機能では64GB以上をFAT32にできない、SDXCを誤ってFAT32化すると機器で読めなくなる、といったトラブルです。ファイルシステムを触る前に、その機器がexFATとFAT32のどちらを求めているかを把握しておくことが大切です。フォーマットの正しいやり方は、こちらの記事で手順を詳しく解説しています。

「SDカードのフォーマットって、ただの全消去でしょ?」——そう思って気軽に実行し、大切な写真を失った人は少なくありません。実はフォーマットは「データを消す作業」…
偽物・粗悪品を避ける買い方
大容量SDカードには、容量を偽装した偽物や、表示ほど速度が出ない粗悪品が出回っています。相場より極端に安い大容量カードは要注意で、「128GBと表示されるのに実際は数GBしか書けない」といった被害も報告されています。原因は、コントローラーに偽の容量を記録した不正品が、フリマや一部の通販に紛れているためです。
対策は、メーカー正規品を、信頼できる販売店やメーカー公式ストアで買うこと。パッケージのホログラムや型番、保証の有無を確認しましょう。使用シーンとしては、大切な撮影の直前に安さだけで初めてのブランドを選ぶのは避け、事前にフォーマットと試し撮りで正常に書き込めるかを確認しておくと安心です。注意点として、購入後は実際に容量いっぱい近くまで書き込めるかをチェックしておくと、偽装品を早期に見抜けます。
まとめ:違いは「容量・ファイルシステム・互換性」の3点で理解する
SDカードとSDHCカードの違いは、突き詰めれば「容量」「ファイルシステム」「互換性」の3点に集約されます。無印SDは最大2GBでFAT16、SDHCは32GBまででFAT32、その先のSDXCは2TBまででexFAT。容量の壁を超えるたびにファイルシステムが変わり、それが動画の4GB分割や機器との互換性に直結していました。
選び方の順番は明快です。まずお使いのカメラや機器が対応する規格の上限を取扱説明書で確認する。次に、写真中心か動画中心かで必要な容量と速度(スピードクラス)を決める。最後に、予算に合わせて信頼できるメーカーの正規品を選ぶ。この順番を守れば、「買ったのに認識されない」「動画が途中で止まる」といった失敗はほぼ防げます。
まず1枚目に迷ったら、手持ちの機器がSDXC対応であることを確認したうえで、4Kも視野に入る64〜128GBのSDXC(U3/V30)を選んでおくと、当面の撮影で困ることは少ないはずです。写真だけの入門用途なら、32GBのSDHCから気軽に始めて構いません。自分の撮り方に合った1枚を選んで、安心して撮影を楽しんでください。
※製品の価格・仕様は2026年7月時点の情報です。最新の価格・スペックは各メーカー公式サイト等でご確認ください。

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